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2007年02月14日

第35回 音楽巫女

皆さん、お元気ですか?
2007年になって初めてのコラムです。
最近の私は、去年の暮れよりはよりずっと元気です。
夕べから今朝にかけてこのコラムを書いていて、
11時過ぎにはハリウッドにオーディションに行って、
今帰宅したところです。
今日はなぜか、乱暴なドライバーがいっぱいいて、
Santa Monica Blvd.を身を守るように走ってきました。

今日は、日本はバレンタインデイですね。
Happy Valentine's Day!
彼氏や彼女がいない人にはちょっと過酷な一日。
でもそれは、2月14日という
日付に対しての”アイディア”が
頭にこびりついてしまっているからですよね。
日本は義理チョコというのがあるので、
もしかしたら、こちらよりは打撃が少ないかも。
でも、義理チョコももらえなかった人は、
もっと傷つくのかな?
アメリカのバレンタインは男女関係なし。
それぞれが、大切な人にプレゼントをあげる日です。
私も今ボーイフレンドいないけど、
ドリュー バリーモアも、
キャメロン デイアズもそうなので(笑)
あまり気にしていません。

さて、ここからは夕べから
こつこつと書いていたコラムの内容です。

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音楽巫女

私は本当に気分が向いた時に、
本当に聴きたい音楽しか聴きません。
特に車の中でラジオの音楽番組はかけません。
なぜかというと、ノイズが非常に耳について
せっかくの音楽が台無しだからです。
それに、私の耳はとても敏感で、
ストレスがたまると真っ先に痛くなります。

我が家には、もうすぐ17才になる
二卵性双生児の息子が二人。
私は1996年からずっと
Divorced Single Mother
(バツイチシングルママ)としてやってきました。
親権は元夫と50/50なので、
彼らは週の40%はあちらの家で過ごしますが、
ここにいる時間の大半は、
彼ら自身が何らかの音楽を演奏しているか
(彼らはマルチに楽器をこなすので)、
何らかの音楽をかけているかなんですね。
私は今まで、二人のミュージシャンと
一つ屋根の下で同居した経験がなかったのですが、
これが想像を越えるしんどさ。(笑)
しかも我が家はあまりしきりのない
小さなコージーな家なもんですから、音は全部つつぬけ。
私の機嫌のいい時は、
"Can you pleeeeese play it a little quieter?"
(お願いだから、もう少し低い音量で弾いてくれないかなあ。)
ご機嫌斜めの時は、
"Shut Uuuuuuuuuup" (静かにしろーー!!!)
という具合になる事もしばしば。(笑)
もう、マジでサバイバルモードに入ってしまいます。

私はベッドルームにメガホンを置いてあります。(笑)
ちゃんと電池の入ったメガホンです。
繰り広げられる音の洪水に耐えられない時は、
自分のベッドルームのドアをきっちり閉めて
しばらく待避しています。
そして最近は、彼らと大きな声で会話する事を
なるべくひかえているので(喉のために)、
メガホンで話しかけるようにしています。
(彼らがあまりにもうるさい時は
数秒サイレンも鳴らすので(笑)、結構これが笑えます。)
彼らの友達が遊びに来ていた時にそれをやったら
"Mom, are you crazy?"
と慌てて止めに来ました。はははは。

彼らは、(これは私が親だから
言っているのではなくてですね)
ヒジョーーーーに音楽の才能があるのです。
どんなジャンルも行けます。
二人ともパーフェクトピッチの持ち主で、
(だからといって、パーフェクトピッチじゃない人よりも
才能があるという事では全然ないですよー。)
私が自分の曲を、
オリジナルじゃない調で鼻歌したりすると、
すぐに指摘されたりしてこれが面倒くさいのです。
(るせい!!)という感じです。(笑)
彼らの創作する曲達は、私が
”ブルーベリージャム、ブルーベリージャム!!”
と作り歌っていた17才の頃の曲達に比べると、
遥かに大人びて、楽曲として素晴らしくまとまっている。
しかも、次から次へとですね、泉が湧くように曲を書くのです。
”急がなくていいのよ〜〜〜〜。”とかって言うんですけどね。
”マム、次は何を題材にして書いたらいいと思う?”とかって
2、3日曲を書かないと話しかけてくるんで、私は
”書こうとしないでさ、空から降って来るのを
受け止める準備をしていればいいんじゃないの?”と言います。

数年前に、ラルフ アリスン先生という
心理学の権威とお話ししていた時、
彼は私にこう言ったのです。
宇宙には巨大資料室のようなものがあって、
その時々に必要な芸術や情報は、
うまいタイミングで空から下りて来る事になっていると。
それを受け取って形にしているのが、私たちのような
アーティストであって、実はその詩やメロディーは
ずっと以前に(何世紀も前とかに)
違う形で存在していたものである、と。
だから、私が書いている楽曲達は、
100%は私の作品ではないのだと。
最初これを言われたとき、私は正直、
自分の自信やプライドを傷つけられたような
そんな気持ちになって、しばらくむくれてしまいました。
でも、彼からのメールを何度か読み返しているうちに、
自分のおごりに気が付いたのです。
世の中における自分の役目が変わったわけでは全然なくて、
それこそが私が子供の頃からやって来た事。
ある瞬間に突然ふわっと湧いて来る言葉や
メロディーを受け止めて、それを元に曲を形にする事。
それは自転車をこいでいる時だったり、
トイレットボールを磨いている時だったり、
予期せぬ時に起こります。

