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2006年5月 2日
Recording with Tomo Fujita & Will Lee
皆さん、こんにちは。
ここ最近、天気が良く、そして自分の予定がそれに合う日には、よくある事をしています。それは何か?使うかどうかも分かりませんし、使われるかどうかも分かりませんが、一応CDのジャケット用の撮影をしています。最終的にはレーベルとの話し合い、もしくはレーベルが判断する事になると思いますが、ニューヨークらしい、これまた非常にベタな写真を撮っているのです。自分でも大笑いしてしまうくらいに。アルバムがニューヨークらしいタイトルなので、まずはとりあえずベタで行ってみようという事になり、暇ができると色々な所に繰り出して、ちょうどニューヨークの木々も花を咲かせて美しい季節でもあり、ドライブがてら楽しみながら写真を撮っています。
さて今回は前回の冒頭でも触れましたが、トモ藤田さん、Will Lee(Bass)との僕のCD1曲目のレコーディングについて書きましょう。
2005年の暮れの段階で、幾つかのオーバーダブを除いて、ベースは出来上がった状態でした。7曲で約50分。メンバー皆で、制約なく好き放題作ったので、1曲が長いのが多いんです。それからCDを発売するにあたって何人かの方に聴いてもらいアドバイスをもらいました。共通して言えた事は、曲、演奏等はパーフェクト、願わくば1曲目候補の曲が長過ぎるという事。1曲目は5分位、もしくはそれ以内が美しいと。1曲目に考えていた曲は自信作だったのに(笑)、、、という感じでしたね。それでどうしようかと考えていたところに、トモ藤田さんからの電話。トモさんも同じくアルバムを制作中で、お互いの制作秘話等話しながら、1曲目に考えていた曲が少し長過ぎて、とトモさんに相談したところ、それじゃCDの1曲目、一緒に作ろうかという話にまで盛り上がって。僕もその時本心を言うと、アルバムに純粋なミディアムファンク調の曲が1曲あればと思っていたところでした。
それから早速僕もWill Leeにスケジュールの確認のコンタクト。曲の方もこんな方向性の曲が良いとトモさんに伝えたら、既にある新曲のデモを聴かせてくれて。直ぐに体の中に入ってくるキャッチーなメロディー。1曲目には最適な曲でした。それはハネものだったのですが、ビートをストレートにすると、僕が一番望んでいたミディアム調のファンキーな曲に変身。でもAdamがキーボードで参加していたら、このままハネもの、GO GOで行っていた様な気もします。GO GO好きですからね、Adamは(笑)。それでトモさんに若干手直しをしてもらいデモを新たに作り直してもらって、下準備はいつも素早くスムースに、ですね(笑)。
2月の後半、レコーディング当日。スタジオはロワーイーストサイドにあるLoho Studios。小さ過ぎず、大き過ぎず、天井の高いライブルーム。一言で言うとワイルドでありながらコントロールされたサウンドの持ち味の部屋。それにProTools、Neve、そして頼れるエンジニア、畑亮次氏の組み合わせです。
前回までのレコーディングの場合は、前日にドラムを搬入、セッティング、約半日掛けて畑さんと納得行くまでドラムの音作り、マイクのセッティング等をを実行、そしてレコーディング当日は即叩ける状態に。でも今回は1曲のレコーディング。かと言って朝からスタジオに入るのも、、、、僕も畑さんも午前中は全く頭が働かないという訳で、、、午後3時スタジオ入りの午前3時までの12時間ブック。ドラムをセットしていると予想よりもかなり早くトモさんがボストンから到着。ニューヨークに入る時の渋滞が殆どなかったとの事。トモさんはロビーで弦を張り替えたり、約3時間半のドライブの疲れを取ってもらう為にリラックス。
