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2009年3月29日
ロサンゼルスの桜
今年もLAの桜が咲いた。1~2月の気温が高くなったり低くなったり激しかったので、一部先に咲いたり未だに蕾も多くと、ちょっと例年に比較して満足行くような咲き方ではなかったがそれでもきれいだった。今が見ごろである。
この桜はPink Cloud(ピンク色の雲)というアメリカでできた品種で、1992年に900本植樹され、その後数年で3,400本程度にまで増えた。これは日本の匿名企業がLA市と共同作業で、1990年から数年間に渡って、植樹だけでなく、土壌、桜の病気の駆除など、桜の育て方の技術指導も含めた、純粋な社会貢献プロジェクトとして行ったものだそうだ。
過去に多くの人たちが日本の様な桜をLAで咲かせることに挑戦してきたが失敗続きだった。冬に暖かいLAの様な地中海性気候だと、花より先に葉が出てしまい日本的な桜の一斉開花は難しい。このPink Cloudという品種はLAの気候でも日本的な咲き方をする唯一の品種の様だ。ずっと昔に日本から持ってこられた桜が自然交配を繰り返すうち偶然できた品種で、南カリフォルニアの気候にもよくなじむ。1990年に、このPink Cloudの枝をこの地の気候に合う強いサクランボの木に接ぎ木して、900本の苗木を2年かかりで育てて植えられた。これがこのプロジェクトの始まりだった。その後は、1本1本植える場所の土壌、水はけも特別にして、また害虫駆除などの対策についても関係者が日本とアメリカを何度も往復して進められた。LA市の公園課の方々には、日本的な咲き方をする桜を育てた経験、ノウハウが無かったので、その技術指導や情報交換にも多くの時間が割かれたらしい。日米の関係者が損得抜きで、純粋に「日本的な桜がたくさん咲く美しい公園を作ろう」と何年も掛けて頑張ったそうだ。東海岸、ワシントンDCのポトマック河畔にある桜も有名だが、後20年もしたら、このLAの桜もその数と規模から見て、西海岸の名所、アメリカで一番の、いや日本を別にして世界で一番の桜の園になるのではないかと期待している。
大きな湖のある公園に植えられて、景観も最高だ。アメリカの公園はアルコールの持ち込み禁止なので、日本式のゴザの上で車座になっての花見は無い。日本的な満開の桜の下でビキニの美女が日光浴をするなんて光景は日本ではなかなか見られないであろう。思い思いに人種、宗教、老若男女を超えて桜を楽しんでいる。家族でサンドイッチを持ってピクニックに来たり、バーベキューをしたり、湖では釣りをしたり、足こぎボートに載ったり、ラジコンのヨットを走らせたり、凧揚げをしたり等々。
Lake Balboa Parkの情報はこちら
ロサンゼルスの中心部から北西へ車で30分ほどの郊外、San FernandoValley地区にある。
投稿者 admin : 2009年3月29日 08:15