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2018年9月10日
PCI JAPANインタビュー#6(Wayne Johnson)
ウェイン・ジョンソン インタビュー
2000年3月6日(Cafe Cordialeでの演奏の2日前)
場所:リハーサルをやったドラマーのBill Bergのご自宅にて(LA郊外のSierra Madreという町)
日本では知る人ぞ知る存在ですが、ここロサンゼルスでは引っ張りだこの多忙なベテラン・ギタリスト、ウェイン・ジョンソンに今回はスポットを当ててみました。10年以上マンハッタントランスファーのギタリストとして活動する傍ら、古くからの友人でもある、ベーシストのジミー・ジョンソン、ドラマーのビル・バーグとも地道な活動を続けています。現在はロスから車で南に3時間程走ったサンディエゴに住みながら、毎月ロサンゼルスへ出てきてはライブを続けています。彼がライブを演るとどこもクラブは超満員、出演者も観客にも大物が集まります。今回は、ドン・グルーシンも参加し、下記の豪華メンバーで、ロスのジャズクラブ 「カフェ・コーディエール」での演奏。 夜9時から夜中の1時まで、一般のファンからプロのアーティストも観客に迎え盛況にロスの夜は更けました。
(演奏の途中、「ロボトーク」で弾きまくり、曲が終了したところで、「Hey, did you hear Robotalk, Toshio?」と名指しでアピール。 見ていた私はちょっとびっくり。 5人がそれぞれの持ち味を出し、本当に良いライブでした。 本物嗜好の人達が平日でもこれだけ集まるはずです。)
この演奏の2日前、リハーサルがドラマーのビル・バーグの家で行なわれました。 そこでのインタビューをレポートします。
ロサンゼルスを東へハイウェイで30分、Sierra Madre(シエラマドレ)という閑静な高級住宅地にビルの家はありました。 ガレージの横の小さな部屋にジミー・ジョンソンやドン・グルーシンやビル・バーグが集まってリハをするのです。
Wayne: やあ、ようこそ。 今サンディエゴから着いたばっかりなんだ。 いつもの通りビルの家でリハだよ。
リハの前に少し話できるよ。
PCI: お願いします。 確か昨年の年末は奥さんとお子さんも一緒に日本へ行っていたとお聞きしましたが?
Wayne: そうマンハッタン・トランスファーのツアーでね。一昨年には矢野顕子と一緒に日本全国をツアーで回ったんだよ。今年もまた秋にはマントラと一緒に日本の「ブルーノート」へ行く予定。大阪と東京ともう一個所。名古屋だったかな。
PCI: 一昨年の矢野顕子さんとのツアーは如何でしたか?
Wayne: アキコは大変スィートだった。あの時はアコースティックギター、エレキギター、スティールギターなど5本も持っていき荷物が多くて大変だったんだけど、全て僕のやりたい様にプレイさせてくれたんだ。彼女は「レコードも持ってくれば?」と言ってくれて、60枚位僕のCDの入ったカートンを持って行ったんだ。僕をコンサートではフィーチャーしてくれて、ソロもたくさん弾かせてくれた。そしたら彼女のマネージャーが演奏終わってから、やってきて、「Good NewsとBad Newsがある」って言うんだ。Good Newsは日本の観客の皆さんは Wayneに感動した。 Bad NewsはCD一瞬で売れちゃってもう無いので困っているって。最初の晩で全部なくなっちゃったんで、ワイフに電話して、アメリカで自分のCDをレコード会社から買ってもらい空輸で1,000枚位送ってもらったんだ。 届くの4~5日かかったから、前半のツアーには間に合わず、後半の7つのコンサートで1000枚売りきっちゃった。自分のプレイをこれだけ気に入ってもらえて本当にエキサイトなツアーだったよ。改めてアキコには感謝したい。また日本には大変いい印象を持っているよ。
マンハッタン・トランスファーとのツアー
PCI:マンハッタン・トランスファーとの仕事はもう10年以上ですよね? 日本でもまだ根強いファンがいるようですね。
Wayne:CDが大量に売れるバンドではなくなったけど、いまだに日本にもファンはいるようだね。 長い歴史があるグループだからね。80年代の中ごろはすごい人気だったよね。ちょうどジェイ・グレードンがプロデュースしていた頃。
PCI:それ以外にはどんな活動をしていたんですか?
Wayne:96年まで3年ほど、リッキー・リー・ジョーンズとプレイして、それから2年ほど、ソロとしてアコースティック・ギターでプレイする頃、キーボード・プレイヤーのジョン・テッシュとプレイしたよ。 彼は日本ではあんまり知られていないかもしれないけど、こちらではエンターテイメントトゥナイトっていうテレビ番組出てる、ニューエイジロックで人気のある人なんだ。
PCI:ベーシストの、ジミー・ジョンソンともよく一緒にプレイされてますね?
