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2006年02月16日

ギタリスト、Jon Herington

皆さん、こんにちは。

このブログを書いている3日前の2月12日、さて何の日でしょう。答えはニューヨーク市で観測史上最高となる積雪68センチを記録した日なんです。それまでは1947年12月に記録した67センチが最高記録だったそうです。本当に凄い雪でしたよ。札幌の両親も24時間以内で68センチは凄い降り方だねって言っていましたから。JFK、La Guardia、Newark、ニューヨーク市&近辺の主要エアポートが全て閉鎖になりましたし。2月の後半にトモ藤田さんとWill Leeと1曲目だけ(現在制作中の僕のCDの1曲目にあたる曲です)レコーディングする予定ですが、Willとスケジュールの打ち合わせをした時に、2月の後半の日取りと、実は2月13日もOKって言う返事をもらっていたんです。それからトモさんと話し合って2月の後半に決めたんですけど、今考えたら13日にしなくて正解でした。トモさんにボストンから車で来てもらうのも大変だし、道もえらい事になっていて、機材の搬入、搬出も大変ですからね。かと言って、2月の後半のレコーディング当日、天気が良いなんてどこにも保証はないんですけどね(笑)。雪が降らない様に祈るのみです。それにしても、この冬のニューヨークは凄く暖冬で、全然冬らしくなかったんですけど、いきなり今回のこのストーム。かたや日本は凄く寒いと聞いていますし、世の中いったいどうなっているんでしょうね。

先ほど、これから1曲目をレコーディングと書きましたが、CD全体的には8割方完成の域に達して来ている感じです。殆どの曲は録り終え、現在そのミックス作業に入っている状況です。エンジニアの畑亮次さんのスタジオでミックスしてもらい、1曲毎、または数曲まとめてミックスが出来上がったらその都度確認しに行き、細かい修正作業を行う日々が続いています。凄く神経を使う作業ですが、もう一息です。

2月の後半のレコーディングは、正確に言うとトモさん、Will LeeとCD1曲目のレコーディングと、既に録り終えているCD最終曲のちょっとしたパーカッション、ドラムのオーバーダブも行う予定です。この曲も実はベースがWill Leeなんです。
と言う事は、CDの一番最初の曲と最後の曲がWill Lee。ギタリスト的に見ると、最初の曲がトモさん、最後の曲が小崎仁司さんです。この2人、今でも勿論そうですが、バークリー時代に本当にお世話になった先輩達です。この2人なくして、今の僕のグルーヴ感、ポケットはないと言っても過言ではないんです。その2人がWill Leeと共に僕のCDの最初の曲と最後の曲を飾ってくれる。僕にとっては本当に光栄な事なんです。

さて、この辺で今回の本題に行きましょう。僕のアルバムに参加してくれているもう1人のギタリスト、その名はJon Herington。ジャズからロックまでを幅広くカバーする、東海岸きってのファーストコールギタリストです。

簡単に彼の経歴を述べると、ここ最近のメインの活動は何と言っても、独自の世界観でファンを魅了し続けるロックポップ系アーティスト、Steely Danとの活動でしょう。Grammy-Winning CDにもなった『Two Against Nature』、最新アルバム『Everything Must GO』にも参加しています。また現在のワールドツアーメンバーでもあります。その他ワールドツアー等で参加する代表的なアーティストでは、Boz Scaggs、Bette Midler等も挙げられます。

ジャズフュージョン系の、これまで参加した代表的なレコーディングでは、Jim Beard(4枚のアルバムに参加、内3枚はJonのコ・プロデュース)、Bill Evans 『Escape』 and 『Starfish and the Moon』、 Michael Patches Stewart 『Penetration』、 Bob Berg 『Riddles』 and 『Virtual Reality』、 Lucy Kaplansky 『10 Year Night』、 Michael Brecker 『Now You See It...(Now You Don't)』 、Randy Brecker 『Toe to Toe』、 Victor Bailey 『Bottoms Up』、 Chroma 『Music on the Edge』 (with Mike Stern and others)、Dennis Chambers 『Outbreak』 等が挙げられます。

実はここに述べたジャズフュージョン系のアルバム、僕の好きなアルバムでもあり、殆ど持っているんです(笑)。この中で一番強い印象を残してくれたのが、アルバムではなくビデオのChroma(1991年)です。ドラムが僕の好きなDennis Chambersだったので買ったのですが、ギタリストはMike SternとJon Heringtonの2人が参加していています。映像では、Jonがソロを取っているのに、Mikeのバッキングが映っていたりして(笑)、明らかにMikeの方が脚光を浴びている様に見えますが、僕はJonのギターの方が「良いサウンドしているな」、「カッコいい」と思いました。この頃からですね、ニューヨ−クにはJon Heringtonという素晴らしいギタリストがいる、ニューヨークで活動を始めたらいつか一緒に演奏したいと思い始めたのは。

僕がニューヨークに引っ越して来てしばらくしてから、Jonの生徒とよく一緒に演奏する機会がありました。その後Jonとメールなんかはしていたので、全く初めましての間柄ではなかったのですが、レコーディングの仕事を初めて依頼した時は、結構緊張しましたよ(笑)。作りかけの音源でいいから聴いてみたい、それで何かイメージ出来ればレコーディングOKって言われて(汗)。 早速MP3で音源を送ったら、直ぐにOKの返事を快くもらう事が出来ましたが、内心冷や汗ものでした(笑)。でもそれからはトントン拍子でしたからね。Jonも僕のアルバム制作を心から楽しんでくれたみたいで、そこが僕にとっても非常に嬉しい出来事です。

IMG_0070.JPG
Jonのプロダクションスタジオにて。

今回僕のアルバムでJonには2曲参加してもらっています。うち1曲はアルバムの代表曲で、そこでは2分近いギターソロも弾いています(笑)。もう1曲の方も、Jonを大フューチャーしています。お楽しみに。

Jon Herington。何が凄いって聞かれたら、迷わずセンスの良さと答えます。センスの固まりの様なギタリストです(笑)。タイム感、スピード感、レイドバック感、スイング感、ポケット、トーン、フレーズ。全てがとんでもないのです。
Jonに参加してもらった2曲、最初はギターが入るとこんな感じになるかなって位にしか思っていなかったところ、Jonに
弾いてもらったら、僕がイメージしていた物なんかよりも、遥か彼方、イメージしていた物よりも何百倍も上を行く演奏を
してくれて、その曲を全く違う次元のところまで持って行ってくれました。それはギターソロの話だけではなく、バックに徹している時も然り、全てにおいてです。だからこそ、このニューヨークで、このアメリカで、多くの周りのミュージシャンから絶大な信頼を寄せられているんだなって思いました。素晴らしいの一言です。

現在、Jon Heringtonのサイトの最新ニュースの欄で、僕のアルバムに参加した事が掲載されています。こうやって逆に紹介されると、正直何か嬉しいですね(笑)。

それでは今回はこの辺で。

Takanori Niida Official Website


投稿者 niida : 2006年02月16日 15:57

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