ロサンゼルスでロック系バンドやプロデューサーに頼りにされている日本人サウンド・エンジニア、Toshi
Kasai (トシ・カサイ)氏の紹介でMelvins のインタビューが可能になりました。Toshi Kasai氏には今後ToolのAdam
Jones、著名プロデューサーEddie Kramerなどの方々とのインタビューもアレンジして頂ける予定ですのでお楽しみに!
Toshi Kasai氏ご自身のインタビューはこちらです。
Toshi Kasai氏との合同インタビューの1回目はMelvins
です。
シアトル出身のMelvions(メルヴィンズ)は、King of Buzz Osborne(キング・バズ・オズボーン/vo&g)、Dale
Crover(デイル・グローバー /dr)を中心とする3人編成のオルタナティヴ・ロックバンドです。骨太で重厚な音づくりを中心とし、ブルージィだったり、サイケデリックなピンクフロイドなどを彷彿させたりその独特な雰囲気でたくさんのファンをアメリカだけでなく日本にも持っています。Dale,
Buzz, そしてToshi Kasai氏の3人一緒で楽しいインタビューとなりました。
シアトルからなぜロサンゼルスへ来たのか?
トシ・カサイとの出会いは?
PCI:メルビンズのファンは日本にも多い様です。シアトル出身ですよね?
Dale: そう。正確にはシアトルから2時間ぐらいの所。誰も知らないような小さい町だったんでシアトル出身だと言っていたんだ。でも今はみんな知っているよ。Nirvanaのおかげで。ワシントン州のアベルディーンというとても小さい町でワシントンの海岸側にあるんだ。あまりミュージックのシーンは盛んじゃなくて、眠る町って感じだね。
PCI: 80年代の後半に結成したんですよね?
Dale: 1984年だよ。
PCI: ニルヴァーナのカート・コバーンもメルビンズを慕っていましたね。
Dale: そうだね。 Buzzが彼にパンク・ロックやその当時我々が聴いていた音楽を紹介したんだ。 あれは彼にかなりの影響を与えたと思うよ。
PCI: 最初はジミ・ヘンドリックスなどの70年代の音楽のカバーをしていたんですよね?
Dale: 僕らはKISSが大好きなパンクロックバンドだった。 僕らはKISSを聴いて育ったからね。 KISSには何か僕らを惹きつけ続けるものがあったんだ。 でも、パンクロックじゃないKISSというバンドを好きなパンクロックバンドっていうのもちょっと変だったよね。(笑)
Black Sabbathにものめり込んでいたね。 アンダーグラウンドミュージックも好きだけど、聴いて育ったメジャーなバンドもまだ僕らは好きだよ。
PCI: 現在のバンドメンバーは、Buzz OsborneとあなたDale GroverとベースプレーヤーのKevin
Rutamanisですね? あなたたちのサイトに詳しい情報載ってますよね?
Dale: ああ、でも僕らのオフィシャルサイトはwww.melvins.comだけど、あまり細かいことは載ってないんだ。 www.themelvins.netというサイトがあるんだけど、それはいいよ。 ファンのサイトなんだけど、バンドの最新情報を見つけたいんだったらこっちの方がいいね。 ちなみに僕らのレコード会社のサイトはwww.ipecac.comだよ。
トシ: Ipecacってどういう意味?
Dale: 子供が何かを食べて気持ち悪くなったら吐かせるやつ。
トシ: ふーん。 知らなかった。 でも何らかの薬だとは知ってたけどね。
PCI: CDジャケットのデザインも自分達で作ったんですよね?
ユニークですね。
Dale: それはBuzzの奥さんがやったんだ。
PCI: 今はロサンゼルスに住んでいるんですよね? いつこちらに引っ越して来たんですか?
Dale: サンフランシスコに1988年に移って、11年住んでいたね。Buzzがロスに1994年に引っ越して、それから5年間ぐらい長距離でやっていたんだ。 練習しなきゃいけない時は数週間集まって練習するか、スタジオで録音するかしていたね。結局1999年にロスに来たよ。
PCI: 最終的には何故引っ越っこすことにしたんですか?
Dale: バンドと女の都合です。(笑)
PCI: 納得です。 それでは、トシ・カサイさんとの関係について聞きますね。彼とはいつ出会ったんですか?
Dale: 彼とはToolのアダム・ジョーンズを通して知り合ったよ。
トシ: アダムの家であったパーティーで初めて会ったよね。
Dale: 君がアダムを知っていたのは、Toolと一緒に仕事をしたことがあったからだよね?
トシ: うん。 それでBuzzが僕らのセッションに数回来たんだ。
PCI: アダムはMelvinsのCDにも参加していますね。初めてトシと一緒に仕事をした時の第一印象は如何でしたか?
Dale: サウンドエンジニアとして何をすればいいのか、大変よく分かっている感じだったよ。
トシ: そんなことないよ。 結構ばかだよ。(笑)
Dale: とても良かった事は、僕たちがもう何枚かレコードを出していて、リラックスできる環境でレコーディングが出来たということ。 本当にストレスがない。 そして僕たちがスタジオで実験をしたり、新しいことを試すことを恐れないということ。 あとエンジニアにいろいろ任せてしまうのが好きなんだ。ドラムをどういう風にマイクするとか、どのマイクがいいとか、そういうことはあまり考えたくない。 けど、いろいろなことにトライしてアイディアは出していたけどね。 トシも色々と良いアイディアを出していたよ。
PCI: じゃあ、トシも音作りに積極的に関わっていたんですね?
Dale: うん。 今回は彼にキーボードも弾かせたよね。 おもしろかったよ。
PCI: トシのメルビンズの印象はどうでしたか?
トシ: メルビンズとは仕事がしやすいし、本当にクリエイティブですよ。 今まで仕事してきた中で一番クリエイティブだと思います。 新しいことにトライすることを恐れないし、自分のやり方でやろうとする。
PCI: 新しいアルバムは、「Pigs
of the Roman Empire」ですよね。 これはいつリリースされるんですか?
Dale: 実は、昨日(8月24日)リリースされたんだ。
トシ: これはかなり良かったと思うよ。 僕はメジャーなアーティストと仕事をするのはあまり好きじゃないんだ。 メルビンズがメジャーじゃない訳じゃないけど、メジャーなレーベルのアーティストはだいたいお手本通りにやるんだ。 いつもこういう風にやれ、ああいう風にやれって決まってる。そういう仕事はかなりつまらないよね。メルビンズとの仕事は全然違うよ。