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2010年6月11日
第12回:Melvins/The Bride Screamed Murder
前作の"Nude With Boots"に引き続き、今回の新作、"The Bride Screamed Murde"の国内盤でライナーノートを書かせてもらった。日本でのMelvins人気は決して大きいとは言えないが、90年代から現在のロックバンドへ及ぼした、彼らの影響は大きく、そう言った事からか音楽評論家の間での評価は非常に高い。前回のライナーノートを書く上で、輸入販売元のDaymareのH氏は数人の評論家からのライナーノート制作希望を断り、自分の所へ頼んで来たと言う。”ここで書いてある事をそのまま書いてくれ”と言われていたので、『評論家のライナーノートより良い物を作る』と言ったプレッシャーは全くなかった。結果的に評判が良かったとも聞いたので非常に嬉しく思えた。
今回も前回(ここでは前々回)同様、ライナーノートには載せられない写真を幾つか取り上げて、ライナーノートの補足をして行きたい。
まずはいつもながらのツインドラム。NWBの時とはスタジオが異なるのがこれを観れば明らかになると思う。Entourage Studioは自分の友人が経営しているため、格安な値段で提供してくれた。MelvinsはStagの録音の時に一度使用している。前回のスタジオWestBeach Recordersと比べると横幅が広く、天井も高くなっている。ドラムの広い音がアルバムから聴こえてくると思う。
"Pig House"のイントロ等で使われたPete Engelhart Metal Percussion(左下)。これはCoadyのものだがDaleも同じようなものを装備している。音階が多少違う。
今回初めてレコーディングで使用されたElectrical GuitarのBuzzモデル。ちなみにスタジオでの写真があまりよく撮れていなかったので、写真は2年前のツアーの時のもの。この時、Buzzは初めて彼のモデルを受け取った。
"The Water Glass"でのギャングボーカルの録音風景。4人の音量を調節し、距離感を出すため、マイクから少し離れて録音されている。これを数回重ね録りした。
そしていつも同様、遊び心の溢れた実権的録音機材。
ちょっと見難いかもしれないが、テープで止められたてになっているパイプの中に小型高性能マイクが置かれている。今回はこのマイクの位置が今までで一番良く思えた。アップダウンの無い、フランジャーの様な音が数曲のギターと共に聴こえると思う。
毎回の様に使われているCasio VA10。ノートにも書いたが、今回はいつもと違い、通常の高性能マイクの直ぐ横に設置して、別のトラックに良い音のボーカルと同時にVA10の効果音を録音。
左が"P.G. x3"の第一部で使われた玩具の笛。ピアニカのような音が出る。
右上が"Pig House"、"Evil New War God"で使われたStylophone
右下"Inhumanity and Death"で使われた学研「大人の科学」のシンセサイザーSX-150。
最後に、ライナーにも書いたが、スタジオに顔を出した、Blondieのドラマー、Clem Burke。本作には使われなかったが、何かの形でリリースされるはず。その曲の録音風景。
前(々)回同様、これを読み、観ながら、ライナーノートと併用して聴いてもらいたい。
投稿者 toshik : 2010年6月11日 04:03