2002年6月14日
第9回『号泣アルゼンチンの明日はどっちだ』
5月31日に始まった2002年FIFA WORLD CUP、もう間もなく終了ですが(このコラムが掲載されている頃には終わっているかな?)、サッカー好きなワタクシは、今回の問題になったチケット販売に苦労しながらも、なんとか生で観戦することが出来ました。
それは6月の12日、所は宮城のスウェーデン アルゼンチンです。
アルゼンチンは今回、フランスと並ぶ優勝候補であり、代表選手も欧州で活躍するスター揃いであります。坊主頭の司令塔ヴェロン、ストライカーのバティストュータ、ベッカム殺しのシメオネ、ドリブル命のオルテガ、次の世代の中心選手になるであろうアイマール、24歳にどう見ても見えないサムエル....等々、キリがないのですが、とにかくこんな面子はなかなか見れるもんじゃあ無いい、と様々な試合の中からアルゼンチン戦にターゲットを絞った訳です。
勿論どのチームも見たいこたぁ見たいのですが、そんなにうまいことは行かなかったので。あっ、スウェーデンにも94年のアメリカ大会で目立ってたラーションや、イングランドのアーセナルというクラブで有名なリュングベリ(稲本選手の同僚でしたね)等がいます。
当日は朝8時頃に家を出て、東京駅にて東北新幹線に乗ったのですが、東京駅の新幹線ホームは既に観戦に行く人達で一杯でした。どのように一杯かと言うと、3本先の新幹線に乗ろうとする人の列が出来ている(自由席利用の人が多数の為と思われますが)状態。そして、アルゼンチンサポーターとスウェーデンサポーターの割合的には、スウェーデン人によるスウェーデンサポーター45%、日本人によるスウェーデンサポーターが5%とアルゼンチン人によるアルゼンチンサポーターが10%、日本人によるアルゼンチンサポーターが40%という感じでしょうか。アルゼンチン人は自国の状況によりよほどの余裕のある人、もしくは日本在住のアルゼンチン人という実情だと思われます。
10時過ぎの仙台方面行き新幹線に乗ると、車内ももワールドカップ観戦の人
85%、お仕事の出張であろう人10%、その他東北方面にて何らかの用事のある人5%という内訳にて、そこかしこから本日の試合に関する話題等がもれ聞こえます。
2時間弱経った頃に仙台到着、そのまま地下鉄に乗り換え泉中央という所で下車、競技場までのシャトルバスに20分程揺られ、宮城スタジアムに到着。ちなみにこの道中、宮城からはほとんどスウェーデンのナショナルカラーの黄色と青の人達と一緒でしたが、このスウェーデン人達は年齢的には、おっさん連80%、若者連20%という割合でしょうか。まぁどの人達も陽気に応援歌をでかい声で歌っておりました。きっと長期の休暇を取って極東の島国にやって来たんでしょうなぁ、良い感じです。
でもワタクシはアルゼンチンを応援していたのだ。アルゼンチン代表って実は大して応援していなかったのだけれども、「強いチームの良いサッカーが見たい」という命題のもとに観戦することにしたので、悪いがスウェーデンチームは応援していなかったのです。
この4年に一度の世界的な祭典というか国の威信のかかった大会、もう78年のアルゼンチン大会のからTV観戦しだしたたワタクシにとっては、なにやらえもいわれぬ興奮です。「この目で歴史を見るのだ」と多少大げさに心の中で呟きつつ、曇天の下、競技場ゲートをくぐり会場入り。
試合開始30分前のスタジアム内はすでに盛り上がっております。
そしてキックオフ.....試合のレポートじゃぁ無いので経過については詳しく書きませんが、前半から圧倒的にボールを支配し、攻め込むアルゼンチン。対して堅い守備からのカウンター攻撃を狙うスウェーデン。両者決定打の無いまま、前半終了。後半早々にスウェーデンがフリーキックから1点先取、攻めるアルゼンチン、決められないアルゼンチン、あせるアルゼンチン、何故か1試合も出ないままベンチでレッドカードを貰う往年のスター・ストライカーのC・カニーヒア、切り札クレスポ投入のアルゼンチン、そんでも点の取れないアルゼンチン、不調の司令塔ヴェロンも投入のアルゼンチン、やっとPK貰ったアルゼンチン、なんとか1点返して同点のアルゼンチン、引き分けではグループリーグを突破出来ないアルゼンチン、因縁のイングランド戦を引きずるアルゼンチン、ロスタイム3分のアルゼンチン、主審の「ピーッ!」でがっくりりアルゼンチン、こんなはずじゃぁ無かったアルゼンチン..............号泣バティステュータのアルゼンチン、
合掌アルゼンチン...........。
負けてしまいましたアルゼンチン。おフランスと並んで、まさかの予選リーグ落ち。もう散々話題になっていますが、今回のワールドカップは史上稀にみる異変続きです。まぁ異変といっても、起こるべくして起こった異変ですが。ヨーロッパのクラブチームの過密日程、開催地域の特異性(初めてのアジア開催という)大会日程の前倒しによるヨーロッパで活躍する選手の体調維持の失敗等々、かなりの無理があったのもまた事実。
そして、ここへきての審判問題....。
そんなことを言ってもこれを書いている時点で残っているドイツ、ブラジルは立派ですな。はたしてこのちょっとへんてこりんになってしまった大会の覇者はいかに?
このスウェーデン アルゼンチンを観終わり、かなりガックリきたままスタジアムから仙台に戻ったのですが、仙台まで来たのだから帰りには「牛タンでも食って帰ろう」ということになりました。帰りの新幹線を待つ間に、ということで駅ビル近辺で牛タン店を探したたのですが、皆考える事は同じだったようで、行きの東京駅で新幹線を待つがごとく、牛タン店の前はどこもワールドカップ帰りの人々の長蛇(ちょっと大げさですが)の列。並んで待つ時間も無いので比較的空いているお蕎麦屋に入りました。ここもワールドカップ帰りの人が沢山いましたが、蕎麦屋に多数の、恐らくスウェーデン人と思われる人達がいる状況はそれはそれで面白かったです。
さて、音楽的な事についてなにも書かないのもなんなので最後に。やっぱりワールドカップがらみですが。今回、色んな国の国歌を聞く機会があったのですが、個人的にはセネガルの国歌が一番面白かったです。アフリカ音楽特有のリズム面が強調されているわけでは無いのですが、その旋律はやっぱりアフリカ音楽でした。南米の各国は大方が植民地時代の名残のマーチ調といった感じであり、ラテン風味はあっても国民性がそれほど反映されていない様でした。そして、ドイツやロシアといったスポーツ大国はさすがに聞く機会が多い為、真剣に聞いたことが無いのに耳慣れています。
我が日本は?「君が代」には賛否両論ありますが、こうして各国の国歌を聞いてみると、かなり特異です。大体において、基本をなすリズムが見当たらないですし、その旋律も起伏があるのか無いのか、と思ったら盛り上がったりして、「つまんない曲だな」と思っていたけど、ちょっとつまりました。何だ「つまる」って?そして日本代表、次のドイツ大会はもっと上に行けるぜ!
てなわけで今回はこれにて。
投稿者 admin : 08:50