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Don Groshインタビュー その2

DON GROSH  トラスロッドをTONEする。

『何度も聞いているのですが、ユニークなトラスロッドについて説明してください』

Don: トラスロッドも音に影響があります。私はビンテージロッドは充分な重さと充分な強さが無かったと考えます。 ですから、これを改良しました。 ほら、持ってみて下さい。2ピース構造で大きくて重いでしょ?こっちのかなり細いのがビンテージロッドです。

『全然違いますね。重さが。』

Don: 重く質量もあるので、サステインがあるのです。アンカーに依存していないし2ピースなのでそれ自体が曲るように出来ています。更にネックの中でタイトに遊びが無い様に、キッチリインサートされ、ネックの全ての場所に力が掛かるよう設計してあります。

<実際に回して反らせてみせてくれる>

Don: これで、ネック全体で共鳴する事ができるのです。それから、ほんの少しネックを順ゾリに作りそこに弦を張るので更に大きくソリますよね。それを真直ぐにする為にかなり硬くロッドが締められる訳です。 仮に真直ぐに作ってしまうと弦を張っても余り強くロッドを締められないですよね。

話を元に戻すと、この状態でネック自体がかなり硬くなっています。 ネックが硬くなっているので、その外にあるヘッドとBODYがそこを支点に充分に振動できるのです。

『私の知り合いのリペアーマンが、オールドの凄く良く鳴る音の良いLPがあって、トラスロッドは最後まで締め切ってあり更に順ゾリで、これ以上ロッドで調整できないので仕方なく指板を剥がし、ロッドを入れ直したら音が悪くなったと。 締まりきって硬くなったネックの方が音が良かったと言っていましたよ』

Don: そのとうりです。もしやらかいネックだと、太い弦を張ってチョーキングするとネックが弦に引っ張られてグニョグニョして支点が不安定ですよね。 ネックが硬く安定しているものがサウンドベターなのです。 それとBODYのピックガード下のホールですね。レゾネンスが増します。BODYが共鳴するのです。

『アコースチック ギターの原理ですね?』

Don: その通りです。ヘッドを触ってみてください。<弦を鳴らしてみる> 次はBODYのエンドを触ってみてください。

『凄く振動していますよ!』

Don: 大きく振動しているのが分かりますね。 特にストラトタイプなら、このレゾナンスホールがある方が良いと思います。BODYが軽くなるという利点もあります。 ただしやり過ぎると、薄っぺらい音になってしまいますね。 よく、取り過ぎている物も見ますが、あれは余り良くないと思います。 バランスが大事です。しっかり硬いネックにある程度振動しやすい軽いBODYです。

『それでは、ホローBODYなどはどうです?もっと空洞が多いのでは?』

Don: ストラトタイプのBODYはコンターが有るので、余り大きく削りとれませんがTLタイプであればコンターも無くしてBODYの厚味も取れますので良いですね。 やはりある程度の木の質量も大事ですし、空洞の部分の容積も必要になりますからね。 貴方にもこのタイプは作りましたよね。一番最初の1本でした。スプルースカーブドTOPの。

『はい。あれは一番気に入っていますよ。ここで相談しながら皆で作ったので、最高の音がします。』

Don: あれは良かったですね。自分用にも、もう1本造りたい程ですよ。<笑い>

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ネックの構造を熱心に
解説するドン

手前がビンテージロッド、
黒く見えるのが
2ピース構造のドンのオリジナ
ルロッド

 

BODYのレゾナンスホール
の様子が分かりますか?