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ジョー・バーデンの秘密(その3)

 

ジョー・ペリーのサウンドコンサルタント

エアロスミスのジョー・ペリーやブルース・スプリングスティーン、ニルス・ロフグレンなどと親しいジョー・バーデン。著名プロミュージシャン達との付き合いについて聞きました。

PCI:エアロスミスのジョー・ペリーとの付き合いはどの用に始ったんですか?

Joe:確か1992年だったと思いますが、ウォッシュバーン(Washburn)というギターメーカーから電話があり、ジョー・ペリー用のギターを作るので僕のピックアップを格安で欲しいと要望がありました。僕は突然そんなことを言われても、相手のことも良く分らないので安売りは出来ないと断ったんです。ジョー・ペリーのこともその時は良く知りませんでした。しばらくしてジム・サービス(Jim Survis)というジョー・ペリーのギターテックから連絡があり、我々の方で代金はきちんと払うのでジョー・バーデン・ピックアップを売って欲しいと連絡があったんです。ジム・サービスとはそれ以来の付き合いですが、本当にナイスガイです。ジョー・ペリーが赤いウォッシュバーンのギターを持って後ろを振り返っている宣伝ポスターを見たことありませんか?ずいぶん前の話ですけど。そのギターに僕のピックアップが初めて採用されたんです。

Aerosmithのコンサートのバックステージにて。

 

PCI:それからジョー・ペリーとの付き合いも始まったんですか?

Joe:その後しばらくは連絡ありませんでした。1997年にまたジム・サービスから連絡があり、今度はテレキャスター用のピックアップが欲しいとのことでした。この時からエアロスミスとの新しい関係が始まったんです。ちょうどその時、彼らはワシントンDCのコンサートに来ていましたが、特別エアロスミスのファンということでもなかったので、最初はコンサートに行くつもりはありませんでした。 

PCI:それがどうして行くことになったんでしょう?

Joe:ギターテックのジム・サービスのおかげです。本当にいい人で意気投合し是非会おうということになったんです。そこでピックアップを持って彼らに会いに行ったんです。もちろんちゃんとピックアップは買ってもらいました。今までビジネスをやっていて分ったことですが、有名無名に関わらずミュージシャンには2種類の人種がいます。気に入った機材を買う代金をきちんと支払いする人達、そして一方で、いつもただで機材やパーツをくれと要求する人達。もちろんエアロスミス、ジム・サービス達は前者です。

PCI:なるほど。その時にあなたの改造したアンプも彼らに見せたんですね?

Joe:そうです。今でも良く覚えていますが、ジム・サービスと彼のスタッフと一緒にステージでディナーを食べていた所へバンドメンバーが到着したんです。そこで初めてジョー・ペリーなどエアロスミスの全メンバーと直接話をしました。ジョー・ペリーはこう言ってくれました。 「会えて本当に嬉しい。ジョー・バーデン・ピックアップは僕のサウンドに素晴らしい影響を与えてくれた。ツアーに出る時は必ずジョー・バーデン・ピックアップ搭載のギターを持って行くんだ。 感謝しているよ、ありがとう!」 

Joe Perry のギターとJoe Bardenピックアップ

 

PCI:ギターテックのジム・サービスだけでなくジョー・ペリー自身もあなたのピックアップをたいへん気に入ってくれたんですね。 

Joe:そうなんです。本当に嬉しかったですね。そしてジョー・ペリーは僕の持っていたアンプに気づいて「これは?」って聞くので「僕の作ったアンプです。」って言ったら試し弾きをしてくれたんです。ブラックフェイスのプリンストンを改造した物などを持っていったんです。 しばらく試した後、弾くのを止めてしまいました。 「あぁ、気に入らなかったんだ。」とがっかりしたんですが、そうしたらジョー・ペリーはジム・サービスに「レスポールを持ってきて。」と言って延々とそのアンプで弾き始めたんです。それを聞きつけたブラッド・ウィットフォードもやってきて彼も試し弾きを始めました。ブラッドも自分のギター・テックを呼んで自分のギターを何本か持ってこさせて弾き始めたんです。本番前のドレスルームでジョーとブラッドが僕のアンプで延々と弾きまくってる姿は嬉しくもあり、ちょっとおかしかったです。アンプの全てのつまみは知らないうちにフル10になっていました。(笑)2人共、僕のアンプを大変気に入ってくれたんです。

 

PCI:それであなたもエアロスミスの大ファンになった訳ですね?(笑)

Joe:もちろん。その日初めて彼らのステージを見て感動しました。それから彼らとの付き合いが始ったんです。特にギターテックのジム・サービスとは今もたいへん親しい仲です。

PCI:ジム・サービスはジョー・ペリー専属のギターテックなんですか?

Joe:以前はそうでしたが今はエアロスミス・バックラインのチーフです。ジムは今やエアロスミスのサウンドに無くてはならない重要な人物の一人です。 

PCI:毎年エアロスミスのツアーにはあなたも同行するんですか? 

Joe:いつもという訳ではありませんが、東海岸に来た時は出来るだけ顔を出す様にしています。彼らが使うアンプについては僕が責任を持ってサポートしています。その他ジム・サービスからの依頼でジョー・ペリーの使うギターのメンテや改造なんかも最近やってます。 

エアロスミスの正式スタッフ達だけが持っているスケジュール表

 

PCI:エアロスミスのスタッフの一員なんですね。サウンド・コンサルタントとでも言うポジションなんでしょうか?

