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Brad Fernquistインタビュー (1/2)

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

ロサンゼルスで超多忙のギタリストとまた知り合いになることができました。名は、ブラッド・ファーンクェスト(Brad Fernquist)。常に世界的に人気のあるアーティストとツアーに出ており、その技量と信頼性は折り紙つきの若手実力派ギタリストです。現在は、日本でも話題になっている女性シンガーソングライター、ミシェル・ブランチのバンドで、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本のツアーの真っ最中。 ツアーの話や、音楽へのこだわりについてまた一つギタリストの生き方を教えて頂きました。

ツアーギタリストとしての生き方とミシェル・ブランチ

PCI:私達はあなたのプロフィールをあまり知らないんですが、まず初めに今何をしているのかから教えて下さい。

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

 

Brad:今はミシェル・ブランチ(Michell Branch)と一緒にツアーをやってて、この前日本にも行って来たよ。 来月は本格的なツアーに行く予定なんだ。 もうすでにチケットは完売らしいよ。 ミシェルは今日本でも凄く売れてるらしいね。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

PCI:この前ミシェルの日本のサイトを見ましたが、今大変話題になっている様ですね。
(ミシェルのオフィシャルサイトはこちら。 日本のレコード会社のミシェル日本語サイトはこちら。) 

Brad:そうだね。 彼女の最初のアルバムが出たところだからね。 この数カ月間は彼女とのツアーで忙しかったよ。その前はファーストボール(Fastball)っていうバンドにいたんだ。このバンドはアメリカでも数100万枚CD が売れたけっこう人気のバンドだったよ。 ファーストボールの前は、ニューラディカルズ(New Radicals)っていうバンドのツアーがメインの仕事だった。 だからこの4年間はずっとツアーに出てたね。

PCI:この二つのバンドを同時にやってたこともあるんですか?

Brad:いや、まずニューラディカルズを最初にやって、それからファーストボールのツアーに参加するようになったんだ。 そして今はミシェル・ブランチという訳さ。 昔マイケル・ランドーが若い頃ジョニ・ミッチェルや色々なアーティストのツアーに参加したように、僕も今はギタリストとして色々な経験を積み、最終的にはここロサンゼルスでスタジオミュージシャンとして生きていきたいんだ。 

PCI:ニューラディカルズとファーストボールの仕事は今はやってないんですか?

Brad:今はやってないんだ。 今年は当分ミシェル・ブランチに専念さ。 毎年ヒットするバンドとずっとやってこれたんで僕はラッキーだったよ。 

PCI:それだけ実力が認められたということですね。 その後、ニューラディカルズはどうなったんですか? 

Brad:ヴォーカルの人がもう止めたんだ。 彼は今やロンドンでビッグなプロデューサーだよ。 ロッド・ステュアートの新しいアルバムのプロデュースもしてるんだ。 他にも元スパイス・ガールズ(Spice Girls)のシンガーや有名なアーティストとも一緒に仕事をしてるよ。 

PCI:何ていう方ですか?

Brad:グレッグ・アレキサンダー(Gregg Alexander)っていうんだ。 先週ミシェルとロンドンに行った時に会ったよ。

PCI:ミシェルとはヨーロッパにもツアーに行ったんですか?

Brad:世界中さ。 オーストラリアもヨーロッパもシンガポールも行ったんだよ。 今後またオーストラリアと日本へ行って、その後またヨーロッパへ行くんだ。 そしてオーストラリアへ戻ってまたヨーロッパさ。(笑)  その後アメリカツアーをもう一回やって、それが終わったらGoo Goo Dolls のアメリカツアーに6週間参加するんだ。 

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

PCI:凄いスケジュールですね。 ミシェル・ブランチのツアーの後はGoo Goo Dollsのツアーに参加されるという訳ですね。

Brad:そうだよ。 ニューラディカルズとファーストボールのツアーへ行った時、いつもGoo Goo Dollsと一緒にツアーをしてたんだ。 だからGoo Goo Dollsのメンバーは昔からよく知ってるんだよ。 

PCI:毎年人気バンドやアーティストと仕事をし続けることは大変なことだと思います。 今年はミシェル・ブランチがブレイクしそうなので忙しくなりそうですね。 

Brad:そうだね。 ツアーだけじゃなくてMTVなどのTV出演もたくさんあるしね。 

PCI:ミシェルはマヴェリックというレーベルから売りだしてますよね? 

Brad:ああ、マドンナの設立したレーベルだよ。 

PCI:ミシェルはいつデビューしたんですか?

Brad:2001年の5月にバンドが結成され、夏にアルバムが出たはずだよ。

PCI:その最初のバンドから参加されてたんですか?

