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Scott Henderson 2/4

PCI:トライバル・テックはどちらかと言うとジャズ系ですね?
SH:トリオに比べるとよりジャズに近いフュージョンだよね。 

PCI:いつもやってみえるトリオの方はブルースっぽいですね。
SH:そうだね。 ヴォーカルも入るしね。 

PCI:この二つのバンドで機材は変えてるんですか?
SH:機材は一緒だけどギターは変えてるよ。 同じJohn Suhrのギターだけどハンバッキング・ピックアップをTribal Techには使い、シングルコイルをトリオの方に使う様にしてるよ。 僕の好みではハンバッキングの音の範囲がミッドレンジで、キーボードの音とは別に上手く出てくると思う。 そういう意味ではホーンに近い。 それに対してシングルコイルはフルレンジの音なのでトリオの場合はこっちの方がいいね。 ハンバッキングは狭いレンジでキーボードと一緒の時は大変いいってこと。 そしてシングルコイルは広いレンジでトリオの時はこれに限る。 それとTribal Techの時はEで10thゲージを使うんだ。 シングルコイルの場合は10thだと細すぎるのでトリオの場合はE♭で11thにしている。 その方が大きな音になるね。 シングルコイルの場合は太い弦の方がいい音がするね。 音だけのことを考えれば出来ればDで12thにしたいけどちょっと難しい(笑)

PCI:そうですか。 特に影響を受けたミュージシャンは誰なんでしょう?
SH:色んな人の影響を受けてると思うよ。 レッド・ツェッペリンからマイルス・デイビスからジェームズ・ブラウンまで(笑)それからクラシックの影響も受けてるんだ。 キング・クリムゾンやYESなどのプログレッシブ・ロックの影響も強く受けてるんだよ。 一つの音楽にすぐ飽きちゃうのかもしれないんだ。 だからさっきも言った様に色んな音楽のエッセンスを取り入れ、影響される様になったんだと思う。

PCI:ギターを始めた頃はどうでしたか?
SH:僕がギターを始めた頃はブルースの第2世代だった。 B.B.Kingではなくエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックの影響を受けたね。 その後どうして彼等はこういうテクニックを見に付けたのかだんだん遡りB.B.King にもたどり着いた。 ジャズも同じようにまずロックに近いWeather Reportの影響を受けその後ビーバップにもたどり着いた。 決してビーバップの様なギターをもろ弾くことはなかったけどボキャブラリーとしてビーバップの影響も受けていると思う。 特にGIT(MI)で勉強してた時はビーバップについては色んな実験が出来た。 大学ではジャズの勉強はしたけれどジャズギターの実践は出来なかったから。 2年間で本当のジャズギタリストにギターテクを教わったのはいい経験になった。 ジャズギターについて毎日ギターをもって実践出来たんだから。

PCI:大学はフロリダですか?
SH:そう。フロリダの Atlantic Universityだよ。 いい先生がたくさんいたんだけどギターよりもピアノでの理論の勉強が多かったね。 

PCI:サウンドシステムについては影響を受けたミュージシャンは誰ですか?
SH: いつもAllan Holdsworthの様なサウンドを意識してたね。 彼が作るサウンドがどうやって出すかを何年も研究してきた。 歪まないサスティーンの効いたサウンド。 Allanと同じ様な音を出す様プレイしたね。 ピッキングをあまりせず、レガートにプレイするんだ。 ハンマーオンを多用する。 ピッキングをしないでいいのであれば出来るだけしない様にするんだ。 全ての音符をピッキングせず最小限に抑える。 これはAllanも同じだね。 クリーンなサスティーンのサウンド。 

PCI:あなたが使用されている機材もAllanのサウンドを意識して揃えてるんですか?
SH:最初はそうだったんだけど、今は少し変えてるんだ。 今はもっとビンテージサウンドを意識した機材にしている。 ギターもストラトキャスタータイプにした。Allan の様な音作りはロックンロールやブルースで追及するのは難しいと気が付いたんだ。 Allanの様な音楽ではピッキングをソフトにするので、ダイナミック・レンジはたいへんスムーズになる。 ところが僕のダイナミック・レンジはめちゃくちゃ広いんだ。 ソフトにピッキングしたり、激しくピッキングしたりとね(笑) アンプには僕と一緒に息をしてほしい。 僕のピッキングしたサウンドをコンプレスしてほしくないんだ。 そこで機材としてはアンプのディストーションではなくてペダルを多用する様にした。 アンプのディストーションだとサウンドがコンプレスされやすいんだけど、アナログペダルを使えばピッキングを激しくしてロックなサウンドが得られる。 今はGIGでは両方組みあわせてやってるよ。 一晩のステージのうち半分はペダルを使ってアンプのチャンネル1、クリーンチャンネルを使い、残りの半分はチャンネル2のアンプディストーションを使う。 

PCI:GIGとか曲によってその組みあわせを変えているんですか?
SH:そうだよ。 特にトリオの時は一曲一曲出てくる音の雰囲気を変える様にしてるんだ。 だから3つのディストーションペダルとアンプのディストーションを使うんだよ。 この曲はこのペダル、この曲は違うペダルと使い分けてるんだ。 曲によって少しづつカラーを変える様にしてるんだ。