山野楽器 "Guitar Spot"
(川崎)
神奈川県川崎市
高木さん
競争が激化する楽器業界の中で、独自の方法で存在感を高めつつある素敵なお店です。
PCI:“GUITAR SPOT”さんはいつオープンされたのでしょうか?
高木:今年の11月でちょうど5周年です。 ギブソンとフェンダーのオフィシャルショップというコンセプトでスタートしました。 最初はギブソンとフェンダーだけで800本から1000本近くギターを揃えていました。 ただ商品の補充の面で輸入物だとインターバルが空いてしまったり、限定品などは売れてもすぐ補充ができないという問題がありました。 そこでだんだん他のブランドの楽器も置くようになりました。 それで今はこういう総合楽器店という形になったんです。
PCI:そういう方向転換されたのはいつ頃からですか?
高木:私が来てからですから、2年半から3年前くらい前からですかね。
PCI:その中でも特に力を入れられた物とかはありますか?
高木:近くに新しいショッピングモールができたので、お客さんの流れがそちらの方に流れちゃってるんです。 なぜかって言うと、新しいショッピングモールは駅から外へ出ずに雨でも行けるので便利なんです。 それまでは楽譜だとかアクセサリーという様な小物、弦・シールド・クロス、パーツなど、そういう物を充実させて行こうかと思ったんですけど、楽譜とかどこでも買えるような物は伸びなくなりました。 新しいショッピングモールの方にも楽器屋さんが出来たので。 そこで、エフェクターの様な特色のある物に力を入れる様にしています。 エフェクターについてはコアな物から一般的な定番まで広く集める様にしています。
PCI:輸入品も多く揃っていますね。
高木:そうですね。 BOSSの様な定番の物は必ず置いておき、それ以外にコアな物も置く様にしています。 ただ、あんまりコア過ぎちゃうと逆になかなか反応が鈍かったりするんで、その微妙なさじ加減が難しいですね(笑) 「あ、これを置いてあるって事はよく知ってるな!」っていうギリギリの線を狙っています。 あんまり突っ込んじゃうと訴求力が薄れる場合があるので、偏らない様に気をつけています。
PCI:そんな中でXoticのエフェクターはいかがでしょうか?
高木:以前山野楽器サウンドクルー・吉祥寺店に居たんですが、Xoticについてはその頃から知っていました。やはり評判が高いというか、もう定番になりつつありますね、特にACとRCは。 良く売れますし、買われる年代層もかなり幅広いです。 口コミとか、誰かが使っているとか、そういう事で知名度が広がって行ったんだと思います。 強力に雑誌広告など打たれた事無いですよね? エフェクターの世界は、やはり口コミとかネットでの情報収集が多い様ですね。
PCI:ネットで見たから、と買いに来るお客さんは多いんですか?
高木:そうですね。「これください」系のお客さんもいますが、ACとRCを比べたいという人も多いです。 他のブースター系の物と比べてACを選んだりRCを選んだりする人も多いです。 また、RCを買ってもACを買う人も結構居ますね。
PCI:BB Preamp はいかがですか?
高木:ACやRCに比べるとまだ若干問い合せは少ないですが、AC、RCの流れでもうちょっと歪む様なものがほしい、もっと幅広い感じで使いたいという人はBBを選ぶ人も最近増えてきました。 3機種持っている人も結構多いですね。 使い分けたり、一緒に踏んだり、色々な用途がある様です。 ブースターでトーンコントロールが付いていて、尚且つベースとトレブルが分かれているというのはあまりなかったですからね。使い勝手が良いのと、サウンド面で確実に良いのは言うまでもないのでバァーっと広がったんでしょうね。
PCI:AC Plus は如何でしょう?
高木:実売もちょくちょく出る様になりましたけど、まだ使い方がよくわからない部分があるんじゃないでしょうか。 ツマミも多いので。
使ってみると良いことはすぐ分かると思うんですけど。 ACとかRCと比べるとちょっと歪みの度合いも違うので、また違うカテゴリーになると思います。価格帯も違いますし。
PCI:このお店全体のお客さんの層は如何でしょうか?
高木:幅は結構広いのかなって感じはしますね。 高校生も結構いるんですけど、探しに来られる方はやっぱり30代、40代の方が多いです。 エフェクターに関しては山野のオンラインショップが立ち上がっているので、そっちの方からの注文が結構多いですね。
PCI:ネットで見て店に来られるという事ですか?
高木:いや、見てもうそこで買っちゃうという事です。 最近はギターなんかもそういう傾向にあります。
PCI:そのオンラインの売上げは、山野楽器さん本店の売り上げになるのですか?
高木:一応、「山野オンラインショッピング」の中に“GUITAR SPOT”の商品を買える場所があるんです。
PCI:このお店の製品を区別して、オンラインショップで紹介出来るということですね?
高木:そうです。 お客さんは注文するとそれが“GUITAR SPOT”の物であれば、“GUITAR SPOT”に、サウンドクルー吉祥寺の物であればサウンドクルーへ注文が行きます。
PCI:という事は、同じ商品が山野さんの別々のお店で重複して載る事もあり得ますね?
