« 第5回 Gwen Stefani tour - Germany, London | メイン
2006年03月27日
第6回 : Gwen Stefani tour - London, Paris
ロンドンでの滞在中、3人の日本人ダンサーの内2人がイギリスにあるアメリカ大使館で、アメリカ用ワーキングビサの申請をしていた。もちろん グウェン のマネージメントかレコード会社かが、スポンサーについての申請で、取得について何も心配はなさそうな感じだった。問題は、大使館へ申請に行った時に『それではビサがおりるまで一時的にパスポートを預かりします。』と言われた事で、パリに移動するまでに、新しいビサがおりてパスポートが帰って来るかが焦点だった。大使館の人間は、『少し時間的に厳しいかもしれません。』と言っていたらしい。不安になる2人にツアーマネージャーのレイは、『大丈夫、大丈夫。心配しなくても間に合うよ。』と全然心配する様子はなく、移動日の当日なってやはり間に合わなかった事を知り、初めて焦り始める。パスポ−ト無しでは、当然国境を越えての移動は無理で、このままでは、2人は本当にロンドンに置いてけぼりになってしまう。他のツアーメンバーがホテルをチェックアウトをして車に乗り込む中、途方にくれツアーマネージャーの指示を待つ2人。
そして無念の出発。結局パスポートが帰って来るのをロンドンで待って移動ということになった。というかそれしか方法が無かったという方が、正しいのかもしれない。
ロンドンからパリまでは、途中ドーバー海峡の下をくぐる特急列車での移動だった。まず車でロンドンの駅へ移動、ここでも空港と同じ様に早めに着いて出発を待つ。とにかくツアーの行程全てに言える事なのだが、急いで、待って、また急いで、また待っての繰り返しなのだ。どっちみち待つ事になるから最初から急ぐ必要は無いのに、なぜか急ぎ足で、駅構内を駆け抜ける。皆の会話の中心は置いてけぼりになってしまった2人のことだ。
特にダンサー4人の内、残りの2人は、もし Show に間に合わなければ、4人用につくってあるダンスの動きをどうやって2人でするか、かなり頭を悩ましたことだろう。
自分も2人残し彼女達と誰も一緒に残った形跡もなかったので、本当は内心心配だったが、落ち込んでいてもしょうがないので、Drum Tech の TS と彼のビデオカメラを使って過激なジョークを行う事にした。その内容とは、、、、
まず駅構内にあるハンバーガー屋へ行き当然メニューにはのってない ライス(白米)を強要。謎の東洋人(自分)が現れ、『エッエックスキューズミー、キャンアイハブ、ホワイトライス、プリーズ?』 と始まり 『What!? Rice?そんなもの置いていません。』と当然の様に言われると、『なんだって!?俺はどーしても米が食べたいんだ。パンなんてもう飽き飽きして見たくもない。サンドイッチなんてクソクラエだ。米を、白い米を食わせてくれー!!』と声を荒げるいうもので、相手も負けずと 『そんな事言われても置いてない物はありません。』 と声のトーンを上げると 『なんだとー? 全然話しにならん。マネージャーはどこだ。今すぐ店長を出せー!!』 と叫び始めている所を担ぎだされる。というなんとも乱暴なシーンの一部始終を TS のビデオカメラに納めて立ち去るというものだった。TS がそれを後ラップトップコンピューターのファイナルカットで編集して音もつけて、ツアーの後半、ツアーバスの中で上映して楽しんだりした。(馬鹿だね。)この撮影で少し気が晴れた。(お店の人達ごめんなさい。)ちなみにこのジョークの後、映画 Top Gun の "Ice man" ならず "Rice man" というニックネームを自分で考えつき、テック連中に教えた所、皆いたく気に入って、楽屋からステージに向かう時など、皆インカムで、『ただ今 "Rice man" ステージ上手へ移動中。』などと連絡を取り合って、時にはふざけあいながら良いムードの中仕事が出来た。
とにもかくにも列車でパリへ移動。鉄道は飛行機よりやはりリラックス出来る。2時間ほどで到着後、パリの駅から車でホテルへ。ここのホテルは名前の忘れたが、とにかく古く、壁が薄くて困った。隣の部屋では、ダンサーのリノちゃんが大声で歌っている。(相部屋の相棒がいなかったため、リラックスしてたのかな?)逆隣にはキーボードのアンが沈黙を保っている。次の日アンが自分に『あたしの隣あなたの部屋よね?昨日はすごい声で歌ってなかった?』とすかさず文句を言って来る。『いや歌ってたのは俺じゃなくて1つ部屋向こうのリノだぜ。』と訴えたが信じてもらえたかは分からない。他の階でも改装などが行われて騒音がすごかったらしく、FOH のジョンは、『今すぐ部屋を替えてもらえないのなら、ツアーメンバー全員と話して残りの日程全員で別のホテルに移るぞ』とフロントを半分脅迫してスイートにアップグレードしていた。さすが旅慣れてる人は違うね。
そして次の日 Hit Machine という show のスタジオに入る。楽屋のドアに レニークラビッツ の名前を見つける。確か マイケルハンター という知ってるトランペッターが レニー と一緒に演っていたはずだと思い出し、楽屋に挨拶に行くと、『今回は、残念ながらホーンセクションは来てないんだ。』と言われる。しかし以前スネアを彼から買い取った事のあるドラマーのゾロがいたので、その話しをすると向こうも覚えていて盛り上がる。彼が『あーあれは良いドラムだったなあ、、今から買い戻せない?』と冗談を爆発させ、そうこうしてる内にサウンドチェックが始まる。『やはりあの2人は間に合わなかったか。』と思いながらサウンドチェックを終え楽屋に戻ると、そこにはロンドンで足止めを食っているはずの2人姿が。なんと本番直前で到着。『おーっ!!あーっ!!』 と感動の再会にひたっている間も無くダニーロとキャシーが彼女達のヘアー、メイクをあっと言う間に作り上げて即本番。その後で聞いた話しによると、その日の朝一番で再度大使館に行くと、ようやくビサがおり、その足でイギリスでのレーベル、ユニバーサルの人と一緒に列車でパリへ移動。到着後、駅からスタジオにタクシーで直行。という事で今回なんとか本番には間に合ったらしい。その後戻ったホテルで、メニューにのっていた神戸ビーフを楽しんだ。
そしてこの後パリからニューヨークへと移動。ニューヨークではどんな珍事件が待ち受けているのか?
お楽しみに。
Web Site はこちら、http://www.makoto-izumitani.com
ダンサーの4人。この写真の左から2番目マユコちゃんと1番右マヤちゃんが、ロンドンでまさかの置いてけぼりに。
パリのホテルにて。
ホテルの目の前には、ルーブル美術館が。
Drum Tech の TS 。ドラムのセッティングはなかなか覚えられなくて大変だったが、結構神経を使う現場で本番前にこの笑顔を引き出しリラックスさせてくれる。ちなみに昔はこのマスクをかぶり全裸で股間に花火をはさみ火花を飛ばしながらスクーターを乗り回していたのが、ツアーマネージャー達の間で話題になり、それ以来色んなツアーに雇われたらしい。
投稿者 makoto : 2006年03月27日 18:21