2012年4月29日
XOTiC in Asia
韓国(ソウル)、北京、上海、香港、台湾と出張に行った。
(1)XOTiC in Seoul
韓国は、以前IMF介入で国の破綻の危機を経験して以来、大幅に回復して経済成長続けている。加えて音楽、楽器市場では、K-Popの人気などで大企業からの金も流れており、成長を続けている。一方で旧態依然とした古い楽器店、オンラインショップなどができない店はどんどん淘汰されて、市場の勢力地図はこの5年間で大幅に変わった。韓国は商習慣も一機にグロバール化されており、日本だけが取り残されていくのではないかという危惧を感じた。
韓国とアメリカはFTPで合意したので、韓国向けの全てのアメリカからの輸入品は関税ゼロになった。韓国市場でのXotic Pedalの売値も今後下がり、ユーザーも今まで以上に買いやすくなるであろう。一方で韓国製のアメリカ向け製品の関税も撤廃される。韓国メーカーと競合している日本の製造業にとっては、このFTPと、韓国の安い法人所得税によって、ますます日本の国際競争力は低下しそうである。
ソウルの楽器店ばかりが集まるショッピングセンターにもXotic Pedalはあった!
レアなXotic Custom Shopのステッカーも店舗に貼ってあった。
韓国のプロミュージシャンの出入りが多い、ハイエンド楽器問屋。この会社のスタッフはほとんどが機材オタクでXOTiC製品がメインになりつつある。
アメリカのXOTiCユーザー、Andy Timmons, Scott Henderson & Paul Jackson Jr.のポスターは韓国でも大人気!
(2)XOTiC in Beijing(北京)
北京の楽器店が集まる場所を何か所か回った。ほとんどの店が中国製のFenderなど、安物ばかりを扱う店だった。そんな中で、徐々にハイエンドの製品を扱う店が何店舗か出てきている様子も見られた。まだ強力な問屋というものが存在しない様で、ちょっと力のある店舗は自分で製品を海外から輸入して短期安売り合戦するという戦国時代。
Xotic Pedalは何店舗かに並んでおり、そういう店では店員さんもうちの映像を見たり(中国ではYou Tubeが政府にブロックされて見られないので、中国側の同様の映像サイト、YouKuで)、機材に詳しい人がいる様だ。熱く長く機材について語り合う様子と、楽器街の混雑を見ると、正に「昭和」を感じた。もう少しアメリカの音楽を聴く層にまで所得が増える様になっていけば、近い将来大きな潜在需要が見込めると期待が大きく膨らむ。
ただ、中国ではまともにぜいたく品である楽器を輸入すると、輸入関税と付加価値税で高い税率の税金が課せられる。こういうことが、中国共産党の方針次第でころっと突然変わることがあるのが期待反面、怖いところだ。
うちの製品を扱う北京本社のハイエンド楽器問屋。英語は独学で留学もせず勉強した人達。自分より英語は上手く、国際情勢、アメリカのビジネスについても詳しい。こういう若者が中国本土でどんどん増えている様だ。
北京の老舗楽器店にXOTiC Guitarが並んでいた、超高級品だ。
北京の有名楽器店。
北京の老舗楽器店。
XOTiC Pedalも超高級品ではあるが、北京の楽器オタクの皆さんにも知られるブランドになってきた!
(3)XOTiC in Shanghai(上海)
上海は「昭和」だった。今後5年位のスパンで見ると、我々の製品にもかなり大きな潜在需要が見込めると確信した。
レコーディングスタジオ、放送局のあるビルの横にあるプロ御用達の楽器店。オーナーはかなりの機材オタク。Raw Vintage Pickupを大変気に入っておられ、Fedner made in China, Fender made in MexicoのピックアップをRaw Vintageに変えることをプロミュージシャンに勧めているらしい。
偶然若いプロミュージシャンと出会った。自己紹介したら、何とXotic RC BoosterとBBP-MBを持っていて、写真撮らせてくれた。感激 8-)
駅前楽器店。ギター教室の生徒も急増中で、若いギター人口は間違い無く増えている。
駅前楽器店の店長はRaw Vintage Tremolo Springsがお気に入り。在庫が全く無く困っているとクレーム。生産量をもっと上げなければならない。。
上海の楽器店街にある大型店。ミュージシャンも多く訪れる店。
この店にもXotic Pedalは並んでいた。床にガラス張りでペダルをディスプレイしているのがおもしろい。
店の店長と店員さん。楽器おたくで、特にメタル系の大ファン。
上海の夜景、定番。