高木:そうですね、あり得ます。 写真の撮り方とか案内の仕方が個々のお店で感じ方が違ったりする事もあるので。 それぞれのお店が独自の紹介の仕方をする訳です。
PCI:ある意味山野楽器さん各店同士の競争にもなる訳ですね。最近はネット販売と店頭での販売との比率はどうなんでしょうか?
高木:ネット販売がどんどん広がっていますね。 川崎っていう場所もあると思うんです。都内、要するに山手線内区みたいな所っていうのは、絶えずお客さんがぐるぐる回ってたりするんですが、そのエリアから外れた川崎となると、「ちょっと遠いな」っていうイメージがあるんですよね、電車に乗ると近いんですけどね。それで横浜まで行くと、ひとつのステイタスがあって、横浜の人はそこで買うか東京へ行くんです。 でも川崎には止まらないんです。 東京の人は、横浜には行くけども川崎には止まらないんですよ。 そういう微妙な位置にあって日々の店への集客力には限界があるので、やはりネット販売の比率が必然的に増えて行きます。
PCI:それはエフェクターだけではなくてギターなど、本体物もそういう傾向にありますか?
高木:そうですね。 今までの感覚では、60万、70万もするギターをネットで買うかっていうと、自分達の感覚だとやっぱり見て弾いてみて、納得して買うっていうのが通常なんですよね。今は特に地方の方々はネットで買われるケースが増えましたね。
PCI:良い物をオンラインショップに出せば、川崎という地区に囚われず、日本全国を相手に出来るという事ですね。
高木:そうです。 北海道から沖縄まで全国展開であるという事は事実ですね。
PCI:そうなると競争も激しいですよね、今はどこの楽器店さんもオンラインショップを持っていますから。どの様に差別化をされていますか?
高木:山野楽器としてのオンラインショッピングはまだ立ち上がって1年しか経っていないんですけれども、その中で見易さとかサイト全体の山野楽器としての確立というのがあります。 他のサイトの見づらい部分や使いにくい部分を改良して構築しています。 これからネット販売での売上げを伸ばしていくのにどうしたいいかという事はこれからも検討して改良して行かないといけないと思っています。 やっぱりウェッブはマンネリ化するとまずいですからね。
PCI:ウェッブの担当の方は各店にみえるんですか?
高木:山野楽器本店にウェッブの統括をする部署があり、また各店にもウェッブの担当がある程度います。
PCI:今後は、“GUITAR SPOT” としては、特にどの様に特色を出そうとされる計画でしょうか?
高木:とりあえず、フェンダーのオフィシャルショップという事を強調し、カスタムショップ、マスタービルダー、USAのレギュラー物などフェンダーの品揃えを深くしっかりと持とうと思っています。 それからフェンダーに関するグッズやアクセサリーも充実して行こうと思っています。
PCI:フェンダー以外の物は特に増やして行くご予定はあるんでしょうか。
高木:山野楽器本店やサウンドクルー吉祥寺店との兼ね合いも考えながら進めて行く予定です。 たとえば銀座本店はPRSをかなりやっていますので、こちらは違う切り口でアピールして行きたいと思っています。フェンダー傘下のジャクソンとシャーベルはエージェントとしてやる事になっているので、この辺は取り扱って行かないといけないと思っています。 こういうエージェント商品を持っているという強みとこれらをやらないといけないという責任、そういうブランド品を持った小売店だという事を意識しないといけないと思います。 そういう事とお客さんのニーズを感知してうまく舵取りをしないといけないと思っています。
PCI:ギターのリペアも出来る場所がある様ですね。
高木:そうですね。 リペアに関しては塗装以外はここでほとんどの事が出来ます。
PCI:それはお客さんにとっては心強いですね!これから年末に向けて何かキャンペーンとかはされますか?
高木:5周年を迎えるので、それに合わせてビルダーの5周年記念モデルなども入荷しつつあります。 それから山野楽器全体でのキャンペーンもあるのでお楽しみに。
PCI:高木さんはどんな音楽がお好きなんですか?
高木:僕はメタルです(笑) メタルと言ってもハードロックとか幅は広いです。 山野楽器で楽器やる前はCDを売ってたんです。 その時にいろんな物を聞いてたので、こだわりなく良い物は良いと思っています。傾向的にはやっぱり歪んだ音が好きです(笑)
PCI:今でもバンドとかやってみえるんですか?
高木:やってますよ、メタルバンドです。 何かお客さんに歪みの物を聞かれたっていうとすぐ僕の所へ皆が質問に来るんです(笑)
PCI:メタルと言えばZ
VexからBox of Metalという新しいエフェクターが出たので今度お見せします。
高木:それは楽しみです。 エフェクターの中で、上質なディストーションって少ないんですよね。 ブースターとかオーバードライブでは良い物が結構あるんですが、いわゆるディストーションですごい歪んで、かつ良い歪みっていうペダルは少ないんです。 Z
Vexの新製品、楽しみです。
PCI: それからアナログマンのペダルのフェアを12月15日からされる予定ですね?
高木:そうですね。ここのペダルもなかなか良いので楽しみにしています。
PCI: 今日はお忙しいところ有り難うございました。
山野楽器 "Guitar Spot"
〒210-0023 神奈川県川崎市小川町4-1
ラチッタデッラA棟1F
Tel: (044) 210-1962
http://www.yamano-music.co.jp/docs/hard/guitarspot/index.html
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