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2004年10月21日
第28回:The Lost Christmas Eve
皆さん、お元気ですか。
前回のコラムにも書きましたが、2004年10月12日、Trans-Siberian Orchestraのニューアルバム、The Lost Christmas EveがLAVA Recordsから全米で発売されました。発売日の数日前に、事務所からCDが送られてきたのですが、曲順を見てびっくり。僕が叩いた曲”Faith Noel”が1曲目にクレジットされていたのです。結構、嬉しいものですね(笑)。1曲目ならCDを購入した人は絶対に聴くだろうし、又それを購入する人が100万人、200万人となると、本当に嬉しい限りです。色々な所でのリビューをチェックすると、このCD、歌の入っている曲、入っていないインストだけの曲と分かれていますが、歌の入っていないインストだけの曲の中ではFaith Noelが一番良いと言ってくれる方が多いです。この様なリビューを見てしまうと、内心ちょっとにやけてしまう事もありますね(笑)。
このFaith Noel、スローな3拍子、ファンキーな16th、スローな4拍子、又16thに戻る等、1曲の中で色々な展開がある楽曲です。スローな3拍子のセクションでは、限界ギリギリのレイドバック感で、しかし1打1打は瞬発力を効かせてタイトに、シャープに叩きました。1つ1つの音は重くても全体として見ると、しっかりとバンドをプッシュ出来たと思います。ファンキーになるパートでは、ハイハットを『これでもか!』と言う位、タイトに叩き、正確(on time)の中での微妙なバネを出して、面白いグルーブ感を出せました。
実はこの辺のエピソードや、レコーディングの裏話が、僕の地元札幌で、以前
インターネットラジオのDJをしていた方々(Kattuさん、れんさん等)が、自分達独自のインターネットラジオサイト、Media Go.Hey! を立ち上げていて、その中のFrom Japanと言う番組の第2回の放送で、僕の肉声で聴く事が出来ます。お時間がありましたら、是非こちらの方も聴いてみて下さい。
Trans-Siberian Orchestra、ヘビーメタルを基本とし、クラシック、ジャズ、R&B、ブロードウェイミュージカル等の要素を含んだ独特な持ち味で、主にクリスマスソングをロック調にして演奏するバンドです。クリスマスと言う所に人気の秘訣がありそうですが、現在実際にアメリカでは人気のロックバンドなんです。所変わればって感じですね。The Lost Christmas Eve、残念ながら日本では未発表のアルバムですが、Amazon Japan等を利用すると、意外と簡単に数日で購入出来るみたいです。クリスマスにお勧めの1枚です。興味のある方は是非購入して聴いてみて下さい。
ここでこのCDのこぼれ話を1つ。ブックレットを見ると、勿論僕の名前がクレジットされていますが、これは僕だけでなく、メンバー全員に対してなのですが、誰がどの曲を演奏しているか全く書いていないんです(笑)。ですからぱっと見た感じ、僕が何曲も叩いている様にも取れるんですね。でも、あえて僕は1曲目のFaith Noelだけ叩いていると、僕のサイトでも公表しています。2曲目以降のドラムも勿論素晴らしいのですが、明らかに僕のアプローチ、叩き方とは全く違うんです。泥臭くて、うねりのある感じが僕のポイントですから!もし、購入されて聴くチャンスのある方は、その辺の違いも聴き比べてみると面白いと思います。
さて、TSOの他に話題をもう1つ。前回のコラムで、名前を伏せた状態で素晴らしいギタリストとNYで活動を始めたところですと書きましたが、今回はそのギタリストを紹介したいと思います。彼の名前はHiro Sase。未だ知り合って数ヶ月ですが、既に彼のバンドで定期的にギグをする様になり、僕のスタジオではデモ段階ですが、レコーディングの準備も着々と進めている最中です。彼と知り合ったきっかけは、実はひょんな事からなんです(笑)。現在使っているスタジオに引っ越してから、発想の転換で、これだけ大きい町なんだから、アメリカ人だけではなく、NYに住んでいる日本人にもドラムを教えてみようかなと思いまして、日系フリーペーパーにドラムレッスンの広告を実験的に出してみたんですね。お陰様で意外と習ってみたいという方が結構いたんです。その広告には僕のサイトのURLを貼っているのですが、それを見たSaseさんが一緒にやりませんかと電話して来てくれたのが始まりだったのです(笑)。
彼の得意とする音楽はジャズフュージョン、特にスムースジャズ系です。勿論何でも弾きますが(笑)。ギタリストとしてだけではなく、コンポーザーとしても非常に素晴らしい方です。今、一緒に作り上げているのは、ビートはタイト、シャープで、どっしりとしていながら、しっかりとプッシュするグルーヴで決め、コード、メロディー等は場面場面で色を何層も重ねて行く様な、独特な感じで流れて行くメロディアスな楽曲です。
実は彼はNYに引っ越して来て未だ2年で、それまではLAで活動していました。今回はそのLA時代に作った彼のファーストアルバム、Pieces of Imageからほんの少し、触りだけですが彼のサウンドを紹介します。このアルバム、プロデュースはジャズクルセイダーズのWayne Henderson。バックのメンバーもベースがLarry Kimpel等、素晴らしいメンバーが大勢参加しています。ちなみに、2番目のサウンドクリップのギターソロの後のサックスソロは、Wilton Felderのサウンドです。
それぞれの曲のタイトルをクリックしてお聴き下さい。
[Park Avenue 1.9MB]
[Bring it on home 2.1MB]
Hiro Sase、如何だったでしょうか? 実はNYって、この様なスムースジャズ系の音楽を演奏するところって、思いの他少ないのが現実です。殆ど無いと言っても過言ではありません。スムースジャズ、好きな音楽のジャンルの1つなのに、NYの土地柄のせいか忘れかけていた所に彼と知り合い、またやってみようと思い始めました。これからどうなるか、僕も楽しみです。
写真は、その彼のバンドで、最近オープンしたばかりのフレンチビストロでのギグの風景から。演奏も楽しい事ながら、ここでは1stセットと2ndセットの間の休み時間に、メニューからデザートも含めて何でも好きな物を頼んで食べる事が出来るのも、楽しみの1つなんです。凄く美味しいんですよ!
それでは今回はこの辺で。
又次回お会いしましょう。
Takanori Niida Official Website
投稿者 admin : 2004年10月21日 08:29