Wayne:ジミー? もちろん!!彼は僕の一番好きなベーシストで、20年以上一緒にやってるよ。エレキベースを弾かせたら、世界でもベストプレイヤーの一人だろうね。今回も彼と一緒に演るからもうすぐリハに来るはずだよ。
PCI:そうですかぁ~。ジミー・ジョンソンは日本でも人気がある人ですから楽しみです。今回はほかのメンバーは誰ですか?
Wayne:ジミーがベースでドラムはこの家の持ち主ビル・バーグ。二人とも、出身はミネアポリスなんだよ。僕も3年ほどミネアポリスに住んだことがあって、その時彼等と会ったんだ。70年代の前半だった。その頃から3人で活動して、その後、3人ともロスへ引っ越して来て、それぞれが別の活動を始めたんだ。でも、必ず年に何回かはこの3人でずっと演奏をし続けてきたんだよ。そうそう、ドラムのビルは昼はミュージシャンじゃなくて、ディズニーでアニメを描いてるんだよ。
PCI:ディズニーのアニメのキャラを実際に描いてるってことですか?
Wayne:そう、ディズニーの有名なアニメ映画のキャラをたくさん描いてるよ。アラジンの肩にとまっていたあの鳥... 名前忘れたけど、あれとか、ライオンキングの子供のシンバも彼が描いたんだよ。 リトルマーメイドの中のキャラもたくさん描いてるし。 この間、ディズニーのアニメを作る所を見せてもらったけど、彼はすごいアーティスト。コンピューターを使うんじゃなくて彼が元の絵を全部手で描いて、それをフィルムプロダクションする人に回すんだね。
PCI:ジミーとビルとあなたとは、ただの演奏仲間としてだけじゃなく、友達として本当に長い付きあいをされてるんですね。
Wayne:そうだよ。ジミーはスタジオ・ミュージシャンとしてもたいへん忙しいから、3人一緒にプレイするっていう機会はあんまりないんだけど、でもかならず3人でのプレイは続けるようにしているんだ。
PCI:ジミー・ジョンソン、ビル・バーグとの3人の演奏はあなたのホームバンドみたいなもんですね?
Wayne:その通り。この3人でやる時は一番リラックスできるし楽しめるね。同じメンバーでこれだけ長く続くのって珍しいかもね。今回のロスでのギグでは後2人、キーボードはドン・グルーシン、バイオリンはチャーリー・ビシャラットが一緒に演ってくれるんだ。
サンディエゴでの活動
PCI:ジミー、ビルとの演奏活動、マンハッタン・トランスファーとの演奏、それ以外にはどんな活動をされてますか?
Wayne:サンディエゴで曲を作る為に新しいバンドで活動を始めた所。 ジミーとビルとしょっちゅうプレイする訳ではないんで、せっかく、曲ができても、演奏するチャンスが少ないんだよ。でもそのサンディエゴのバンドのおかげで新しい曲を作っても、実際にすぐ演奏できる様になった。サンディエゴにもいいジャズクラブがいくつかできたんだよ。綺麗な町だし、一度見においでよ。ビーチにも近いし。
(ギターアンプのセッティング完了。 弾きまくる。)
PCI:いつも、MATCHLESS のアンプを使ってるのですか?
Wayne:今の所このアンプが一番気に入ってるね。
PCI:でもこのメーカーなくなってしまいましたよね?
Wayne:うん知ってるよ。でもこのアンプを作ってる人のことはよく知ってるんだ。リック・セコールって言って今ハリウッドに住んでるよ。
PCI:CDなんかでシンセギターも弾いてみえますね。
Wayne:そう、シンセギターはよく弾くし、またアコギも最近凝ってるよ。カナダのルシアのラスキンって奴が作ったやつ。音もいいし、デザインもクールなんだ。2本持ってるけど、一本はバレエ・ダンサーのやつで、もう一本はヘッドストックが魚の「マス」になっているフィッシング・デザインのやつだよ。
PCI:ベテランだけあって、色々なスタイルのギター、テクニックで楽しませて頂けそうですね。 本番の演奏楽しみにしています。
(そこへ、ジミー・ジョンソンとドン・グルーシンがやって来る。 みな、なんかとても楽しそう。 本当に気のおけない仲間だけの演奏で和気あいあいという感じ。「ロボトーク」を大変気にいってくれたみたい。カフェ・コーディエールでの本番が本当に楽しみです!)
旧友ジミー・ジョンソンと
手にしているのはすっかりお気に入りのRobotalk
投稿者 pcij : 2018年9月10日 22:05