2016年9月24日
Xotic California Classic XSC(#5)
#1-#4までは細かくXSCの詳細について触れてきましたが、7月のJapan Tour以降問い合わせが止まらない!Allen Hinds Modelについて紹介したいと思います!
XSC-2 Lake Placid Blue-Allen Hinds Model
長らくXotic Gt XS-2を使用していただいているAllen Hindsさん!
今回のXSC seriesの構想段階から、積極的に意見を交わしてくれました!
(元々ヴィンテージギターが大好きなAllenにはうってつけのギターとなってくれた様です)
2016年7月のJapan Tourで初めて披露され、多数のお客様からその場でオーダーまで頂けました!
(現在も問い合わせが多く、ほぼ年内の入荷までリクエストが埋まりかけています)
LA工房にも顔を出し、Body、Neckの選定にはこだわっていた様子です。
カラーはLake Placid Blueで、自身の目の色と同じBlueだよ!とご機嫌で話ていました。
ネックもRoasted Mapleの極上AAAA Flameです。(XSCは標準でもAAAAで変わりませんが)
Spec.
Body:Alder
Color:Lack Placid Blue Heavy-Aged Lacquer
Neck:22F Roasted AAAA Flame Maple / Roasted AAAA Flame Maple指板
Neck Finish:Oil Finish Aged
Grip:Xotic C-Shape (.830-.920)
Radius:12R
Nut:Oil Bone
Position Mark:Black
Fret:Jescar FW-9685NS(6100Type)
Tuner:Gotoh SD91-05M-HAMP-Aged
Pick Guard:Mint Green 3P Aged
Bridge:Gotoh GE101TS+Raw Vintage Saddle(RV112)+Springs(RVTS-1)
Pick Up:Raw Vintage RV-60' California Classic(N)(M) + RV HM Classic(B)
Control:1Vol, 2Tone
Capacitor:Disc .1μF
PU Cover:Vintage Cream + Coverd Nickel Aged
Knob:Parchment
Hardware:Nickel / Chrome Aged
Weight:3.4kg
Head StockはXSC用に新たにデザインされた仕様、LogoもNewデザインです。
(以前からこのタイプの様なヴィンテージスタイルがいいんだと言い続けていたんだ!と言ってました)
Allenみたいな、流れる様なフィンガリングのプレイスタイルにはネックの触り心地と弾きやすさを究極まで突き詰めた仕様になっています。ネックは太すぎず細すぎずという .830という太さでSRV Shape。
Xotic C-Shapeは握り込んだ際の手のひらにあたる頂点が手になじむ様なオフセット風になったShapeです。
塗装はオイルフィニッシュで、指板Rも12Rと比較的なだらかなRとなっています。
フレットはジャンボタイプのフレットです。
Bodyにはこれでもかというぐらいの無数のキズ、Heavy Aged仕様です。
大胆に剥げたエルボー部が印象的で、下地のWhiteも相まって使用感たっぷりの風合いです。
比較的軽量なAlder材をセレクトし、抱えた際の全体のバランスはストレスを感じさせません。
ピックガード、ノブなどプラスティックパーツや金属パーツにもエイジド加工が施されています。
BridgeはVintage StyleのGotoh製の土台にRaw Vintage Saddle(RVS-112)、SpringはRaw Vintage RVTS-1が仕様されています。Bodyのエイジド具合に合わせられています。
ピックアップはネックとミドルがシングルコイルでRV-60 California ClassicにリアはRV HM Classicが搭載。PAFサウンドを提供してくれます。
(センターピックアップはリバース仕様でハーフトーンはハムキャンセル構造になります。)
見た目も含め風格ある素晴らしい仕上がりになってくれました!これからの入荷が楽しみです!もちろんAllenドンズバは。。と気がひける人はカラーを変えたり、仕様を変えたりでオーダー可能です。お問い合わせ、見積もりからでも構わないので、是非ご連絡いただければと思います。
PCI JAPANまでメールをお気軽にいただければと思います!
ちなみにAllen Hinds modelの値段は
定価¥465,000(税抜き)
となっております。(楽器店等で値引き金額等はご確認ください)
Allenによる説明動画です。
(字幕をクリックすると日本語が設定できます)
それではまた次回!