Joe:そうですね。ツアーに参加する場合は、エアロスミスの正規登録スタッフの一員として同行しています。近いうちに彼らの日本ツアーにも是非同行したいと思っています。

PCI:それは楽しみです。では、ブルース・スプリングスティーンとの付き合いはどの様に始まったんでしょう?

Joe:ブルースは、1991年にジャクソン・ブラウンなどが出演した、あるチャリティーコンサートでプレイしました。その時、ジャクソン・ブラウンのギタリスト、マーク・ゴールデンバーグ(Mark Goldenberg)がたいへん素晴らしいサウンドを出していたので驚いていたそうです。マークはジョー・バーデンピックアップを使っていました。しばらくして、ブルースのエンジニア、トビー・スコット(Toby Scott)から電話があったんです。トビーが自分が使うので4セットピックアップを欲しいと買ってくれたんです。 

PCI:トビーが自分用に買ったんですか?

Joe:その時はなぜこのトビーという人がそんなにいくつもピックアップが必要なのか不思議に思いました。彼がブルースのエンジニアだということもその時は分りませんでしたから。後で分ったことですが、結局全てのピックアップはブルースのために購入されたんです。ブルースのスタッフ達はブルースのプライバシーを守るために、外部の人間に接触する時はずいぶん注意をはらう様です。いずれにせよその時からブルースとの関係がスタートしたのですが、直接ブルースと会ったのは3年程前でした。

PCI:ブルース・スプリングスティーンはどのピックアップを気に入ったんですか?

Joe:テレキャスタータイプです。今はブルースのギターテック、ケビンが僕の窓口になっています。それから僕はニルス・ロフグレンと、彼がニール・ヤングと常に一緒にプレイしている頃から親しくさせてもらってます。もちろんニルスも僕のピックアップをたいへん気に入っています。それでブルースが1999年ワシントンDCに来た時ニルスも参加していたんで、バックステージへニルスに会いに行ったんです。そしてその時、ブルースにも直接会うことができました。ブルースのテレキャスターには全て僕のピックアップが搭載されていて、配線も僕の進めた通りになっていました。ブルースはこう言ってくれたんです。 「ジョー・バーデン・ピックアップは俺のテレキャスターを素晴らしい別物に変えてくれた。ありがとう!」って。 

PCI:そうですか。ニルス・ロフグレンも素晴らしいミュージシャンですね。日本でも人気ありますが、彼にはピックアップの供給だけでなく機材のコンサルタントもしてるんですね。

Joe:そうです。ニルスの使っているメサ・ブギー・アンプは僕が改造しました。ギターとアンプのメンテも僕がずっとやっています。

PCI:音にうるさいプロミュージシャンとの付き合いの中でジョー・バーデン・ピックアップは揉まれてきたんですね。では、新しい製品についていくつか聞かせてください。ストラトタイプのピックアップにJoe Perry バージョンがブリッジ用として追加されていますね?

Joe:これは当初、初めて特定のミュージシャンの特注として作ったピックアップです。ジョー・ペリーとジム・サービスの意見を聞きながら開発しました。

PCI:通常のS-Deluxeとどこが違いますか?

Joe:ジョー・ペリーはよりヘビーなサウンドを望んだんです。ただハンバッカーほどでは無い物を。通常のS-Deluxeとハンバッカーの中間のサウンドですね。実際作ってみたら、ジョー・ペリーだけでなく他の人たちにも喜ばれるピックアップになったので、標準ラインに加えました。特にヘンドリックスのブリッジ・ピックアップ・サウンドを望まない人に喜ばれます。通常のS-Deluxeではヘンドリックスのブリッジ・ピックアップ・サウンドが出るので好評ですが、もっと分厚いサウンドを出したいミュージシャンも少なくないんです。そういう人達にはS-Deluxe Joe Perry Bridge Pickupがお奨めです。ジョー・ペリーの全てのストラトには今はこれがついています。 

PCI:Jaguar用のピックアップも好評とのことですが?

Joe:このピックアップの開発もジョー・ペリーがきっかけでした。彼が日本で買ったFender Jaguarをここへ送って来たんです。もっとブライトでベターなサウンドにしたいと依頼されました。ピックアップを替えてギターのメンテもして送った所たいへん満足してもらえたんです。 

PCI:その他にはどんな新製品の開発を進めていますか?

Joe:Mini Humbucker、Jazz Bass、P-90タイプのピックアップを開発しています。

PCI:楽しみにしています。アンプの方はどうなっていますか?

Joe:もう頭の中では完成しているので、後はいかに時間を見つけて仕様の詳細を決定するかだけなんです。近いうちに発表出来る様頑張ります。

PCI:サウンドについては、すでにエアロスミスなどが納得してるわけですから楽しみです。ここにプロトタイプがありますが中を見させて頂いてもいいですか?

Joe:いいですよ。

 

(PCIコメント:その後延々と何時間も彼のアンプの回路、パーツ、ノウハウについて説明とデモ演奏がありました。素晴らしいアンプが出来そうです。 ただ忙しい彼がいつどの様に時間を取って開発を進めてくれるか、それが問題かもしれません。最近ではU2 のギターテックとも親しくしており、ますますプロミュージシャンとの付き合いが増えたそうですので。 2003年6月)

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