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アメリカで多くのギタリストが読んでいる雑誌Premier Guitarの
2010年4月号に載った"Xotic XJ-1T 4弦ベース"のレビューの和訳です。

Premier Guitarオリジナルのページはこちらへ!

Xotic(エキゾティック)がJ-Bassタイプを発売。機能が追加され、品質も高い。

ショーン・オブライアン・スミス(Sean O'Bryan Smith)著

1996年以来、楽器メーカXotic(エキゾティック)は、こだわりを持ったプロの間で、その品質の高さを評されてきた。Keith Horne、Ric Fierabracci、Michael Rhodesをはじめとする多くのツアー・ミュージシャン、またベーシスト兼役者として知られる Malcolm Jamal-Warnerもライヴ演奏で、Xoticのベースを頼りにしている。1999年、Xoticはエフェクターの世界に手を広げ、Scott HendersonやAndy Timmonsをはじめとする多くのプロギターリストたちにも愛されるメーカ―となった。ここ数年は、そのエフェクターの人気に応え、ペダルの開発に重点を置いていたようだが、最近になって再びベース制作に力を入れ、XJ-1T 5弦ベースを発表するに至った。そして同モデルの大好評を得て、“いとこ”にあたるXJ-1T 4弦ベースを2010年のNAMMショウで発表したのである。 XJ-1T モデルはXoticの「伝統と先進の妥協無き調和」というこだわりを体現しているが、新しい4弦ベースでも、その確固たる信念が継承されている。

<Xoticの才能>
XJ-1T は単なる伝統的なジャズ・スタイルのベースではない。そのボディは時代を越えたクラシックを思わせるが、内容な純粋なXoticベースである。 ボルトオンされた22フレットのネックやオフセット・ボディなどハイエンドのJ-Bass独特の外見をはじめ、プレーヤーがXoticに期待するフィーチャーを受け継いでいる。市場の中でXJ-1Tが群を抜く理由には、人目をひくLindy Fralinピックアップ、Hipshotのウルトラ・ライト・ チューナーとブリッジ、カスタムのピックガード、そしてXoticの秘密兵器の電気回路がある。 XJ-1Tに内蔵された、エフェクツ・ペダルとプリアンプで知られるXoticならではの、この3バンド・プリアンプは、間違いなくベーシストを喜ばせてくれるだろう。また、18Vのシステムにすることによってさらなるヘッドルームが追加され、トーン調整にこだわるプレ―ヤーにはたまらないだろう。クロームのノブは おなじみのJ-Bassと同じ設定で、ピックアップ別のボユームコントロールとマスタートーンがある。 また、ミニ・ノブはプリアンプがアクティブの際、ベース、ミッドとトレブルをコントロールする。

XJ-1T に秘められた可能性はそれだけではなく、2つのボリュームノブはプッシュ/プルになっている。プッシュするとベースはパッシブモードになり、クラシックなJ-Bassの音になる。そしてプルするとユニークなハムバッカーモードになり、2つのピックアップが合体されて一つの大きなピックアップとなる。この設定ではフロントのボリュームコントロールがマスターボリュームとなり、かなりの音量が得られる。また、これでも満足できないこだわり派のために、Xoticは更なる機能を用意している。バックパネルから中音域のスイッチ、また出力ゲインコントロールにアクセスできるのである。じっくりと時間をかけ、思い通りの音をベースから得ることができるだろう。出荷時の設定で既に申し分ない音だが、このオプションがかなりの優れものであることに違いはない。

また機能面では、このベースは2009年のXotic XJ-1T 5弦ベースに非常に近く、大きな違いと言えば、当然のことながら弦が一本少ないことだ。 しかし木材の組み合わせからも、XJ-1T 4弦ベースは70年代のJ-Bassの精神を再現している。5弦ベースと違い、ネックはオイル・フィニッシュのメープル材、そしてフレットボードもメープル材である。フレットはどちらのベースも6150 typeの Jescarのニッケル・シルバーを使用している。もう一つの違いは XJ-1Tのボディはアッシュ材であることだ。この楽器は70年代の雰囲気を持っているのである… ディスコ・ミュージックとファッションを別としてだが。

ケースから取り出した瞬間、その職人技に感銘を受けた。そして数時間の検査の結果、欠点がひとつも無い事に心底驚いた。
出荷時の設定は安定していて良いが、自分の軽めの演奏スタイルに合わせてアクションを低くした。幸運なことに、その他には調整は必要なく、夢のような設定だった。オイル・フィニッシュのネックには素晴らしい、使い込んだフィールがある。何よりも驚いたのは、何も繋がない状態での楽器の生音がいかに響くかだった。サステインと音の明瞭さは抜群である。また、メープルとアッシュ材の組み合わせは高音域の強いブライトなサウンドになりがちだが、ミッドレンジには適度なパンチがあることにも驚いた。ベースをテストしようと、幾つものライヴとレコーディングセッションの場で使用したが、どんな状況でも完ぺきに必要に応えてくれた。このベースを発表するに際して、Xoticがかなりの研究を重ねたことが分かる。また、プレーヤーたちが何を求めているかにも耳を傾けてきたに違いないと思う。どのトーン設定も、幾つもの状況で活用することができた。スラップ・プレーヤーなら、アクティブの電気回路を使用してMarcus Miller風のトーンが得られる。そしてLindy Fralinは非常にクリーンで、録音に最適である。自分が特に気に入ったのは、ブリッジ・ピックアップをソロにすれば、Jaco風のトーンにも調節できることだ。J-Bassは大抵、Marcus風とJaco風のどちらか一つの音を得られるが、両方を得られることはないのである。

<最後のMOJO>
他の米国製のJクローンと比べた時、このベースに資金を費やす価値があるだろうか? もちろんだ。市場にあるどの競争相手にも劣らないサウンド、むしろ優れていると言えるだろう。そして何よりも大切なのは、他のものよりもはるかに柔軟性があることだ。このベースはスイス製のアーミーナイフのような多様性があり、どのジャンルのプレーヤーでもメインのベースとして使えるだろう。私自身、セッションの際に必要だった複数のベースをスタジオにしまい、それらに変わってXJ-1Tだけを持って行くことができることが楽しみだ。ハイエンドのJ-Bassが好きな者には、このベースは最適だろう。

購入するべし...
ハイエンドのJ-Bassのサウンドが好きなら。

購入せざるべし...
米国製ではない輸入品に2000ドル以上を費やせないなら。

評価...4.5