競争の激しいロサンゼルスのミュージックシーンの中で、最近注目を浴びている実力派ベースプレイヤー、Jerry
Wattsのインタビューです!
PCI:ロサンゼルスで生まれ育ったんですか?
Jerry:いいえ、違います。生まれはニュージャージーです。しばらくそこで育ったんですが、その後は色々と引っ越しをして、高校と大学1年までの間はまたニュージャージーに戻り、そしてカリフォルニアに来たんです。ロサンゼルスに越して来たのは1979年です。California
State University Northridge(CSUN)に行きました。すごくいいキャンパスですよね。僕は音楽を専攻していましたが、当時は音楽関係がすごく充実していた大学です。
PCI:ベースは貴方が最初に始めた楽器ですか?
Jerry:いいえ、アコーディオンから始めたんです。それからヴァイオリン、その次はギター。そして最後にベースにたどり着きました。12歳頃だったと思います。
PCI:学生時代はどんな音楽をプレイしてたんですか?
Jerry:高校の時は色々やってましたね。なにしろうちは色んな州へ引っ越してましたから。ニュージャージーからニューヨーク、ロサンゼルス、サンディエゴ、それからフロリダ。その場所その場所で色んなタイプのバンドがいましたので様々なバンドに入って色々なタイプの音楽を学んで行ったんです。とにかくたくさんのGIGをしました。一番最初のGIGは13歳の頃でしたよ。
PCI:いつからプロになられたんですか?
Jerry:いつからですかね。とにかく13歳の頃からGIGでお金を貰ってたりしましたし、それからずっとどこかでプレイしてましたね。高校の頃は休日だけだったんですが、大学に入ってからは必ずどこかでGIGをしていました。そんな感じで今もこの演奏三昧の生活が続いています。
PCI:CSUN卒業後のベースプレイヤーとして主な活動は何だったんですか? 主な活動はスタジオでのプレイだったんですか?
Jerry:いいえ、スタジオでプレイする様になったのは随分先の事です。最初の頃はライブ活動が主でした。そして徐々にスタジオでプレイする機会が増え大学を出た年にはレコードも製作しました。
PCI:サイモン・フィリップスとも一緒によく演奏したことがあるそうですね。
Jerry:はい。それは随分後の話で、1997年と1998年でした。アルフォンソ・ジョンソンが、僕にサイモンとプレイしないかと勧めてくれたんです。サイモンのツアーにアルフォンソが参加できなくなったので。替りに僕がヨーロッパツアーに行ったという訳です。1997年の夏にヨーロッパへ行き、その後日本へのツアーにも同行しました。
PCI:日本には何度も行かれてますか?
Jerry:はい、12回行きましたね。
PCI:そうですか。サイモンとのツアーが初めての日本行きだったんですか?
Jerry:いえ、違います。彼と行ったのは8回目か9回目だったと思います。
PCI:最初は誰と日本へ行かれたんですか?
Jerry:最初はブラジル人の作曲家でドリー・カイミ(Dori Caymmi)という人と日本へ行きました。
1990年だったと思います。彼と2人で日本へ行って渡辺貞夫と一緒にプレイしました。その後も色々な人と日本へ行きましたが、全員を思い出すのはちょっと難しいですね。マリリン・スコット(Marilyn
Scott)という歌手とも一緒に行きましたし、ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)とも94年に行きましたね。それから、何度か女性歌手のケヴィン・レトー(Kevyn
Lettau)とも行ってます。
PCI:サイモンとは「サイモン・フィリップスバンド」として行かれたんですか?
Jerry:はい、そうです。スティーヴ・ヴァイ、ポール・ギルバート、アンディー・ティモンズも一緒でした。そうそうジェフ・バブコもいました。
PCI:それは何年のことですか?
