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Melvin Lee Davisインタビュー (2/4)

Melvin:そうです。その間にいろんな経験が出来、ドンがいろんな人に紹介してくれて沢山のコネクションができたんです。

PCI:当時は日本でもディスコであのステップを真似していた若者が多かったんですよ。 

Melvin:イエ〜ス。

PCI:あなたも踊ってたんですか?

Melvin:ノォ〜。 踊ろうと思えば踊れたんですけど、いつも後ろで座ってみんなの踊りを見てビューティフルって行ってました。 (爆笑)

 

PCI:最近でもたまにあの手のダンスミュージックを演奏されることはあるんですか?

Melvin:あまり最近はやりません。 ただダンスをする気になれば、どんな音楽でも踊れるはずですけどね。 今は創る音楽も演奏する音楽もジャズ、フュージョンが中心です。 古い歌の歌詞に最近は魅力を感じます。 最近の音楽はコンピューターでプログラムされた機械的なのが多いんです。 どうもそれが好きになれず、私が出した2枚のCDもすべてライブでミュージシャンが実際に演奏しています。 

PCI:大変アナログなんですね。 

Melvin:グッドアナログガイです。(笑)

PCI:その後、ポインター・シスターズのバックバンドを経験されてますよね。 

Melvin:はい、あれもいい経験でした。 R&Bという音楽をツアーをしながらやり、演奏する場所もいつも大きな所でした。

PCI:それはいつ頃の事ですか?

Melvin:1985年から89年までです。

PCI:その頃は長髪で随分とスリムでしたよね。 

Melvin:僕のサイトを見ましたね。(笑) その頃は沢山毛があってスリムでした。 そして若かったなあ。 

PCI:ポインター・シスターズとやってた頃は何歳だったんですか? 

Melvin:24才か25才でした。 

PCI:やっぱり、彼女たちは素晴らしい人達でしたか?

Melvin:本当に素晴らしい人達でした。 家族の様な付き合いをすることが出来ました。 私が仕事をした人達はみんないい人が多かったんですが、中でもポインター・シスターズはいい人というだけでなく、音楽にかける情熱やミュージシャンに対する愛情が深く、彼女たちの仕事は本当に楽しむことができました。 

PCI:あなたの好きなジャズではなかったのですが、心からエンジョイされたという事ですね。 

Melvin:そうです。 二人以上のミュージシャンが一緒になって、正直に心の底から音楽を創っていく時、良い音楽が出来るんです。 音楽業界がそのできた音楽をどう呼ぶか、ラベルを付けるんですね。 ジャンルは関係なく、ミュージシャンが同じ波長でコミュニケートして創った音楽が最も良いものだと思います。 そしてそれを音楽業界がジャンルに分けてラベルを付けて皆さんにお届けする訳です。

PCI:そういう意味では最近ではリー・リトナーやチャカ・カーンだけでなく、ノリコさんともフィーリングがピッタリ合ったってことでしょうか? 

Melvin:その通り! 今私の新しいCDを製作中なんですがノリコにも弾いてもらってるんです。 彼女は昨日もうちに来て弾いてくれて、彼女が「ロスにはたくさんのキーボードプレイヤーがいるので別に私じゃなくてもいいんじゃない?」って言うんです。  私は答えたんです。 「I need you. I need your spirit.」って。 確かにピアノを弾ける人やテクニックの上手い人はたくさんいますけどノリコという人間のスピリットが必要なんです。 録音した後の音を聴いてみれば判るんですけど、ノリコのフィーリングがちゃんと出てるんです。 

PCI:テクニックではなくてそれを越える大事な物がノリコさんにはあるってことですね?

Melvin:そうです。 彼女は充分なキーボードプレイヤーとしてのテクニックも持ってますが、それを越える物も持っているんです。 それは音符には書けませんが音符の後ろにあるフィーリングが大事なんです。 彼女のそのフィーリングを必要としてるんです。 例えばマイルス・デイビスが一つの音符を吹いたとします。 パァ〜〜って。 それでみんな参っちゃうんですね。 簡単な音符の後ろにあるフィーリングに魅せられるんです。 多くのテクニシャンがパララ〜ラパララと吹きまくる音より、マイルスがただパァ〜って吹くだけでみんなひっくり返るんです。(笑) 

PCI:よく判ります。(笑) それが音楽ですね。 その後パティー・オースティンの録音に参加したことがあなたのその後のミュージシャン人生を大きく変えたと思いますがどうでしたか? またスティーブ・フェローンとはその後ブライアン・フェリーのツアーで一緒にプレイされてますが彼の様な独特のロックアンドポップス音楽でのベースプレイはたいへんだったんじゃないですか? 

Melvin:パティー・オースティンのレコーディングやブライアン・フェリーのツアーは本当にいい経験になりました。 ブライアンがスティーブにどのベースプレイヤーとやりたいか聞いて、スティーブはアンソニー・ジャクソンと私を指名したんです。 アンソニーと私がそれぞれデモテープを送って結局私が選ばれました。 でもこれアンソニーが私より劣るっていう悪い書き方はしないでくださいね。 私がブライアンなら絶対アンソニーを採用しますから。 私にとってアンソニーは今でもヒーローなんです。 どうして私が選ばれたのか今でも判らないんです。でも選ばれたのは本当に嬉しかったです。 結局このパティー・オースティンとブライアン・フェリーの仕事でその後大きなチャンスが広がっていきました。 ロックやポップスのベースプレイも楽しんでプレイ出来る様になったんです。

PCI:その後、リー・リトナーやラリー・カールトンと言ったいわゆるフュージョンミュージックの大御所ギタリストの録音やツアーに参加される訳ですが、あなたの様な多様な音楽性に対応出来る柔軟性とグルーブ感覚が大きく評価されてのことでしょうね。