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Michael DeTemple インタビュー (1/2)

大物ミュージシャンがいつも出入りするDeTemple Guitarsの工房。Michael DeTempleの作るギターは多くのミュージシャンを魅了しバックオーダーは70本以上で今や2年待ちの状態。アンプの開発もほぼ完了したとのことで、そのいきさつ、ダンブルとのつき合いなどについて語って頂きました。

DeTemple Guitarsでアンプの開発開始!

Pci: 新しいアンプのプロトを日本のスタッフに試してもらいましたが、好評です。どういういきさつでアンプの開発を始めることになったんですか?

Michael: ギターを作り始めた時から、自分のギターの声になってくれるアンプを作りたいと思っていました。ロイ・ブランケンシップ(Roy Blankenship)という素晴らしいパートナーを見つけ実現することができました。彼とはもう10年来の友達です。彼は、オハイオ州出身でGroove Tubes社で働くためカリフォルニアに出てきました。レッド・ローズ(Red Rhodes)が引退する時に。私はレッドが使うピックアップの開発を手伝っていました。その頃レッドは自分の命がもう長くないことを知っていましたね。レッドは本当に素晴らしいスティール・ギタープレイヤーでした。Groove Tubes社を通じてロイとレッドと知り合ったわけです。

Pci: Groove Tubes社のオーナー、アスペン(Aspen)のインタビューをさせて頂いたことがありますが魅力的な会社ですね。

Michael: アスペンは凄いですよ。たくさんの素晴らしい製品をミュージシャンに提供しています。わたしのスタジオもGroove Tubes社のものでいっぱいですよ。実はレッドが作った試作品もあります。後からできたGroove Tubes社製アンプの源のようなものです。私がそれらを持つことになったというのは面白いですよね。

Pci: 今回アンプを一緒に開発したロイは、しばらくGroove Tubes社で働いていたんですね?

Michael: Groove Tubes社ではレッドが引退した後、アンプやチューブ、そしてそれらの仕組みを良く知っている人材が必要だったんです。ロイは経験豊富だったのでGroove Tubes社でチーフとして働くことになりました。レッドやアスペンとも仲が良かったのですぐロイも紹介されました。初めてロイと会った日、彼は夜の8時ごろここへ来てくれましたが、話し込んでしまい気が付いたらもう朝の3時になっていました。(笑)わたしと彼はトーンの好みなどがとても似ているんです。本当に気が合って、それ以来とても良い友達です。彼は数年この辺りに住んでいました。

Pci: その後ロイはフロリダに行ったんですか?

Michael: Groove Tubes社には1年ほどいてその後自分のアンプショップを開きその後訳あってフロリダへ行ったんです。そしてこの度一緒にここでアンプの開発、生産をやることにしたので近いうちに引っ越して来ます。

Pci: 今回見せて頂いたアンプのプロトは“Point Blank”という名前が付いていますが名前の由来は?

Michael: Point to Point の”Point”とロイの名前”Roy Blankenship”のラストネームから”Blank”を取って付けました。銃で使うPoint Blankという言葉からも来ています。Point Blankで撃つというのは近い距離から銃を撃つという意味でもあるんです。

Pci: Point Blank AmpはもうDeTemple Guitarsの商品の一部として売ってるんですか?

Michael: いやまだです。先日買って頂いたアンプは試作品です。あれは最初の貴重な1台、2X10 Comboです。今どの様にPoint Blankアンプを売り出そうか考案中です。ロイは自分の持っているアンプの知識すべてを使って、私の理想のアンプを作ってくれました。ポールと同じようにパートナーとしてこれから新しいビジネスを立ち上げたいと思います。私達が作りたいものは良質なもののみで、何百台も何千台もアンプをつくる気はありません。アンプに使う木材にもこだわりたいです。木は大好きですから。(PCI注:ポールとはMichaek DeTempleのパートナーで、事実上2年間でDeTemple Guitarsをここまで世間に認知させたマーケティングマネージャーでもある。)

Pci: あなたの庭にも本当にいろいろな素晴らしい木がありますね。

Michael: 私たちの住んでいるこのサンフェルナンド・バレー(San Fernando Valley)は他の地域の自然の森よりもよっぽど木の種類が多いんですよ。人間が過去100年の間に色々な木を植えてきた結果です。この天候の下ではいろいろな種類の果物やメイプル、やしの木など本当にいろいろな種類の木、植物が育ちます。わたしはサンフェルナンド・バレーで生まれて今57歳ですが母も1922年にここで生まれました。1905年に祖父、祖母はここで果樹園を作りましたが、彼らはこの辺りに果樹園を作ったパイオニアの中の1人なんです。小さい時には祖母の兄の農場ではワインを造っていたんですがその手伝いで素足でグレープを潰したりもしたんですよ。

Pci: その頃の先人の方々のお陰でたくさんのいい木がここにはあるんですね。

Michael: 最近、庭のWalnutの木を切ったという人とお話したんですが2万ドルで売ったらしいですよ。

Pci: すごいですね。何歳の木だったんでしょうかね。

Michael: 50歳とか60歳だと思います。もっとかも。

Pci: その木は結局何に使われたんでしょう?

Michael: 全部計算されて、その用途によって木は切られました。家具屋からキャビネット屋、切り方によってはギターも作れたと思います。木の切り方、保管の仕方、熟し時などに関しては、ギター職人が一番うるさいですよ。切り方はとても大切です。特にアコースティックギターは。わたしが見てきた中でも、Walnutはカリフォルニアが一番美しいと思います。わたしも良い物を少し持っています。大量生産するギター製造者はまた大量の木を買います。わたしはいい木に出会えた時にセットで買いますが、将来自分のために作るアコギのために大切にしまってあるものもあるんですよ。

Pci: そういう今までギターに使ってきた素晴らしい木をアンプにも使うんですね?

Michael: もちろん。音が良いだけでなく美しいアンプを作りたいですね。