最近アメリカで多くのギタリストが読んでいるPremier Guitarという雑誌の
2007年12月号に載った"AC Plus"のレビューの和訳です。
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Xotic Effects AC Plus
クリス・バーガス著 <By Chris Burgess>
壁に体当たりするようなディスト-ションを求めるハード・ロック、メタルプレーヤーを満足させるオーバードライブやディストーションペダルは多々あるが、より控えめな設定でも良質な音を得られるペダルを探すのに苦労をした。又、自分のギターと相性が良く、トーンを台無しにしない物を探すとなると更に困難だ。
自分はアンプのゲインを控え、EQはフラットにし、クリーンで演奏する事が多い。テレキャスターの各ピックアップ特有の音―鋭く弦のはじける音、スムーズな金属音、太くブルージーな音―を生かしたいからである。しかし、特に低音域には多少の荒さも欲しく、のめり込んで演奏する時にはマイルドな分裂も欲しい。どのトーン設定でもテレキャスター特有のサウンドを元に音作りを心がけているが、壊されやすいものである為、エフェクトを足すと簡単に音が洗い流されてしまう。
これがAC Plusが非常に好きな理由である。つまり、自分の気に入っているギターの音を諦める事なく、幅が広く、しなやかで正確なオーバードライブを得ることができる。接続した瞬間、その透明感に感動した。確かに自分のギターの音でありながら、それが更に誇張されていた。どの設定でも透明感と、元のトーンを保つ事ができた。ベースとミッドにはエッジのある重たさを、トレブルには厚みを足し、シグナルに活性感と、素晴らしく安定したサステインを与えてくれる―しかも自分特有のサウンドは損なわれない。
AC Plusには、スタック可能なチャンネルが2つ―ゲイン・ブースターとプリアンプ・チャンネル―あるが、他の2つの機能を持った2in1のエフェクターとは比べものにならない。ゲインとレベルのコントロールとプリアンプ段階でのベース/ミッドレンジのリフトだけではない。Aチャンネルにはハードとソフト・クリッピングの選択があり、パリッとしたクリーンなブーストから、スムーズで暖かいオーバードライブに変換できる。更に3バンドEQで微調整が可能である。Bチャンネルを足し、2段階目のゲイン調節をする事によってオーバードライブを更にプッシュする事、あるいは非常に太いスクリームにする事もできる。又、更にクールな点は、積み重ねたチャンネルの方向を変える事ができる事で、A>BをB>Aにする事でゲイン・ストラクチャーのダイナミックスを大幅に変える事ができる。このおかげで、一つのエフェクターから多種多彩なオーバードライブを引き出すことができる。ルースでファジーな音から、タイトで非常にパリッとした音まで得られ、どの音も大きなサステインがあり、自分のトーンに余計な着色がされる事もない。
ハムバッカーを通すとAC Plusのサウンドは他のディストーションペダルにあるような!?強調されたミッドレンジのある重厚な真空管系のコンプレッションに近くなるが、その正確なコントロールがゲイン・ストラクチャーにも可能である。ブラウン・サウンドには最適なセットアップだ―レスリー・ウェストとブライアン・メイの合体を思えばいいだろう。
どの様なスタイルでのギター演奏でも、このブースターは邪魔する事なく、そのギターの良さを生かす手伝いをしてくれる。多様性と敏感さを必要とするシングルコイル・ピックアップで演奏するプレーヤーにとっては、このエフェクターは本当にありがたい品である。
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