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2002年4月25日

第7回『ネイチャースペシャル・座間味にザトウクジラを見た』

先日、休暇を利用して短い間でしたが沖縄の座間味島に行ってきました。
今回の目的は冬場にこの慶良間近辺にやってくるクジラを見ることだったのですが、事前の情報によると、今冬は例年よりも暖かい為か、クジラがやってくるのも早ければ、去って行くのも早いとの話。はたしてクジラは見ることができたのであろうか.....。

出発したのは3月18日。朝10時頃の飛行機にて那覇に向かうため、家を7時くらいに出る。今回はリムジンバスを使って空港まで行くので、交通事情等を考えると、この時間に「行ってきます」するのが安全なのだ。(ちなみにバスに乗ったのは新百合ヶ丘という、神奈川県の小田急線の駅です)沖縄に行くのは2回目のワタクシだが、前回はこの出発時に駅に財布を落とすをいう、とんでもない事件を起こしており、何かと慎重になるのであった。(詳しくは自身のHPに事細かに書いてあるので、気になった人は見てください)そんな尻のポケットを気にしつつの空港までの道のりは、無事になんのトラブルも無く、お昼頃には那覇空港に到着、そこから泊港という所に移動して、フェリーにて1時間の座間味に着く。今回、財布はしっかりワタクシの尻ポケットに収まっておりました。

さて、到着してみると時刻は既に15時頃になっており、その日は結局何もする事が無いので、宿泊先にて早起きしたツケを払うべく、お昼寝、さらに夕食、そして明日のクジラ見学に備えとっとと寝るのでありました。やはり旅の疲れがあるのか、いつもは夜中遅くまで起きているという音楽屋の悪しき習慣もなく、あっという間に寝付いた初日でした。勿論テーブルの上に置いた財布の無事を確認したのはいうまでもありません。

翌日、クジラを見に行くに当たっては、なにぶん自然環境に支配される事なので、天候、あるいはクジラの出没状況(クジラを島の高台から見つけて出航している船に知らせる、というシステムが確立されています)に左右されるのですが、これは宿のスタッフからの連絡待ちということになっております。つまり、我々クジラ見物人達は、宿泊している部屋にて一応、何時頃には船を出すという目安は知っておるのですが、クジラ出没の事実確認が取れるまではひたすら待機しかないわけです。と、常識的にというか状況を説明しておりますが、実際の所、座間味島はそんなに広い所でもなく、出歩く所も限られているので、携帯電話に「クジラ見に行きますよ」と連絡が入れば、急いで宿に戻ることで、大丈夫だったりするのです...。

よって、その時もクジラ舟が出るという連絡が暫く来なかったものだから、ちょっと散歩するか、といった状況で、いきなり「クジラ出ました」の連絡、慌てて集合、出発でした。慌てると良くない事が起きるものですが、港から船に乗りこむ時に財布を落とす事もありませんでした。宿所有のボートにて一路クジラ君達の現場へ20分程でしょうか。以前、ハワイ島にてクジラを見に行ったことがあるのですが、その時を思い出しつつ、辺りをぐるり360度見渡します。クジラ君達を見つけるには、ブロウと言う、所謂「塩吹き」を発見すればいいのですが、船酔いしないかという心配のもと時間がマッタリと過ぎて行きます...。

15分位経ったでしょうか、やがて遠めにシュワというカンジに飛沫が上がったのが見えました。クジラ君の登場です。彼らは塩吹きと共に一回浮上すると、その背中を見せる行為を3回か4回繰り返し、また深く潜るという行動を繰り返すのですが、その間に運が良いとブリーチといったジャンプするような動作やテイルスラップといった尾びれを打ち付ける動作などをサービスしてくれます。これらを、クジラ君達は個々の個体によって異なるのですが、この浮上して塩を吹いたりする行為を大体15分から20分位の間隔で繰り返します。ほとんどの場合はこれらを100m程の距離で見ることが出来るのですが(発見してから船を近づけても5分程でまた潜行するのであまり近くで見ることは難しく、クジラ自体を脅かさない為、あまりに近づく事は禁じられてます)、しかし運が良い場合は(予想に反してとても近くに浮上してきた場合)は直近に見ることが出来ます。

そして、この日も運が良かったのか最後の最後に彼ら(2頭で出没してました)が船から10m程のところに浮上、その塩吹き穴(人間で言うところの鼻の穴ですが)をしっかりと拝ませて頂きました。突然の近場への出現、しかしそれにうろたえ、水中に財布を落とす事はありませんでした。

さて、クジラの見物には、この視覚的な鑑賞の他にクジラの鳴き声を聞くというものもあるのです。それは水中にマイクを落として海の中の音を聞くという事なのですが、まさに「クジラの声」という、CDショップのヒーリングコーナーにあるような音(声)を聞くことが出来たのです。この時のクジラの声は「孤独な野郎クジラの嫁さん募集」というなんだか寂しげなものという事でしたが、そんなこたぁ知ったこっちゃない我々にとっては未知なる神秘の音でした。この時、残念に思った事が一つ。それはせっかくDATのポータブルデッキを持って行ったのに、ラインのケーブルを持って行かなかった為に、水中マイクからラジカセを通して聞こえる、クジラの声を録音できなかったことです。最近はフィールドレコーディングにも興味を持っているので、これは痛かったっすね。代わりに陸に上がってから山に行き、キレイなウグイスの声は撮りましたけど...ウグイスの声なら、沖縄じゃなくても録音できるって。ちなみに山で財布を落としてしまう事もありませんでした。

そんなこんなで、この座間味にいる間、一緒に行った相方はダイヴィングなぞをやりますので、マリンスポーツを満喫していたのですが、ワタクシは3回も船に乗ってクジラを見に行ってしまいました。

クジラを見に行っただけです...ちょっと泳ぐにはまだ水が冷たく、特に気合入れてやることも無いのですが、無いなりにクジラ見に行くか、昼寝するか、浜をぶらつくか、山に登って夕日を拝むかといったユルユルの贅沢な時間を過ごすにはもってこいの数日間。冬から春先の沖縄もいいもんです。もう時期的にクジラ君達は違う海域に去って行いきます。また沖縄近海にやってくるのは冬まで待たないといけないのですが、滞在を終え座間味の港を後にする時に、「また会おうぞ、クジラ君」と心の中で呟き、お尻のポケットに収まっている財布をズボンの上から撫でて確認したのはいうまでもありません。

余談、写真に関してですが、大抵の場合クジラ君がどこから浮上してくるかわからん為、よっぽど運が良くないと見事なクジラ君の写真はゲットできません。おまけにワタクシが持って行ったカメラが望遠といったものも付いてない、連写も出来ないアナログなカメラなので、こんな写真しか撮れませんでした。矢印の下に尾びれ
が......迫力ねぇ~

kujira.jpg

 

 

投稿者 admin : 08:43