第9回:ライヴしかないで!
今回は、ライヴの演奏の話をしましょう。ライヴの経験は、1回のライヴで何十時間いや1ヶ月ぐらい練習したのと匹敵するぐらいの効果、威力があると思います。でもこれはライヴすることだけではなく、もちろんライヴを見る事からもいっぱい学ぶ事ありますね。ですからライヴが自分のバンドとか実際にできなくても良いライヴをたくさん見て、その場でしか経験できないサウンド、グルーヴなどを体で感じて欲しいのです。もちろん練習も楽器をこなす上では大事ですが、技術的にうまくなることと=楽しい演奏ができることはちょっとちゃうと思います。なので練習の時間とかこだわる人たまにいますがナンセンスです。 僕自身の経験の話をちょっとしますね。僕は京都に生まれ、育ちました。ひとつ隣の道に”拾得”ってライヴハウスがあって子供の頃からココから何か音がするんで興味持ってました。ちょうど僕が中学1年生になった頃から拾得へ行くようになり、いつの間にか拾得でバイトしてる人たちと友達になり、拾得が僕の”遊び場”になってしまいました。とても自然でしたね。 ここでは、いつも塩次伸二さんのバンドを見に行きました。毎月1回ライヴされてて毎回いろんな方とセッションされてました。毎年大晦日はウエストロードのホトケさんや山岸さんのセッション見に行ったり。ここで発見したんは、山岸さんがセッションで" Take the A train”弾かれてそれまでは山岸さんのことブルースギタリストとしたイメージが強かったんですが、ジャズっぽいこともかっこいい、大事やなとこの大晦日のライヴで学びました。 伸ちゃんのライヴでもいっぱい曲、コード、フィール、ソロの盛り上げ方、ブルースの奥の深さを学びました。もっとラッキーなことに去年日本で伸ちゃんとライヴツアーをさせて頂き、これは今まで憧れのギタリストと一緒にステージに立てたことが今だに凄い経験になりました。グルーヴにしてもこれだけ”アメリカ”のサウンドを感じるギタリスト、素晴らしいと思いました。 今だに印象なのは、京都のラグでスロー・ブルースを弾かれた時、僕のソロの後、伸ちゃんのソロとなり、僕はニコニコしてコンプしながら見てましたが、伸ちゃんが椅子から腰を上げて1音キューンってベンドされたらもう誰も勝てない凄いもんがありました。1音で”水戸黄門効果” この他にこの頃京都には、イタチ、ジャマイカ、レイダウンとか京都には、ファンク、ソウル、ブルースがあったんで僕にとっては凄い経験となりました。もちろん僕自身ギター好きなんで練習しましたが、でもオーデイエンスとしてのライヴ体験があってこそ今の僕が存在すると思います。イタチは、宅間さん(今の僕のマネージャー)にもカールトン、クルセイダーズ、アース・ウインド&ファイアーとか、ファンキーなギターいっぱい教えてもらいましたし、バンドを友達とおっかけてて、こんな僕でもかわいがってもらったし、そういう関連がまた良い影響頂いたと感謝しています。これも話すと長いですが、また後に話したいと思います。イタチの後、僕は86年にボストンへ宅間さんは、トップスとしてメジャーデビューされて(これもホント凄い!)でも10年後なんと京都で再会しました。(これまたラッキー!ほんと幸せ!) ライヴのポイントは、演奏する側とオーデイエンスのコミュニケーションです。僕自身の経験から伝えると、ライヴ会場で音だしする時とライヴ会場にお客さんが入ってるのは全然違います。これ当たりまえですが、この時点で1音弾いただけでもそれがお客さんに伝わって、それが何らかの反応となって僕に、またバンドに返ってきます。要するにエナジーオーデイエンスからを頂くのです。ですから僕が弾ける実力はそこそこでも(10としたら)、オーデイエンスの反応で自分の演奏が20ぐらいにジャンプしてしまいます。ライヴの楽しみは、その場でないと出てこない事、弾けない事、思いつかないことが、ライヴによってドンドン生まれます。ほんまライヴ好きです。まとめますと、演奏者が弾く、オーデイエンスの反応、エナジーもらい演奏が熱くなる、これが繰り返しとんでもない状態になる(良い意味で)。人生が豊になる。 僕のバンドは、今トリオで毎回同じような曲もやりますが、その日によってイントロを変えたり、テンポ、ソロの長さ、流れも変わります。これは裏ライヴテープとか聴いてもらうとよく分かりますが、このジャム的な要素も好きです。反対に、楽曲として演奏する場合と、何もないとこからいきなりジャムやって始めることもあります。もちろんある程度ネタがあって、コミュニケーションもできないと電車が脱線しますが、僕のバンドでは後半のセットでこれよくやります。何が起こるか分からない楽しみがありますね。ブルースとかやと3つコードがあるんでそれを弾くと一応フォームになって、、、なんとかなりますが、まあその反面ある意味ブルースでハプニングさすのは難しいですが。話がずれましたが、ジャムは、僕は”1発もの”好きです。この世で一番難しいコード進行と僕は思っています。