第1回:アンプの話(その1)

PCIの読者の皆さん、はじめまして。
ボストンに在住のギタリスト、トモ藤田です。
今月からここで新しく毎月コラムを書くことになりました。 
ここでの目標は、
1、ギターを弾くのがもっと楽しくなるように。
2、音楽生活を豊かにすること。
3、そのために何が必要? 
それを皆さんと一緒に悩み、考え、お伝えしたい。
というのが僕の願いです。

僕の場合、演奏活動プラス、バークリーで教えたり、教則関係(演奏能力開発シリーズ)テープレッスン、クリニックも経験ありますから、そこから何か参考になることを毎月少しずつやっていけたらいいなと思っています。

ギターの練習の秘訣、演奏のポイント、アンプについて、トーンの重要性、ライヴについて、アメリカ生活など色んなテ ーマで毎月お話しますのでこれからひとつよろしくお願いします。

”アンプの話その1”
それでは、アンプの話からやってみましょう。特に日本の人は、みんなギターに関しては情報も
テイストも良く、みんな結構良いギターを持っています。特にテープレッスンを始めてから気がついたんですがみんなギターは、生徒によっては僕よりも多く持っています。それはいいんですが(セットアップが良く無いことが多い=これは後に話します。)使っているアンプは、値段的にも持っているギターの10分の1ぐらいの値段でトランジスタが多い。(もちろんちゃんとチューブのいいアンプを持っている人もいますが、、)これはあまり良く無い。なぜチューブがいいかというと、はやりピッキングのタッチとかトーンがいいと思います。これはご自分で体験してください。頭で理解しないほうがいいですね。

僕が思うギターの演奏ポイントは、良いトーンを出す事。それを決定するのは、フレーズとかスケールの知識ではなく、本人の弾き方、ピッキング、タッチ。それを決める(理解できる)のが”アンプ”なんです。なのでギターがうまくなりたいのにアンプがない人? アンプに興味がない人? 僕にとって信じられないんです。何時間もアンプなしで練習しても良いトーンが耳にできなかったら指を動かしてるだけで終わってしまいます。1音でも魅力のあるトーンで弾くことができればギターも楽しくなります。

ちなみに僕の練習用アンプは、フェンダーのチャンプ12(もう作られていない)にセレスチョンの100ワット(コンテストでもらった)のスピーカーです。(88年あたりから)このアンプで練習したからピッキングのニュアンス、タッチも良くなりました。それまではバリバリのきついピッキングでリハでも毎回弦を切るぐらいでした。今だに練習はこれ使います。テープレッスンもこれです。

セッテイングについては、ボリュームが1.5,トレブルが7、ベースが4、リバーブ0です。
なぜリバーブが0?
1、リバーブ入れるとうまくなったと勘違いする。
2、リバーブがなくてもいいトーンが出せること。(僕はいつもヴォーカル、ピアノ、管楽器、ドラムなど、トーンコントロール、リバーブがなくても美しいトーンを目指す)
3、それからリバーブが入るとハーモニックスとかノイズが出ていても気がつかないことが多いから。(それではスタジオの仕事とかで良く無い)
もちろんステージでは味付け程度にかけますよ。

あと練習用のアンプは、10ー20ワットぐらいで十分。12インチ一発が僕の好みですが、あまりワット数が大きいとそれだけチューブも使うのでもったいないと思います。だから個人的には練習用、ステージ用と分けています。今年イケベさんでクリニックした時にDr.Z Amp MAZ-18がとても良いトーンしてました。

僕の生徒には、”借金しても今アンプを買いなさい”と言っています。そうする生徒はやはり上達が全然違いますね。アンプ、アンプ、アンプが大事なんです。もちろん日本は住宅状況の問題がありますが、小さなボリュームでいいからアンプから鳴らすことが大事なんです。ギターから”ペケペケ”ではあきませんよ!

今回は、こんな感じです。 少しでも参考になったら嬉しいです。 
次回は、ステージ・アンプについて話します。
何か感想、ご意見があれば僕のほうへメールください。
トモ藤田

トモ藤田のWebsiteはこちら