Brad:いや、まだその頃はファーストボールの仕事をしてたんで、最初は違うギタリストだったね。 途中から僕に交代したんだよ。 実は最初にミシェルとやった場所は東京だったんだよ。 僕がファーストボールを辞めて、すぐミシェルのバンドに来るよう誘われたんだけど、その時彼女はロサンゼルスにいたんだ。 家に電話があって、すぐ日本でのプロモーションのライブに一緒に行ってくれということになったんだ。 その2日後には東京へ飛び、リハを東京ヒルトンホテルの部屋でやったんだよ。 小さなフェンダーのアンプでね。 確か新宿だったと思うよ。 記者会見及びプロモーション用の短いライブを4つのTVショーでやったんだ。 だから本格的な日本でのツアーというのは今回の3月からのが初めてということになるよ。

PCI:日本の印象は如何でしたか?

Brad:ミシェルも僕も他のバンドメンバーもみんな日本が大好きになったよ。 カルチャーの違いも食べ物も。 僕は日本がその時初めてだったけど、今回またツアーで長い間行けるので心から嬉しく思っているよ。 あ、そうそうElectric Cityへまた行ってMDや電気製品や機材など色々なものを見たり買ったりしたいよ。

PCI:秋葉原は楽しいですよね。 今回は日本全国を回られる訳ですから他の日本の良い場所も是非楽しんできて下さい。 今回のツアーのバンド編成はどうなってますか?

Brad:僕がギターで、ドラム、ベース、キーボードとボーカルのミシェルの5人さ。 ミシェルはアコースティックギターを弾き、キーボードのやつは時々ギターも弾くよ。こいつはニューラディカルズの時に一緒にやってたんで気心が知れてるからやり易いよ。 考えてみればミュージシャンにとってロサンゼルスは広い様で狭い場所で、どこかでみんな繋がっている感じがするね。

PCI:ミシェル・ブランチの印象はどうでしたか?

Brad:彼女はすごいね。 まだ18才なんだよ。 普通の18才の女の子はNSYNCやBackstreet Boysとかダンス系の音楽をやる子が多いんだけど、彼女は自分で歌を作り、自分でギターを弾いて自分で歌うんだよ。彼女には溢れる才能を感じるね。大手レコード会社が売り出すピンアップガールじゃないよ。 本物のミュージシャンさ。 だから一緒にプレイをしていても楽しいんだ。

PCI:そうですね。 日本語のサイトでも、既に彼女のミュージシャンとしての資質が話題になっている様です。

Brad:そうらしいね。 それから、シェリル・クロウやコアーズなどを手掛けたジョン・シャンクスが、彼女のアルバムのプロデュースをしたんだよ。 アルバムも良い出来だよ。

PCI:ヨーロッパでもツアーをされたとの事ですがどこへ行かれましたか?

Bard:日本と同様、最初はロンドンとパリで短いプロモーションのライブとTVショーに出演したんで、アメリカと日本のツアーが終わったらヨーロッパへも本格的ツアーに出るよ。 UKではマンチェスター、ブリストル、リバプール、ロンドンで演り、その後アムステルダムとドイツの主要都市などを回るはず。それからミシェルはオーストラリアでも凄い人気なんだよ。 オーストラリアとニュージーランドでは既に最も人気のあるポップ/ロックシンガーらしい。 オーストラリア、ニュージーランドも必ず行かなきゃならないね。 それから台湾でも彼女の人気は凄いね。

PCI:出だしは大変好調の様ですね。

Brad:世界中で同時にキャンペーンをやっているからね。 アジアでもシンガポール、タイ、台湾、日本などでレコード大変売れているらしいよ。 このミシェルとの世界ツアー、そして日本ツアーは本当に楽しいものになりそうさ。 日本でも10日間札幌、東京、大阪とか主要都市は全部回るはずだよ。

Photo by Taro Yoshida (Copyright 2002 Taro Yoshida)  

PCI:今はミシェルのツァーで超多忙だと思いますが、ツアー以外にはロスではどんな活動をされていましたか?

Brad:ツアーの谷間でロスにいる時はできるだけ家に居て家族サービスをする様にしているんだが、時間ができればレコーディングにも参加しているよ。 最近では、ブラック・ラブ(Black Lab)のレコーディングにも参加したし、有名なセッションドラマー、ケニー・アロノフ(Kenny Aronoff)ともプレイしたよ。 それからベーシストのテディー・ランドー、マイケル・ランドーのブラザーと一緒にレコーディングする話がある。昨日彼と打ちあわせをしたところさ。 それ以外にもロスでレコーディングするアーティストの仕事には、時間が許す限りできるだけ参加する様にしているよ。 ただこの4年間はツアーの仕事が忙しく、ほとんどロスに居なかったというのが現状だね。