投稿者 pcij : 03:04
2016年9月23日
Xotic California Classic XSC(#4)
Xotic Guitarsとして新たに採用されたNitrocellulose Lacquer Finish。
このニトロセルロースラッカーというのは基本ラッカー塗装と親しまれ(ラッカーにも色々な種類がありますが、ヴィンテージギターの多くと同様に、一般的にラッカー塗装というとニトロセルロースラッカーを指していると思われます。)
そのラッカーはウレタンやポリエステルといった、現代では標準になっている塗装方よりも一般的に薄い塗膜の塗装になります。ウレタンらの方が傷や汚れには強いと言った面もあるので、絶対にラッカーでなくてはいけないというわけではないですが、塗膜の薄さというのが特に木材から形成されるボディ(ギター)に取って、音質面では特に良い効果が得られると思います。厚い塗装皮膜であれば、木材+塗装のサウンドというものは少なからずあるはずなので、ニトロセルロースラッカーフィニッシュが採用されました。やはりヴィンテージライクな見た目だけに限らず、ラッカー塗装の触感というのは重要です!
XSC SeriesのBody Finishには全てAged加工を施しています。
そのAged加工にはLight / Medium / Heavyの3種類のダメージパターンのラインナップを用意。
ワンオフ塗装の為、1本1本ごとに表情が異なっているのも魅力の1つです。
Light Aged
Light Agedは少量のウェザーチェック(クラック)と打痕が施された仕様。
屋内で大切に使われた風合いを出してくれて、色焼けも少ない仕様になっています。
Medium Aged
Medium Agedは永くライブなどで弾き込まれた個体を再現。コンターやバックル部に傷が付き、全体に無数に走るウェザーチェックは芸術の風格です。
Heavy Aged
Heavy Agedは野外でのライブなど過酷な状況下で永く弾き込まれたダメージを再現。エルボー部やピックによるスクラッチ傷などが再現されています。
ここで紹介しているのはあくまでもサンプルとしての写真なので、大まかにはこの3種類のLight / Medium / Heavyとなりますが、オーダーの際には参考にし、個別に相談はできると思います。
それ以外にまだこれから進めていく段階ではありますが、Optionとして
Multi-Layer(over3TB)、Super Heavy Aged、Matching Headなども対応できます。
Multi-Layer
こちらはまず3 Tone Burstの塗装を施してから、Blackなど他のカラーを塗り(写真はLake Placid Blue) MediumないしはHeavy Agedを施すと、傷の部分から下にある3Tone Burstが出ているという塗装。
音質がというよりは視覚の部分で非常に雰囲気が出てくれますね。
今のところOptionとして+¥20,000(税抜き)という価格でオーダー可能です。
Super Heavy Aged
このようにレイボーンやロリーギャラガーなどの様に大胆に塗装が剥げてしまった、Super Heavy Agedも出来ます。
こちらは+¥30,000(税抜き)というOption価格予定です。
今回は塗装についてでした!
実際写真では分かり難い部分もありますので、触った質感など楽器店などで是非試していただけたらと思います!
今回の映像はToshi YanagiさんによるDemoです!
投稿者 pcij : 01:37
2016年9月15日
Xotic California Classic XSC(#3)
ネック周りに引き続き今回はボディ、プラスティックパーツ周りについて詳細を紹介したいと思います。
BODY材
Body材はAsh Alderを選択できます。60's STをもとにデザインされており、塗装もAged加工も相まって(塗装のAgedに関してはまた次回詳細説明します!)抜群の雰囲気と抱えた際のエルボーとコンター加工は機械では出来ない最終仕上げによりスムーズで体にフィットしてくれます。
ディンキーサイズのXSに比べ、XSCはフルサイズボディを採用することにより、ヴィンテージライクなサウンドが得られ、トータルバランスが向上しています。
座って抱えた際にしっくりとくるような位置にエルボーカットがあります。Body端のアールも程良い丸みを帯びているので、ストレスを感じさせません。
Pick Guard
塗装に続き視覚的な特徴が一番に入ってくるプラスティック・パーツとしてピックガードが大きな部分を占めます。XSC Seriesでは塗装のAged具合に合わせて、職人による手加工でピックガードも一枚一枚Aged加工が加えられます。
Bodyのカラーに合わせ、明るさ、経年変化具合がカスタマイズされます。