なので私の作品達は、
宇宙との共同制作と言えるのかもしれません。
そう考えたら、
逆に自分の役割がとても大切に思えて来て、、、。
なので、心はできるだけ、
Noise Freeに保っておきたいのです。
人生うまくいかない事が続いて
辛かったり苦しかったり、
逆に恋をしている時は、
平均値をはるかに上回って嬉しかったりはしゃいだり(笑)、
そういう感情の起伏はもちろんあるのですが、
でも、何があっても、
完全に自分を見失うような状態には
陥らないように努力しています。
そうじゃないと、
せっかくのキラキラを受け止めはぐってしまいますもの。

しかし、そろそろイイジマも、
互いの空間を尊重し合いながら、
安心して甘えられる人と出会いたいです。
一人でがんばりすぎちゃったから。(笑)
心のあちこちに筋肉がついてしまったので、
今、それをほぐす作業をしています。
柔らかい人でいたい。優しい歌を歌いたい。
それが今、自分に対しての願いです。

子供達も、あと一年半ほどで大学生となり、
私の予感では、どこかイーストコーストの大学に
行くのではないかな。
これまで、自分が選択した人生の
チョイスにカジをとられながら、
Ups & Downsを繰り返しここまで来ましたが、
あとちょっとで第二(もしくは、
もう第三くらいかも)の人生が始まります。
(アメリカは、子供達が18才になったら
自立というのが基本的な考えです。)
さて、私はどこに行くのでしょう。

昨日でしたか、ふと新しいバンドを見つけました。
(Sorry, JET!! ちょっとだけ浮気しちゃった。)
The Feelingという U.K.バンドで、
音の鳴り方がすごく良い感じ。
Oasis、そしてもちろんThe Beatles。
それから、SqueezeやCrowded Houseの影響なんかも感じます。
"Sewn"という曲ですが、これはいわゆる
”サビがない”タイプの曲で、
実はイイジマはもし許されるのなら、
サビのない曲ばかりを書きたいタイプです。(笑)
Snow Patrol の "Chasing Cars" もそうだった。
私の曲で言うと、”しばらくは- For A Little While-”とか。
はっきりしたサビのない、
淡々とした曲の流れの心地良さというのが、
私は好きです。

ところで、Andy & Ryan のバンドサイト覗いてみます?
曲達はまだ、全くのデモですが。
イイジマはアマチュアエンジニアとして協力しました。
DPと、しばらく使わない間にホコリついちゃった
16チャンマッキーで。
(ドラムは一発で、しかもカーペット部屋で
一本のマイクで彼ら自身がLogicを使って録音したので、
重箱の隅をつつくようには聴かないでね!)
RedRobot Myspace

最後に。
私が元気を取り戻した理由のひとつ。
ビクターエンターテインメントが、
私のデビューアルバム”ロゼ”から
4枚目”キモノ ステレオ”までを、
完全にリマスターして
限定紙ジャケット盤でリリースしてくれた事。
ビクタースタジオの"FLAIR"という
マスターリングチームのエンジニアの皆さんが、
1枚ずつ、大切にマスターリングしてくれました。
音のきめ細やかさに心打たれます。

今回、森谷さんというディレクターさんが
本当にがんばってくれました。
学生時代に、私の音楽をリアルタイムで
聴いて下さっていたそうです。
それぞれのアルバムに対しての
マスターリングエンジニアの選択に、
プロデューサーとしての才能が光ります。

アメリカのファン達からも続々と感想メールが届いています。
ハワイに住むスコット君より
"Rosé, Blanche, Midori and KimonoStereo all sound just awesome...
I've now heard things I didn't even know was there previously!
(今まで存在に気付かなかった音まで全部クリアに聴こえて、
全貌が初めてつかめた!)”

アナログ、もしくは当時のCDを持っている人も、
是非聴いてみて下さい!

そして、3月7日には、
同ビクターから”Palette パレット”という2枚組ベスト盤と、
ビクター時代の映像を収録した2枚組DVD
”Collageコラージュ”も発売になります。
これらも全てリマスターして頂きました!
月日が流れた今でも、
こうして私の作品達に興味をもって頂ける事、
本当に、感謝の一言につきます。

続々と、日米ライブスケジュールも出て来ています。
日本へは、ゴールデンウイークに戻ります。
これはアニメ関連のイベントですが、
大先輩の水木一郎さんが
”一緒に仕事をしましょう。僕がお守りします。”
と白馬の騎士のように(笑)
毎年イベントに誘って下さって。
そろそろ、水木さんにオーケーを出して
恩返しをする時期!と思い
帰国を決めました。
「スーパーロボット魂2007“春の陣” 」
日時場所:4月29日(日・祝)  
開場17:00 開演18:00 東京 お台場 Zepp Tokyo
「スーパーロボット魂2007“大阪 春の陣” 」
日時場所:5月5日(土・祝)  
開場16:00 開演17:00 大阪 なんばHatch
出演者多数。その中の一人として2曲歌います。

本格的な日本でのライブは、来年の頭を予定していますので、
それまで辛抱強く待ってて下さい!
それでは今日はこの辺で。お元気で!

2月12日&13日 2006 飯島真理
Mari Official Site
ニューアルバム”アンコンプロマイジング イノセンス”
DDCZ-1400 Marimusic/BounDEE
(日本では1月24日に発売になりました!)
担当 渡邊さん!超がんばってくれてます。(^^)V
Mari Myspace
ビクターからのリリースも視聴出来ます。
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二人のリハーサルを見守る私。うるさい事は言わないけど、
基本的な事は教えます。例えば、リハ中にとても
速いテンポで演奏を始めたら、”本番になったら
もっとテンポが速くなるに違いないから、
落ち着いた気持ちでカウントを出した方がいいよ。”とか。
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カートにスーツケースを乗せたのも、押しているのも私。何たる事!!

投稿者 mari : 2007年02月14日 06:40

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