第4回:TURBO J-BASS
ストラト用のTURBO BLENDERがまぁまぁ売れるようになってくると,2匹目のドジョウと言うのか,ラインナップを充実させたくなるわけです。そこで考えたのが,ジャズ・ベース用のターボ・サーキット,TURBO
J-BASSなのです。そもそもシングルコイル・ピックアップ2個をシリーズ接続にしてパワーを出すサーキットを「ターボ」と呼ぶようになった(いや,世間的には呼ばれてないですかね?)のは,ジャズ・ベースの方が先だったのですよ。このサーキット,単体で発売するずっと以前から,我がSonicのベースには標準装備として搭載されていたものなのです。そして愛用者の間でいつの間にか「ターボ回路」と呼ばれるようになったんですね。
TURBO J-BASSはTURBO BLENDERと違って,ブレンド回路ではなく,スイッチによってターボ・サウンドを出します。トーン・コントロールのノブがプッシュ・プル・タイプのスイッチになっていて,引っぱるとターボがオンになります。ジャズ・ベースのピックアップは,もともとミックスして使用した時にノイズがキャンセルできるように,互いに逆磁極になっています。従って,シリーズで接続すれば実質的なハムバッキング・ピックアップになるわけです。ターボ・オン時には1個のハムバッキング・ピックアップなわけですから,ボリュームはひとつしか必要ありません。この時フロント用のボリュームがマスター・ボリュームとなります。
プレシジョン・ベースに比べて,ジャズ・ベースは繊細な音作りはできるが,重低音や図太さに欠けるという評価が一般的です。そんなジャズ・ベースにTURBO
J-BASSを取り付けると,ノーマル・ジャズ・ベースの繊細なニュアンスを持ちながら,ハムバッカーのパワー感も得られるベースになるというわけです。いいでしょ?しかもベースの外観はまったく変わらない!こんなにいい商品なのに,発売当初はあんまり売れなかったんですよー。でも最近は何とか少しは売れるようになってきました。ジャズ・ベース弾きの皆さん,買ってください。
TURBO J-BASSにも,USAバージョン(¥8,000)とDOMESTICバージョン(¥6,000)があります。フェンダーUSAのジャズ・ベースにはCTSポットのUSAバージョンを,フェンダー・ジャパン系のジャズ・ベースには国産ポットのDOMESTICバージョンを使用してください。これはコントロール・プレートの穴のサイズに依存します。従って例えばESP製のコントロール・プレートにはインチサイズの穴が開いているので,USAバージョンがフィットします。ジャズ・ベースに限ったことではないのですが,このように国産のパーツにインチサイズの穴が開いていたり,8ミリの穴に強引に7ミリサイズのポットが付けられていたりということも多いのですよ。だからできれば実際の穴のサイズを測ってから買ってもらうのが一番なのですが,まぁなかなかそうも行かないもんですよね〜。もしDOMESTICバージョンのTURBO
J-BASSを買った後に,ベースのコントロール・プレートの穴がインチサイズだと分かった場合,買い換えるのは大変ですよね。そんな場合はPOT
ADAPTOR RING PA-04を使ってフィットさせるという裏技もあります。その方が最初からUSAバージョンを買うより安かったりして…。
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