PCI:意識的にツアーの仕事を取る様にされていたんですね。

Brad:そうだね。 まず色んなアーティストとツアーに出て名前と僕のプレイを皆に知ってもらいたいんでね。 そして最終的にはマイケル・ランドーの様にロスにいても忙しいというスタジオプレイヤーになりたいね。 それから、ユニークなグレイトギタリストで、ラスティー・アンダーソン(Rusty Anderson)っていう人がいるんだよ。 彼は最初Ednaswapのギタリストだったんだけど、今はポール・マッカートニーと一緒にやってるよ。 彼はマイケル・ランドーに匹敵するロスのセッションギタリストと言っていいんじゃないかな。 特にビッグヒットするポップレコードで。 マイケル・トンプソンも大変人気のあるセッションギタリストで色んなジャンルのレコーディングに参加しているけど、ラスティーはポップレコードに集中しているんだ。 ポール・マッカートニーは勿論、エルトン・ジョンやリッキー・マーティンのレコーディングもやってるよ。 

PCI:ラスティー・アンダーソンとはよく会うんですか?

Brad:いや、お互い忙しくてほとんど会えないね。 ロスにいる時は、なるべくマイケル・ランドーのライブは見に行くようにしているよ。 彼は世界で最も素晴らしいギタリストの一人だと思う。 今活動しているギタリストの中で最も凄いと思うのは、マイケル・ランドーとカントリーのギタリスト、レッド・ヴォルカーグ(Regd Volkerg)だ。 レッドはテキサスのオースティンに住んでいるセッションギタリストなんだけど、ファーストボールとツアーをやっている時にレッドを小さなバーで見たんだ。 彼は6フィート(182cm)以上、300ポンド(129kg)以上の巨体だった。 テレキャスターを持って、信じられないプレイをしたんだ。 僕の中ではこの地球上で最も凄いと思うギタリストはこの2人さ。

PCI:そうですか。 いつかは彼等の様にロスに留まってスタジオセッションギタリストとなるつもりなんですね。

Brad:多分。 だけどしばらくはツアーを積極的にやって行きたい。話題のアーティストとツアーに出ているということは、今実際に世の中で聴かれている音楽といつも一緒にいるってことなんだよ。 ロスに留まってスタジオの仕事をいくつもこなせば生活はできるだろうけど、実際にレコーディングした音楽がラジオで流れ、そして売れるとは限らないんだ。 売れてるバンドとツアーに出るってことは、実際にラジオでその音楽が流れ、実際僕のプレイーをライブで見てもらえるってことなんだよ。 それとライブは本当に楽しいからね。 年をとったらロスにいつも居たいと思う様になるかもしれないけどね。

PCI:奥さんはいつも一人で待っているので大変ですね?

Brad:そう、それはいつも申し訳ないと思っている。 ごめんね、ビビアン(笑)

PCI:ミシェルとの仕事で何かおもしろいエピソードはありませんでしたか?

Brad:初めて東京へ行った時に、当たり前のことだけど、とにかく言葉が通じなくて困ったね。 レコード会社の関係者と別行動で寿司屋へ行ったんだけど、ロスの寿司屋で頼む時と同じ様に注文しても通じないんだ。 ロスの寿司屋でいつも食べてるんで自信あったんだけど。(笑) でも楽しかったよ、日本は。 ミシェルは既に日本にたくさんファンがいて、特に女性から人気あったみたいだね。 彼女はアジア人の血が少し混じっていると思うよ。 多分彼女の母親の方に。 彼女を見てると判るだろ? だからアジアの人達が何か親近感を持ってくれるんじゃないかな? 昨日もサンフランシスコでショーをやったんだけど、アジア系のお客さんが多かった様だよ。 昨日のサンフランシスコのショーがこれからの長いツアーの初日なんだ。 明日はハリウッドのROXYでやってそれから全米ツアー、その後日本ツアーと続くんだ。 アメリカのツアーのチケットはもうほとんど売り切れらしいよ。

PCI:それは凄いですね。 ミシェルのファン層は何歳から何歳まででしょうか?

Brad:10才から30才までという所かな。 特に20才までの女性ファンが多いね。 ミシェルを見て彼女の作るソング、ギターを弾くスタイルなんかに憧れるんじゃないかな。

PCI:全米ツアー、日本ツアーの成功をお祈りします。 日本のツアーの予定は、大阪公演が3月2日(土)で、名古屋公演が3月3日(日)。 東京公演は赤坂BLITZ で、3月5日(火) と6日(水)の2日間ですね。 追加で 札幌公演 3月7日(木) と福岡公演 3月9日(土) が増えたそうです。

Brad:日本でまた会おうよ。