« 2005年9月 | メイン | 2006年10月 »
2006年7月19日
第16回:2006年夏と私
またまた長いことご無沙汰してしまいました。ここ最近はどんどん新しいギグが入り、毎日目の回るような忙しさです。今年の夏は今までと打って変わってバラエティに富んだ仕事がたくさん。チャレンジ好きの私にとってはいろんなジャンルの音楽に挑戦できるのが麻薬のように魅力的なのです。
まず最初に、サム・モーア。サムは当年70歳、ソウルマン/サム&デイブとして知られています。元々この仕事が舞い込んだきっかけはサムの音楽監督アイヴァンとわたしのフィアンセが昔バークレーでバンドメイトだったこと、あとあのテレビ番組アメリカン・アイドルの審査員で有名なランディ・ジャクソンが私をサムのキーボードプレーヤーとして推薦してくれたこと。ランディはたまたまティナ・マリーのリハーサルに遊びに来て私の演奏を聴いたそう。まぁ、どこで誰が見てるかわからないのがハリウッドだなぁ。サムのバンドでは、唯一のキーボードとして主にピアノとオルガンを担当。いっつもストリングやホーンパートばっかり弾いている私にとってこのギグはとっても新鮮。そして超ソウルフル。70歳になっても全く昔と同じ声で歌うサムを見ていると「私の人生もまだまだ長いぞ。」ととっても元気になる。サムのニューアルバムが8月の終わりにリリースされるのでぜひ聴いてみてください。
そしてこの夏のメインギグ、その名もサマーストームツアー。これはスムースジャズ/ギタリストのノーマン・ブラウンをリーダーにパティ・オースティン、ピーボ・ブライソン、ポール・テイラーなどバラエティに富んだオールスターメンバーによるツアーです。これで6回のショーを終えたばっかり、初めてピーボ、パティと共演して本当に感無量でした。ピーボと一緒に演奏しながら思わず涙がでてしまいました。おまけに私はバックコーラスも担当しているので、ピーボのバックで歌うっていうことだけでもうすごい感動ものなのです。というもの私がまだ20代のころ金沢で活動していたバンドでロバータ・フラックとピーボのやった曲をよく演奏していたのです。まさか本物と一緒にできるなんて。。。あまりに感動した私はショーのあとピーボにこういいました。「私は今日のショーのために今まで何十年も練習し続けてきました。」(自分でもよくここまでいうなぁ。と思ったけどほんとにそのくらい感動してしまったのです。)さてパティのほうですが、昔まだ私が金沢のホテルのラウンジで弾き語りをしていた頃、彼女の「煙が目にしみる」っていう曲が好きでいつも歌っていました。そしたらなんと彼女のレパートリーにその曲が入っていたのです。これがまた2重に感動もの。まぁ、本当に感動しやすいたちなのです。この夏はフェスティバルを中心に全米各地でショーをします。
最後にサマーストームツアーの合間にグラディス・ナイトとのヨーロピアンツアーに行きました。これはグラディスの新しいアルバムのプロモーションツアー。彼女の新しいアルバムはジャズのスタンダード集。おなじみの曲がいっぱいできっと日本でも人気がでることと思います。ビリー・チャイルドの斬新なアレンジが魅力です。このバンドでの私の仕事はストリング担当といっても詳しく言えばビオラ担当。キーボードプレーヤーが4人もいてその中の3人がそれぞれ違ったストリングパートを担当します。それだけでなくなんと14人のホーンセクションもあるというかなり大規模なバンドです。このツアーはイギリス中心にヨーロッパを2週間まわりました。途中でスイスのかの有名なモントレー・ジャズフェスティバルでも演奏しましたが、その時に運良くアル・ジャロウのコンサートも見ることができとても楽しむことができました。楽屋にいくとジョージ・デュークやスタンリー・クラークが遊びに来ていて、いろいろなミュージシャンとのネットワークも新鮮でした。またまたこのモントレーというところは景色が素晴らしい。美しい湖の後ろにそびえるアルプスの山、思わず“アルプスの少女ハイジ”を思い出してしましました。フィアンセのチャッドに「ハネムーンは絶対ここがいいーっ」と電話したほどです。
こうして飛行機やバスに乗りまくっている私ですが、実は現在妊娠4ヶ月。正直グラディスのツアーが終わってくれて今心からほっとしています。予定日は1月5日。ノーマン・ブラウンの仕事が大晦日に入っているので、先日検診の時に「あのー、大晦日仕事はいってるんですけど、やっていいですか?」と聞いたら「とんでもない!」と怒られました。ちょっと聞いてみただけじゃない。でもノーマンの音楽監督のゲールはバケツを持って来たらできるよ。と冗談で笑っていました。でも今でもちょっと仕事したいなぁと思ってる私です。でも万が一ステージの上で破水した時はどうなるのかな。。? とにかくこのハードスケジュールを乗り越えてる子だからきっと強い子に違いない。とにかく今鍋焼きうどんが食べたい!
ではツアーの写真を何枚か紹介します。見てくださいね。
憧れのパティ・オースティンと。
グラディスのお兄さんババ・ナイト
グラディスバンドの女性3人、左から、レジー、ゆうこ、私
イギリスのバーミングハム、ホテルの窓から
グラディスの音楽監督ベンジャミン・ライト
ちょっとおなかが出て来た。
モントレージャズフェスティバルにて、アル・ジャロウといっしょに。
美しいモントレーの景色
楽屋にて
ステージうらで
Norikoさんのサイトはこちら
JINAのインタビューはこちら
PCIのインタビューはこちら
ANGAZAのライブレポートはこちら
The West Coast All-Stars のショーでのライブレポートはこちら
投稿者 admin : 10:48