7時までにはドラム、ギター、レコーディングスタンバイOK。それから皆でロビーで食事。近くに串カツ専門のお弁当屋があり(ニューヨーク内ではかなり有名&味も良いです)、7時にカツ丼弁当が届く様に約1時間前に手配。レコーディングの時って、特にこの手の食事とかって非常に重要なんですよね。食後は皆味に満足して、まったりとくつろぎタイム(笑)。8時ちょっと前、David Letterman Showの収録を終えたWill Leeが登場。少しロビーでくつろいでもらってからベースのサウンドチェック。ぱっとベースの音作りを済ませる畑さん。さすが!それからトモさん、Will、僕とで向き合いながら、この3人では初めての音出し。数回曲を練習してからレコーディング開始。3テイク目が実は凄く、途中までは本当に最高の出来だったんですけど、、、、良いところでスティックが折れてしまって(悔)。エンジニアの畑さんが一番悔しそうでしたね(笑)。気を取り直してやり直し。5テイク目、3テイク目を凌ぐ会心の出来!これで僕とWillのトラックは完成。この間約2時間半。もっと早く済ませようと思えば出来たんですけど(笑)、ヘッドフォンを外した瞬間から冗談言いながら、色々と世間話等しながら、レコーディングは進んで行ったので。Willが、前回のレコーディングの時もそうだったんですけど、凄い話し好きなんです、本当に。いつも冗談ばっかり言っています(笑)。レコーディングしている空間って、一歩間違うとド最悪な雰囲気になってしまう事もあるんですけど、Willとのレコーディングでは絶対にそれはないですね。一番記憶に残っているのが、コンソールルームに水槽があるのですが、その中にいる結構大きな魚に向かって色々話しかけていて(笑)、、、ここにいるのはTakaっていうドラマーです、って魚に紹介もして頂きました(笑)。でもこれってWillのスタジオに入ってからの普通のスタンスなのかもしれないですね。回りを上手く持って行って、そして自分自身もそれでモチベーションを上手く持って行く。でももしかしたらいつもそうなのかもしれないし、そんな様な気がしないでもないです(笑)。でもヘッドフォンをして、ベースを持って、一音を弾いた瞬間に、”これだ!!!”ってなるんです。あの一音の説得力、気持ち良さ。あのプレーをされたら、こっちは絶対に”おお〜!”ってなるんです。それでこちらもモチベーションが上がり、最高のプレー。トモさんも然り。で、トモさんと僕のそのプレーをWillが聴き、触発され、3人一体で創り上げるマジック。自分達が想像、イメージしていた以上の最高のものを創り上げる事が出来ました。Will Lee。この地球上で間違いなくOne of the Best Groove、One of the Best Pocket Bass Playerです。
Willがスタジオを出て、その後は時間に追われる事なく、くつろいだ雰囲気の中、トモさんのギターのオーバーダブ。これも会心の出来!僕のCD1曲目に相応しい最高のものが出来上がりました。トモさんもハッピーです。朝の3時には全ての機材を車2台に搭載完了。まずは僕の家に一度寄って、トモさんの機材を全て降ろして、トモさんの車をパーキングして、先にトモさんは僕の家に。僕と畑さんは僕のスタジオに行ってドラムを降ろしスタジオへ戻す作業。それから畑さんを家まで送って、家に着いたのが5時位。トモさん、絶対にもう寝ているだろうと思って、そおっとドアを開けたら、カミさんとビール飲んでいました(笑)。
トモさん、お疲れさま。そして本当に有り難うございました。
以下、レコーディングの時の写真です。
Will Lee、Takanori Niida、Tomo Fujita at Loho Studios/NYC
Willとトモさん。
エンジニアの畑さんとトモさん。オーバーダブ中。
おまけ写真その1。 レコーディングの時に食べた弁当と同じ物を家で食べた時の写真です。金魚から拝借(笑)。
カツ丼、サーモン照り焼き、シューマイのコンビネーション。
おまけ写真その2。 上に同じく。
串カツ3種、エビ入り餃子、揚げ出し豆腐のコンビネーション。
それでは今回はこの辺で。
Takanori Niida Official Website
投稿者 niida : 2006年5月 2日 15:01