なぜなら進行はひとつなんである意味、何かモチーフ、関連性がないと、いくらたくさんスケール弾いても面白くないと思います。でも言いたい事がはっきりしてたら、マイナーにもドミナントにも自分で変えられるのでこんなに自由なグルーヴはないですが。 で今思うと最近はギター、バンド、音楽やっててネット、CD、ダウンロードなど情報が豊富すぎて良いような悪いような(これについては次回書きましょう)便利すぎるとある意味よくないような。昔のようにレコードがあって、ライヴがあって。レコードで聴いたらそれをライヴで見たくなる。ライヴで見た音楽をレコードで聴いてみたい。僕のいいたことは、練習ばかり考えないで、もっと外へ出る、ライヴを見て影響されて欲しいです。このライヴからの(演奏だけではなく見る事も)影響は、情報や知識とは違ってずーっと一生自分の体の中に残りますから非常に大事です。大きなアーテイストもみんな演奏経験よりもコンサートやライヴの行った経験があります。なのでこれしかないです。カラオケ、自宅多重録音、マルチエフェクト、ライン録音とか何でもすぐにプラグインして音が作れるような世の中になりましたが、僕にとっての音楽、ギター、良いト−ンは、生のトーン、ライヴのサウンドです。 録音でもスピーカー・シュミレーター使ってラインの録音がポピュラーになってますが、これはいくらやっても”高級インスタントラーメン”にすぎないと僕は思います。もちろんそれでもいい人は、それで良いと思いますがそれに頼るにしても本物のラーメンの味=ライヴのサウンドを知って頂いてから、、、、そのような手段もオッケーやと思いますが。話があれやらこれらになってしまいましたが、世の中には、ほんま良いものがいっぱいある。もっと良いもの経験して欲しいということです。それから”ライヴ”です。生きた音楽、言葉では説明できない事です。CDとしてのスタジオ録音の音源とは違う、スタジオ録音では表現できないもんです。(これもまた話したいトピック)これからも僕自身、ライヴの演奏を大切にがんばっていきたいです。 今年は日本に行けませんでしたが、来年は、自分のバンドを連れて行きたいなあと思っています。最近は、サマンサのダンスの先生なんですがタップ・ダンスとのデユオをやったり、ギターのスラップで全部ユニゾンでやったり、ブルース・シャッフルやファンキーなグルーヴも全てインプロでやったりもしています。ポータブルのダンスフロアを持っていってライヴやってます。ちょっと変わっていて面白いですよ。やはりリズム、グルーヴの奥深さは、凄いです。是非ライヴへ来てください。 PS. 日本にお住まいの方、今月の宿題です。塩次伸二さんのライヴ行きなさい! 通信レッスンの生徒さんとのやりとりです。 Sさんからの感想。 先ずは前回レクチャーの感想です。 2.Little
Wingを弾いてほしい 3.エフェクター(Wah
Wah Pedal)について 次回レクチャーのリクエスト トモからの返事。 今回、弾く事以上に聴くことの大切さ、難しさが分かって頂いて嬉しいです。聴くという動作はでれでも聴くことできますが、それをどうやって?効果的に? このポイント大事ですから、また詳しくやりますね。リトルウイングだけでなく曲は、生き物ですから生きた演奏ができないと僕は弾きたくないのでいつも集中力を大事にします。僕もこの演奏は自分で作ったものではなく人の影響によって作られたイメージですから同じように探されると良いです。自分なりに解釈というより人の影響によりそう自然にさせられ(もちろんそれを探る努力あり)ワウは、これまた弾き方次第で大違いです。また詳しくやりましょう。 レクチャーのリクエスト了解です。よく考えてからまた作ります。ジョニーのトランスクリプションのプルーフやってて思いましたが、彼はトーンによってヴォーカルのような響きでポジション選びますから、弾きやすいとか、これがスタンダードとかないです。ですからタブ譜をチェックするの大変でした。ジャズは、やはりコード、ヴォイッシングです。ちょうどジム・ケリーのコード、ハーモニーが理論敵なこと実際の演奏でやった演奏能力を先日制作したとこです。これが”答え”のような便利なDVDです。例えば、6音のコード、5音のコード、4音のコード分かりやすく全て使えるジャズのコードリストアップされて、また曲にもなってて今までにないものです。もちろんジャズフレーズやってもいいですが、ハーモニーが聴こえないと全く無駄というかフレーズを丸覚えでそれがもし違うキー、ポジションになると全く弾けない状態になると思いませんか? フレーズをさっさっと覚えると簡単なんですが、ジョー・パスのように自由に後々弾けないんで、てっとりばやくやるとそれなりに後で返ってきます。 ポイントは、ジャズはハーモニーです。それが把握できるとその弾きたいフレーズがハーモニーに影響をされて自然に弾きたくなるんです。今回のレクチャーもお任せください。 |
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