PCI USA

PCI - Prosound Communications Inc

menu


"Lee Ritenour" interview (8/3/2005)


photo: nOBu Sakagami

PCI: インタビューにお時間を割いて頂いて有り難うございます
Lee: 気にしなくていいよ。エキゾティック・ペダルはとても楽しんで使わせてもらってますよ。

PCI: 光栄です!ペダルの話は後ほどしますが、まずはウェブサイトの読者から質問が幾つかあります。夏には長期のツアーに出ていましたよね。何処に行かれましたか?確か日本と、他にも色々な場所があったと思いますが?
Lee: そう。実際ツアーは春、確か4月にもう始めたんです。最初は米国のシアトルやサンフランシスコなどの西海岸を回り6月下旬にやっと韓国に向かい、そこでコンサートをした後、東京のブルー・ノートで14コンサートをしました。全コンサート売り切れだったんですよ。すごくエキサイティングでした。

PCI: その話しは聞いています。
Lee: それに丁度、私と杏里のニュースが記事になっていてね。(笑)東京でのコンサートの後にロサンゼルスに一旦戻ったんですが、12時間後にはヨーロッパ・ツアー開始でロンドンに向かいました。先週の土曜日に戻って来たんです。とにかく沢山のコンサートをしました。確か50日間で40近いコンサートでした。

PCI: 長期のツアーでしたね。
Lee: そうですね。この後も南アフリカのヨハネスブルグでのコンサートがあります。すごく楽しみです。

PCI:それは楽しそうですね。 日本とヨーロッパでは同じバンドメンバーだったんですか?
Lee:メンバーは、日本ではエイブラハム・ラボリエル(Abraham Laboriel)に演奏してもらいましたが、彼はヨーロッパには行けなかった為、ブライアン・ブロンバーグ(Brian Bromberg)に頼んだんです。もちろん彼も素晴らしい演奏をしてくれました。ヨーロッパ・ツアーはブライアンが同行したんです。

PCI:以前エイブにもインタビューさせてもらいましたが、彼は人間的にも楽しく素晴らしいですね。
Lee:そうですね。

PCI:この度は杏里さんとのご婚約おめでとうございます! 実は私の家内も杏里さんの大ファンなんです。新しい人生の始まりはエキサイティングでしょうね。
Lee:そうですね。お互い長い付き合いなので、ごく自然に二人の仲が発展しました。素晴らしいことですよ。

PCI: ロサンゼルスの日本食レストランで杏里さんとご一緒の時にお会いしたのを覚えていますか?
Lee:もちろん覚えてますよ!(笑)

PCI:杏里さんとは音楽活動を共にしているのですか?
Lee:私がプロデュースした彼女のアルバムが間もなくリリースされます。「Sol」というタイトルです。

PCI:「Sol」ですか?
Lee:ラテン語で太陽という意味ですよ。確か9月か10月のリリースだと思います。実はエキゾティック・ペダルのディストーション・ペダルをその中の「Woman's Soul」という曲のソロで使ったんですよ。

PCI:本当ですか? どのペダルの事でしょうか?
Lee:一番新しい物ではなく、前の黄色いペダルの方ですね。

PCI:黄色い、AC Boosterですか?
Lee:そう、AC Boosterです。確か杏里のレコーディングをしていた時には、まだ新しいBB Preampは持っていなかったと思います。

PCI:杏里さんのアルバムはいつ録音したのですか?
Lee:確か今年の初め、2月から3月にかけてだったと思います。

PCI:そうですか。
Lee:その時期のレコーディングではRC Boosterも使ったんですが、大抵はAC Boosterを使いました。

PCI:AC Boosterを気に入って頂けたんですね! ではペダルの話をしましょう。AC Booster, RC Booster、それとBB Preampはどこがお好きですか?
Lee:そうですね。私の一番のお気に入りとなったのはBB Preampですね。私はあまりのオーバードライブは好きじゃなく、わりかしスムーズな方が好みだからBBはとても便利なんです。エキゾティック・ペダルの好きな所は、音がより太い点。 他社の多くの使えないペダルでは中域の高音部の「ニィィー」という音があり好きになれないのです。


photo: nOBu Sakagami

PCI:分かります。
Lee:その為、殆どのディストーション・ボックスは好きになれないんです。私はアンプの自然なディストーションが好きで、エキゾティック・ペダルは私が今までに使っていたそれに一番近い音なんです。とても良いですね。

PCI:AC BoosterとBB Preampの違いは何だと思われますか?
Lee:そうですね。BB Preampでもっと音のコントロールがしやすくなります。それからヨーロッパのツアーでは非常に興味深かった事があるんです。ヨーロッパでの飛行機での旅を懸念して、今回はギブソンの古い1949年のL5ではなく、新しいシグネチャー・ジャズギターを持って行ったんです。

PCI:そうですか。
Lee:もちろん良いギターなんですが、古いギターで得られるサウンドへの「押し」が無いんです。そこでBB Preampを、ゲインを目一杯下げて使いました。BBを、クリーン・サウンドを少しだけブーストさせる為に使ったんです。AC BoosterではBBほど上手く出来なかったんです。BB Preampの方が多様性がありますね。

PCI:そうですね。BB Preampはオーバードライブとしてだけではなく、他にも色々な使い方がありますね。
Lee:その通り。トーンと音量の真のブースターとしてもね。圧縮をしないコンプレッサーの様なものですね。私にとっては非常に効果的です。

PCI: それから情報として、何人かのアコースティック・プレーヤーはRC Boosterを使い始めています。
Lee: なるほど。私も是非試してみるよ。ツアーの為の新しいセットアップで使っているヤマハのサイレント・ギターは時に助けが必要ですからね。

PCI:実はアコースティック・ピックアップのメーカー、B-Bandの社長は、彼のアコースティック・ギターにRC Boosterを使っています。
Lee:それは興味深い。良い情報ですね。私のシステムで是非使ってみるよ。航空会社の規則が非常に厳しくなった為、今回のツアーではアンプのシステムを全面的にデザインし直す必要があったんです。

PCI:そうなんですか?
Lee:もうあまり多くの機材は運べない。以前はボブ・ブラッドショー(Bob Bradshaw)のラックを運んでいたんです。ラックに全てを作り込んである、典型的なボブ・ブラッドショーのやつです。知っているよね?