上海在住の日本人の方にもお会いしたが、日本人にも大変住みやすいらしい。色々なことにチャンレンジしがいのある町だそうだ。ただ上海はまだ人口は増えてもバンドの数、プロのミュージシャン人口は少なく、むしろそれは圧倒的に北京の方が進んでいるらしい。音楽文化がまだ上海は追い付いていないらしい。ただ間違い無く音楽人口急増しているので、ここ数年で大変おもしろいことになりそうだ。昭和の時代に日本で10年かかったことが、この上海では3年で起きそうな予感がする。上海で頑張っている日本人と語り合ったが彼らは大変熱かった。学生時代を思い出した。
中国では、Facebook, You Tube, Googleが政府にブロックされて見られなかった。それに替わる中国語のサイトがあり我々の製品情報、映像などもそちらへも中国語でアップする様にした。ただ見ようと思えば
Facebookなどにアクセスできるサービスも横行しており、中国当局がどれだけ情報の流入を制限しようとしてももはや止められない。大衆の不満を爆発させないためにも、中国政府は経済発展を続けるしかないのであろう。どこでバブルが弾けるのだろうか? 軟着陸できれば良いが。
(4)XOTiC in Hong Kong(香港)
香港ではFacebookもYou TubeもGoogleも見られた、同じ中国でも開放的な場所で別世界。町中が、本土から来た中国人で溢れていた。最近、本土の人達が香港への通行証を以前より簡単に手に入れることができる様になったので、Tax Freeの香港へ押寄せているそうだ。本土では、消費税と付加価値税で楽器や宝石など贅沢品には多額の税金がかかるが、香港で買って持って帰る分には無税。皆目の色を変えて高額製品を買いあさるという光景を目の当たりにした。また、生活必需品、食べ物、薬などについても、本土で買う製品の品質への不信(薬のカブセルやミルクに本土では毒性のものが入っていたとかの事故が多発している)から、香港で買って持ち帰る人も急増している様だ。共産党政府の国で、貧富の差と弱肉強食の嵐は、アメリカ以上に吹き荒れている様である。
香港の最大手楽器店、Tom Lee Musicで販売されているXotic Guitar。香港のセッションミュージシャンのお気に入り。
香港でも一番人気はメタル系ロック。
Xotic Guitarsはハイエンド・ギターの代表ブランドの位置になる。
Xotic Bassの人気も高く、この日も引っ切りなしに試奏されていた。
香港で第一人者のリペアマン、Keithがこの店、Tom Lee Musicにいる。ここでギター、ベースを買った人は安心だ。
Tom Lee Musicは香港最大手の楽器店チェーンで、香港に23店舗持っている。その多くはピアノを中心とした小さな店で、うちの製品は、本店を含め2店舗で扱っている。本店の規模は大きく、安いものからFender Custom Shop製品まで品揃いは豊富で、最近は中国本土からの顧客も増えて連日大盛況の様子。ただ、ギター関連製品に関してはまだ中国人の認知度が低く売れるのはアコースティックギターとエレキでは低額商品が主だそうだ。ピアノの商売はまだ大きいが、年々減ってきて、香港の子供を持つ親達に意識もオープンになり、バンドの数やギターをやる若年層の人口は確実に増えているとのこと。
(5)XOTiC in Taipei, Taiwan (台湾)
取引先のオフィスの様子。皆さん恥ずかしがり屋で、おしとやか。昭和の日本を思い出す。
取引先のスタッフの写真。親日家が多く、台湾の人達とは大変仕事が進めやすい!
台北に2店舗を持つ楽器店。ATBというイニシャルのミュージシャンが創業者で、元々は楽器の卸し問屋を25年やっており、8年前に小売店を開店。創業者は既に亡くなり亡くなり今は未亡人と2人の息子とで経営をしている。
ATBでは我々の製品はXotic, EWS, Raw Vintageともに、ほとんど全機種取り扱っている。
亡くなられた創業者の奥さん。いかに創業者が凄い人だったかをお話頂く。音楽、楽器が好きな暖かい懐の大きな明るい女性。
Xotic Pedalは台湾でも認知度かなり高いそうだ。創業者の長男とセールス・マネージャーも個人的に使っているペダルでもある。
セールスマネージャーのJoeは地元ではよく知られたプロミュージシャンでもあり、機材については大変詳しい。今後、我々のアメリカで撮影したプロのミュージシャンのインタビューに台湾語の字幕を付けて頂くことにする。
台湾では、日本のヘヴィメタ・ロック・ギタリスト、小林信一さんが凄い人気で、中国語の教則本が良く売れているそうだ。上海でも同じ話を聞いた。
台湾はどの場所よりも日本に近い気がした。親日家が多いとい うだけでなく、台湾人の伝統的な考え方、人を憎まないという教 え、教育が徹底しているのか、どの町よりも街のクラクションの鳴る回数が少なく穏やかで居心地が良かった。またアメリカには無い、モスバーガーがあったのも嬉しかった 8-)
今後アジアからは目が離せない!
投稿者 admin : 15:09