オーダーの際には、Brown Tortoise、Mint Green、Parchment、Black、White、Vintage Creamなどが選べます。3Pや1Pなど各種取り揃えており、お好みのエイジド加工も相談出来ます。
Pick Up Cover
ピックガード同様ピックアップカバーもカスタマイズが可能です。
ヴィンテージに忠実に再現したような、Aged加工や、ピックガードとの兼ね合いも検討の上お好みの物をセレクト出来ます。
Parchmentは出来上がったばかりの新品のWhite程真っ白というよりは少し落ち着いたWhiteになり、全体を落ち着かせてくれる風合いですね。
Mint GreenやVintage Creamは長く使用し、変色した雰囲気を醸し出してくれます。
Knob,Switch Tips
ノブやスイッチ部も同様にセレクト出来ます。ピックアップカバーと合わせるもよし、ボディのAged具合に合わせて、汚れた感じも再現出来ます。
Bridge
ブリッジは基本的にGotoh GE101TS(11.2mmピッチ)を採用しています。6点止めにプレスサドル、という往年のヴィンテージの仕様です。
XSC用に変更されているところはサドルとスプリングを品質とサウンドの良さで定評のあるRaw Vintage Saddle(RV-112)とRaw Vintage Springs(RVTS-1)にすべて交換済みです。
サウンドに関しては、Saddleに関しては嫌なHighのギラつきが無く、落ち着いたMidが前に出てくれるサウンドにしてくれ、Springは4本ないしは5本(こちらはBodyや全体のバランスをみて変えています)にすることにより、重量の変化など(磁界等への影響も0ではないはず)により、しっかりとボトムのしまったサウンドへと変えてくれます。
まだ製造には至っていないですが、今後Gold Partsもセレクトできる様になるかと思います。
素材までこだわったブリッジということだけでサウンドが良くなるわけではありません。しっかりとした調整により大きくサウンドにも影響を及ぼします。最終セットアップには細心の注意と時間をかけて、ユーザー様の元にしっかりと届けられるようにセットアップしています。
Metal Parts
ブリッジ同様、その他の金属パーツにもエイジド加工が施されます。ただ単に錆びさせてスクリューなどの機能が低下する様なエイジド加工では無く、使用感があるエイジドです。(Super Heavy Agedなどでは多少錆びた物も今後は出てくるかもしれません)
Light AgedのBodyに合わせたPU Cover,Bridgeの金属パーツの質感が抜群です。
Xotic Original Joint Plateも一枚一枚エイジド加工が施されています。
Medium Aged、Heavy AgedのBody塗装には、このくらいエイジングされた、Bridgeが映えますね!
今回はここまでで、次回は塗装の種類です。
Light Aged、Medium Aged、Heavy Agedの写真などもUpしますので、オーダーの参考などにしていただけたらと思います。
最後に映像です。
Allen HindsによるDemoです!
投稿者 pcij : 00:45
2016年9月10日
Xotic California Classic XSC(#2)
前回はざっくりとした紹介だけでしたが、今回はNECK周りの詳細の説明を写真も交えていこうと思います。
(それぞれの項目ごとに選択出来る仕様などもまとめていくので、オーダーの際には参考にしていただけたらと思います)
・Neck-Roasted Maple
ネックには厳選されたRoasted Maple材を採用しています。
Roasted MapleはMaple材を高温で熱加工された木材です。(一言で言うと木材を燻製しているんですね)
熱加工をすることにより、木材の含水率が半減しそれにより形状の変化が起きにくくなります。ヴィンテージギターのネックは完成されたギターの木材といえども、木材は呼吸をすることにより、乾燥がさらに進んでいるとも言われています。この長い年月をかけての乾燥を人工の力で行っているというイメージですね。
この熱処理により乾燥だけではなく、余分なヤニなどの油分も取り除いてくれるので、木材の導管部が音響特性を高めてくれるとも考えられています。
(ネックへの成形前の木材。)
一般的にはネック材には向かない(経年変化のソリが未知数な為)Flame Maple材もRoasted Mapleは強度も増しおり、XSCでは画像にのようなAAAA グレードの木材を選定しています。
ネックシェイプは一般的なXotic C-Shape,Xotic D-Shapeという仕様を現在基本に揃えています。
太さは1Fでの太さが.820から.830という太さが基準です。(極太の.900がいいという方にはカスタムでオーダーできます)
・Head
ヘッドの形状、Xotic ロゴマークが一新されました!
