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2005年2月 4日
第13回:わたしと私
1月24日は私の誕生日。私もとうとう39年この世に生きてしまった。というと、なんか悪いことをしたように聞こえるが、そういう意味ではない。このコラムを“わたしと私”と名付けたのにも訳があって、最近もう一人の自分という存在を意識することが多くなった。
例えば、ステージで演奏している時も、このもう一人の私(ここからはノリコ)が
「ほらっ、もっと背筋を伸ばして!」とか、
「あっ、今の音ピッチが悪い!」
「う~ん、なかなか良いソロじゃん。」などと、四六時中ガヤガヤ言ってる。
家にいて息子を怒っている時も、
「ちょっと、今の鏡に映して見てみたら。あ~恐ろしい!。」とか
「ほらっ、偉そうに怒ってるけど今の英語発音悪いなぁ。」
ということになる。
車を運転中もこのノリコが多々登場。
「ちょ、ちょっと、今のターンなんか下手ねぇ」
「あっ、信号無視!」
「ほら、またイライラしてる、落ち着いて、落ち着いて。」
最悪なのは、ベッドでロマンチックにメイクラブしている時だ。
「ちょっと今変な顔しなかった?」
「なんか今日は受け身ねぇ。もうちょっと腰動かして。。」
なんてことになってくると、こっちとしても
『ちょっとー、どっか行ってよ。うるさいわねぇ。』ということになる。
でもよくよく考えると、ノリコは常に完璧を求めているのだ。
完璧なミュージシャン、母、そして女、時には、掃除のおばさん、シェフでありまたドライバーであり、まあ書き出せばきりがない。実際のところ私なんかこの完璧の像からはほど遠く、英語でいうと "I FALL SHORT."というところか。
でも毎日一生懸命生きているって言うのが事実。(???)
でもそういういろいろなこと考えると、ノリコが私に対して、完璧さを求めるのと同じように、今度は私が自分の周りの人に対して常に完璧さをもとめていることに気付く。特に息子に対して、と自分の彼に対して。
息子が5年生の時、毎年ある健康診断の視力検査で彼の視力が下がっていることがわかり、私は自分の耳を疑った。
「私の子なのに視力が下がるはずありません!」(ちなみに私は両目とも2.0)
「なにかの間違いでしょう?」と、病院の看護婦さんにくってかかり、極めつけは家に帰ってから悲しくなって泣き出してしまった。
すると、彼のチャッドが
「あの~、僕は視力0.02なんだけど、それも悲しい訳?」と言われて、急にバカバカしくなり笑い出した私。今でもそんな私をオロオロしてみていた息子には申し訳ないと思っている。
やっぱり、自分の彼に対しても完璧を求めてしまう。仕事のできて、重いものを持ってくれて、病気の時はやさしく看病してくれて、息子とも仲良くしてくれる人をどっかで求めている。そのリストなど書き出せばきりがない。
不満をいえば、今まで“ダンスと歌が上手い人。”とつき合ったことがない。一応その2点も完璧リストの中に入っているのだが、つき合った人はみんな音痴であと、デートでダンシングなど絶対行ってくれない。チャッドの場合どうしてドラマーなのにダンスとなったら全然リズム感がないんだろうか。もちろん夜寝る時に子守唄もなし。
でもなんだかんだ言って私の不完璧さを情けなく思いながらも私とつき合ってくれてるノリコのように、私も周りの人たちの不完璧さを認め、うまくつき合っていかなきゃいけないなぁ。というのがまぁこのコラムの教え、というかなんというか。。だって完璧な人なんて絶対いないもんね。
こうやってこのコラムを書きながら、ノリコが横から「またぁ、なんでもわかったように言って。偉そうに。。」といっているのが聞こえてくる。
「わかってるの!今回はコラムに登場させてあげたんだからそれだけでもありがたく思いなさい!」とノリコに言ってやりたい。
Norikoさんのサイトはこちら
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投稿者 admin : 2005年2月 4日 12:32