2004年1月 9日

第7回:TURBO SWITCH-TC 2

ほんと申し訳ないです。ふと気付けば第6回から早10ヶ月。当初は毎月更新みたいなつもりで始めたのに,とんでもないっすよねー。PCIの皆さん,数少ない(?)愛読者の皆さん,ごめんなさい。まぁ確かにサボってたわけなんですけど,この10ヶ月それなりにいろいろあったわけですよ。って,まぁ普通に忙しかっただけなんですけどね…。

毎回わが社の商品の話ばっかりしてきてるので,毒舌で有名なPCIのM氏には「ぜんぜんLuthier's Talkじゃないじゃねーか」などと言われ,「ま,確かにそうだ」と思いつつも「だって宣伝していいって言ったじゃん」と開き直って,今回も新製品の話から始めちゃおうかな。

ここまでの流れを知ってる人なら,次に何が来るかはお見通しなんだろうなぁ。第6回で紹介したTURBO SWITCH-TCに,FULL-UP POTを装備したTURBO SWITCH-TC 2です。ここにフェンダー3大売れ筋機種用のターボ・サーキットのラインナップが完成したわけです!

もう商品に関する細かい説明は不要でしょう。USAバージョンのTT-201,DOMESTICバージョンのTT-202,ともに値段は税込¥9,450です。実際新製品って言っても,今年のお正月の話なので,もう発売から7ヶ月経ってますね。ぜひよろしくお願いします。

TT-201_S.jpg TT-202_S.jpg

さてそんなわけで,今回は少し他の話をしましょう。去年の秋頃から,ギターマガジンの野口編集長の紹介で,高中正義さんの仕事を時々してます。かく言う私も20代の頃には結構好きで,サディスティックスや初期のソロアルバムなんかをよく聞いてて,成り行き上コピーしたりした曲もあったりするんですが,今の若いギター弾きには名前すら知らないやつも多かったりするんですね

最初の仕事はセカンド・ソロアルバムに写ってる,あの有名なサンバーストのストラトの修理でした。

その高中さんが5月30日のCrossover Japan 2004ってイベントに出ました。で,実はその半年くらい前から,相談を受けてたんです。その相談というのは,「そのイベントでサーフボード型のギターを使いたい」というものだったんですよ。高中さんのギターを作るのはちょっとうれしかったりしますが,サーフボード型かー…。ちょっと複雑な心境ながら,綿密な打ち合わせと熟考の末,本物のサーフボードを加工してギターを組み込むことにしました。メインテナンスのことを考えて,ギター部分だけ取り外せるようになってます。演奏性を犠牲にしないために,重くなりすぎないようにし,ネックの周囲のクリアランスも十分に取りました。そしてイベント直前のリハーサル中のスタジオに何とか納品することができました。もちろんギター部分に関しては,妥協することなく,恥ずかしくない仕事をしましたよ。

でもねー,サーフボード型ですからねー。何かちょっとキワモノっぽい感じがして,まわりには黙ってました。まぁ高中さんからも「当日まで秘密で」って言われてたんですけどね。

takanaka.jpg

でも結構見てる人がいるもんですねー。雑誌の記事に載った写真を見て,何人かの人が電話などしてきました。その中の一人がPCIのK氏だったんですよ。彼は若いのになかなかの情報通で,業界の噂なんかもよく知ってます。そして当然の結果として,毒舌で有名なM氏にも話は伝わり,またいろいろ言われてしまう私なのでした…。


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