このXSC開発にあたりヴィンテージ感をさらに意識したロゴマークへの変更がなされました。(賛否両論あるとは思いますが、よりギターメーカーとしてのイメージはUpしたのではないかと思います)
ヘッド形状も、ロゴにあったサイズへと変更になりました。(今までのデザインも踏襲しています)
ナットもOil BoneやPure Boneなど各種オーダー可能です。テンションピンもチューナーに合わせて有無可能です。
TunerはGotoh製のSD-91-05M- HAMPというロック式ペグを採用しています、ロック式ではない従来のものも選択出来ます。
・Fingerboard
フィンガーボードはRoasted MapleAAAA FlameとIndian Rosewoodが選択出来ます。
基本仕様は22F(1Pネックの場合は21F)で、指板アールは12Rのモダンなものや、ローポジションが7.25Rでハイポジションが10Rという徐々になだらかになる、コンパウンドラディアスという仕様も選択出来ます。さらに平らな14Rなどもオーダーは出来ます。
Rosewoodはできるだけ濃い色の品質の良いものを選択しています。Position Markは基本的にIvoryを選択していますが、オーダーも可能です。
Roasted Maple指板はネック材同様のAAAA FlameMapleを使用しています。Position Markは基本Blackですが、こちらもPauaなども選択可能です。
・Truss Rod
従来のXotic Gtにはトップアジャストを採用しておりましたが、XSC Seriesはヒールアジャストを採用。
弦を緩めないままトラスロッドを調節出来るトップアジャストは確かに便利ですが、XSCのサウンドデザインにおいては、ヒールアジャストの方がヴィンテージライクなサウンドが得られるという結果になりました。
ネックを外してトラスロッドを調節することに抵抗のある方も多いかもしれませんが、サウンドを重視した結果と、Roasted Mapleの強度にも自信の表れではあるとも言えます。(ただ日本の過酷な湿度環境においては絶対に動かないとは言えないので、場合によっては調整が必要です)
・Fret Wire
Fretに関してはXS Seriesでも採用しているJescar Fret Wireは最近のカスタムメーカーや老舗のメーカーでも採用されている所も増えていて、品質・サウンドも素晴らしく最も信頼されてきているフレットです。
ミディアムFW-9662(JDでいう所の#6105Type)やジャンボFW-9686(JDでいう所の#6100)を採用。
品質の良いFretを使っても最終的には職人の手により一本一本かける手間暇と精度がしっかりと決まらないと、音・ピッチは良くなりません。
すり合わせにと、ネックサイド処理は熟練の職人により、美しく仕上げられています。
次回はボディ、パーツ関係周りを解説しようと思います!
Johnny HawthornによるDemo Playです!
投稿者 pcij : 00:05
2016年9月 6日
Xotic California Classic XSC(#1)
ここ1年近く密かに進めていたXotic California Classic XSC Guitarがやっと発売になりました。
(とはいえ、手探りでのまだ手探りでの製造のため、圧倒的に入荷本数も少なく、市場にまだまだ少ないのが現実ですが。。)
このXSCは一言で言うと"原点回帰"とも言えるシリーズのギターです。
ヴィンテージライクな、ギターたる所以の原点回帰、より良い木材の選定、デザイン、塗装、エレクトロニクス部全てを見直し、サンプル製作の日々何度も重ね、基本仕様が完成しました。
XSC Seriesの基本スペックは
・ネック材には厳選したローステッド・メイプル材(AAAAグレードのフレイムメイプル材をセレクト!)
・ナット幅は1.68"(42.7mm)でブリッジサドル(弦間)11.2mmピッチ
・ボディ形状はディンキーではなく、ストラトフルサイズを採用。
・ボディ塗装はニトロセルロース・ラッカー・フィニッシュでヴィンテージさながらなエイジド加工が施されています。
・ピックアップは新開発のRaw Vintage California Classic、LA工房でハンドワイヤリングされています。
詳細部については後日またUpします!
Kenny Echizenによるデモ演奏"Amazing Grace"
投稿者 pcij : 01:05
2016年9月 5日
久々に覗いてみたら。。
先日、サーバーに問題があったのか、PCI JAPANページが見ることが出来無くなってしまって。
Blogもアップ出来ないと連絡をもらい、覗いてみたら、Up出来ないもなにも、2015のNAMM Showの写真以来更新していないではないか!?
SNSの便利さにかまけて、どうせこっちのBlog的な方は弊社社員ですら、忘れ去られている空気が流れる中。。(古市コータローさんの毎月二回UPのBlog更新には本当に頭が下がります、ありがとうございます。)
どうせ、誰もみてないし的な雰囲気でいましたが、先日とある雑誌社の方とミーティングであった際に『上海に出張になった際に、事前に楽器店がどこにあるか調べようとしても情報が、PCIJのBlogしか出てこなかったんですよ!ありがとうございます。』と、言われてしまい。確かに検索で引っかかったにせよ。こういったBlogにして残しておくものだなァと強く感じてしまった次第です。
それなりに、毎日なにかしらの変化はあることは事実、UPすることないと言い訳せずに日々起こっている事をなんでもいいから、不定期もしくはある程度謎な規則性をもたせてでも、またぼちぼち始めようかななんて思ってます。
投稿者 pcij : 02:08