Don Groshインタビュー その3DON GROSH ギターの哲学 Don: <凄いクラックした初期のドングロッシュギターを持ってきて> こういうのが好きなんですよ。 ビンテージみたいなルックスでしょ? スペインの有名なギタリストのもので、世界中を旅してきているギターです。 『やはりカスタマーとの話し合いが充分に行われれば、音も良い方向にもって行きやすいですか?』 Don: 勿論! E-mailや電話で1台1台好みを聞きそれについて対応できるというのがうちの強みですね。 サっと造ってこれを買ってくれというのはやりたくは無いです。 カラーチャートに無い色でも対応しています。 ある人はスネークスキンだったり、このシャベルのこの緑色に塗ってくれとか、フレキシブルに対応してます。 『色、ルックスなど、メンタル面は実は音には大きく影響しますよね。』 Don: はい。音楽はスピリチュアル<精神的>なもので、私はクリスチュアンで神を信じていますから、何か言われてただその通り、言われたものを造るというのではなく、そこに何か精神的なものをアドしておきたい。 皆さんの前では実際に弾かなくても、私はギタリストですし、私がプレイするビルダーで、そのスピリッツが残っているギターにしたいのです。そういうものを加えようとして創ったギターに私のソウルを残しておきたいのです。 もし、それがもう弾かなくなってしまったものでもね。 だから、大量生産はしたくありませんし、1本についてかなり時間をかけて造っていますから、大量生産できる事はそれで素晴らしいと思いますが、私達は大量にはつくれません。 ですから、注文がこれ以上沢山だと困ってしまいます。 『ストックしてあるものは、ありますか?』 Don: ここの工房を始めてただの一度もありませんでした。 だって、自分の個人用のギターを造るのに4年もかかったぐらいですから。 『この前見せてくれたGoldの物ですね。』 Don: そう、家に大切に置いていますよ。売られちゃうと困っちゃいますよ。<笑い> DON GROSH 将来を語る。 Don: 将来は工房の2階にショールームを作って、私の今までのモデルとかを飾って自由に試奏できる様にしたいですね。
『でも、何も残って無いんですよね』 Don: そうなんですよ。ですから評判を聞いて折角来てくれたプレイヤーに弾いてもらうものが無いんです。 ですからそこで弾いてもらいたいんですよ。 友人のランデイ ジャクソンが7ヶ月前から、作ってくれと言っていますし、ボンジョビのベーシストもね。 親しい友人でもそんな状況なんです。 1年半前にベースを作るという事を言ったのが皆さんの注文が増えて今やそんな状況なのです。 ですから本当は余り発表したくないのですが、将来はアコースチックやアーチトップもやりたいんです。でもここでは御覧のように場所がありません。 でも沢山造る訳では無く、月に1台でも自分の満足いくギターを世に出していきたいですね。 どのタイプのギターでもDONのものは最高!といった具合にね。 元々この仕事を選んだのも、生活の為では無く趣味なんですよ。 作る事が。 自分のやりたい事をやりたいんです。 自分の為を考えて作る仕事を選んだのです。 ですから、作るのを楽しんでいますよ! 今のままボルトオンタイプを作っていれば儲かるでしょうが、やりたい事を実現していきたいのです。もっと色々楽しみたいですね。 こんな私のギター達を買って頂いて感謝しています。良い関係だと思いますよ。わざわざこんな所まで来て頂いて、ありがとうございます。 『いえいえ、でもまだまだTOPブランドのように黙ってても売れるという状況ではないですからね』 Don: でも、誰でも売れるという状況がない分、逆に育てていく楽しみがあるのではないでしょうか? 『はいそう思います。長い時間ありがとうございました。』
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ドン・グロッシュ氏 |
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