Jerry:あれは1997の秋でした。
PCI:実は以前、サイモン・フィリップスとジェフ・バブコにもインタビューさせて頂いたんですよ。
Jerry:彼らは素晴らしいですね。その後、1998年の始めに彼らと一緒に7週間ヨーロッパツアーに行ったんです。13ヶ国回りましたが、本当に良い経験になりました。その時のライブレコードは「Out
of the Blue」というタイトルで出ています。
PCI:それから、アンディー・サマーズともプレイされていますよね?
Jerry:アンディーとは5年間仕事をやりました。何枚かのレコードも一緒に作りましたよ。97年くらいまで彼との仕事は続きましたね。
PCI:今の貴方の主な活動は何ですか?
Jerry:今は多岐に渡る仕事をやっています。スタジオミュージシャンとしてCD製作。テレビの仕事。そして最近ではアニメーションのテレビシリーズの仕事もしました。ご承知の通り最近スタジオでのレコーディングの仕事は本当に減りましたからね。音楽業界自体が最近急激に変わっています。デジタル技術の進歩でね。そんな状況の中で、今ケヴィン・レトー(Kevyn
Lettau)という女性歌手と一緒に仕事ができることを光栄に思っています。今新しいCDも製作中です。アレンジはドリー・カイミというブラジル人作曲家です。その他にはLA
Music Academyでベースを教えています。
PCI:そういえば以前マコトさんの結婚パーティーでお会いしましたが、マコトさんとも今もプレイしますか?
Jerry:はい。 たまにやっていますよ。
PCI:他にもマイケル・ランドーなどミュージシャンとプレイされていますね?(マイケルランドーとのBaked
Potatoでのライブの写真はこちら。)
Jerry:そうですね。長い間、Baked Potatoでは多くの素晴らしいミュージシャンとプレイしてきました。それから昔は
Le Cafeというクラブもあったんですが、そこでもよく演りました。最近では
La Ve Leeでもよくプレイしますね。(La Ve Leeでのライブ写真はこちら)
PCI:LA Music AcademyでBassを教えているとの事ですが、日本人の生徒もいますか?
Jerry:いますよ。正直に言うと、教えるということは初めはやりたくなかったんです。僕の友達があの学校を仕切っていたので仕方なくやり始めたことなんです。けれど驚いたことに、始めてみると僕自身も数多くのことを学ぶことが出来たし、僕のプレイも大きく成長することが出来ました。学校のカリキュラムは1年のコースなんですが、その1年の間に生徒達が成長していくのを見るのがとても楽しみになって来たんです。僕や他のベースを教えている教師達も日本人の生徒達は大好きです。彼等はすごく努力家でいつも頑張っていますからね。様々な国からたくさんの生徒達がうちの学校にやってきますが、その中でも英語を覚えるということは日本人にとっては難しいと思います。でも彼等にとってそれは大きな問題ではなく、どうにかして理解しようとしてとにかく頑張るんです。それでどんどん成長します。それは僕にとってすごい衝撃でした。僕は自分の国を出て生活したことは無いですからね。違う国へ行って、全く違う言葉を話す人たちに混じっても全く動じないと言うか、何を言ってるか分からないけどとにかく理解してやるぞっていう意気込みが生徒達にはあります。それはすごいことだなと思いますね。
PCI:機材のことを少し聞かせて頂けますか? 今貴方が一番主に使ってるベースは何ですか?
Jerry:MTDのベースを高く評価しておりライブでは一番多く使います。
(Jerryのベースのプレイの映像はこちら)
PCI:アンプは如何ですか?
Jerry:アンプはSWRを長いこと使っています。SWRの音は変わって来ているので色んな物を試しているという状況です。最近は、フィル・ジョーンズのアンプを良く使います。これは素晴らしいですよ。
PCI:エフェクトペダルは使いますか?
Jerry:そうですね、XoticのTri-logicBass
Preampやロボトークを使っています。すごくいいですね。(デモ映像はこちら)
また近いうちに日本へ行くと思いますのでその時は連絡します。
PCI:楽しみにしています。お忙しいところ有り難うございました。(6/25/2004)
Jerry Wattsの映像はこちら