PCI:知っています。皆さん持っていますよね。
Lee:非常にナイスで良く出来ている。それとブギーのロード・ヘッドを2台。4チャンネルで重量も非常に重たいアンプです。それに加えてブギーの2x12のキャビネット。だから私が運び回っていた機材は大きい上に非常に重たかったんです。

PCI:そうですね。
Lee:今、ヨーロッパでは一人の乗客につき各荷物は20キロまでしか許されないんですよ。

PCI:20キロだけですか?
Lee:そう。各荷物20キロ、つまり40ポンド位で、ギターだけでも重量超過料金を払わなければならない。今回のツアーでは飛行機で運ぶ機材が沢山あった為、フェンダーの65年リイシューのツイン・リバーブを2台使う事にしたんです。それにブギーのダブル・ツイン・キャビネットを真ん中に置き、それで何をしたかと言うと、ツイン・リバーブの前に置く為の 新しいペダル・ボードを作ったんです。エキゾティック・ペダルと、その他にもエフェックト効果としてコーラスとディレイにリバーブをかける為、Z VexのFuzz Factory(ファズ・ファクトリー)やポッドも含めた。つまりツイン・リバーブに入れる音を、BB Preampと、時にはAC Boosterを使ってダイアル・アップしたんです。更にメインで使っていたジャズギターと335にも合わせてダイアル・アップしました。それに、これからはRC Boosterもアコースティック・ギターに効果的に使えそうだね。

PCI:非常に興味深いです!
Lee:ボブ・ブラッドショーのラックを家に置いて行かざるを得なかった今回は、Xotic(エキゾティック)の商品が非常に大きな助けになりました。


photo: nOBu Sakagami

PCI:有り難うございます! 我々のスタッフもそれを聞いてとても喜ぶと思います。さて 我々のサイトの読者はアンプのセッティングにとても興味を持っています。現在、メインとしてはいつもどのアンプを使っているのですが?
Lee:フェンダーの65年リイシューのツイン・リバーブ2台、それとブギーのプリアンプが中央に一台。つまりフェンダーのステレオと、中央にモノラルです。


photo: nOBu Sakagami

PCI:読者の一人からのL5ギターについて質問があります。ピックアップは後付けでトップの木材は薄いと思いますが、その為ハウリングを避けるため中に何か詰めていると彼は聞いたそうですが?
Lee:古いL5の事かな?そう。古いL5はフィードバックをカットするために詰め物をしてます。私が13歳の頃から持っているギターで、1949年のギブソンL5ですね。確か最初からトップにマウントされていたピックアップで、ジョニー・スミスのピックアップだと思います。

PCI:それにハウリングを避ける為に何か詰めているのですか?
Lee:その通り。フィードバック防止に気泡の入った素材(Foam)が詰まっています。

PCI:ご自宅では主にどのギターを弾いているのですか?
Lee:ツアーに持っていった物と同じですね。1949年のL5、1963年の335、新しいギブソンのシグネチャー、ヤマハのサイレント・ギター、それとサドウスキーのクラシック・エレクトリックです。

PCI:我々も親しくしているアンディー・ブラウアー(Andy Brauer)から、先日あなたの機材のセットアップをしたと聞いています。丁度その時に、BB Preampが大至急必要だと連絡がありました。
Lee:その通り。アンディーにはこの新しいペダルボードの組み立てに非常に助けてもらいました。実際、彼が新しいペダルボードにエキゾティック・ペダルを乗せて持って来たんですよ。


photo: nOBu Sakagami

PCI:次に、ウェブサイト読者からの質問を幾つかさせて下さい。作曲にはプロ・ツールを使っているのでしょうか?
Lee:私はロジック・オーディオを使ってます。もちろんプロ・ツールも持ってますが、ロジック・オーディオには深く精通しているんですよ。もう長年使ってますが、非常に素晴らしいプログラムです。

PCI:今まで一番影響を受けたギターリストは誰ですか?
Lee:そうですね、ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)かな。

PCI:ジャズとフュージョンでは、 テクニック的に区別した演奏方法をしていますか?
Lee:バンドの音も大きく、ヘビーなビートのフュージョンではもちろんギターの演奏方法も違ってきますね。トーンも違うので、もっと攻撃的にリズミックに演奏します。非常に繊細なジャズのスタンダード曲で、アコースティックのピアノ、ベースとの演奏であれば、それに応じて非常に異なる演奏をします。とにかく音楽次第ですね。

PCI: 日本のギターリストをどう思われますかとの、読者からの質問があります。
Lee:何年も前から渡辺香津美は知っています。常に非常に特性ある明確なプレイヤーですね。それに私の友人でもある高中政義、何年も前に一緒に仕事をしましたが、サンタナ・スタイルのギタープレーヤーですね。

PCI:そうですか。今日は本当に有り難うございました!
Lee : どういたしまして!

(翻訳:足立有美)

photo: nOBu Sakagami

Pictures: courtesy by VideoArts Music Inc.
http://www.videoartsmusic.com/

Lee Ritenour official website
http://www.leeritenour.com

「杏里」公式Website
http://www.anribox.com/