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NORIKOインタビュー (2/5)

Noriko:ロスとの関り合いは、小学3年生から5年生まで四国で音楽を習ってた小浜先生なんです。 当時私は20才で短大を卒業して、テクニクスで講師をしていたんです。 だいたい週に40人位生徒がいて、結婚式場の仕事もしていました。 ところが、その仕事が全然性に合ってなくって、 結婚式の仕事に行くたびになんか胸がムカムカしてきちゃったんです

PCI:拒否反応ですか?

Noriko:そうなんです。 どうして私こんな事してるのかなって思ったら、病気になっちゃたんです。 卵巣嚢腫って言って、卵巣が腫れる病気なんです。 ストレスが原因なんだそうです。 それで、盲腸炎も併発してしまって、結局一緒に手術したんです。 21才の時でした。 その頃、小浜先生が金沢に遊びに来てくれたんです。 その時先生に、「あなた何やってるの? アメリカに行きなさいよ、世界を見なきゃダメよ。 知ってる人がいるから紹介してあげるから。」って言われたんです。 実は、小浜先生のボーイフレンドのいとこが、松岡さんって言って、俳優のスティーブン・シガールの合気道の道場で先生としてロスで活躍してたんです。 そして、そこに習いに来てたジャスミンちゃんていう子が、たまたま裏千家の茶道を習いに京都に来てたんですよ。  先生とジャスミンちゃんは仲がよかったんで、早速彼女に会う事になって、アメリカに行きたいんだって言ったら、ジャスミンちゃんの家にホームステイすればいいじゃないって事になったんですよ。(笑)

PCI:それは学校を卒業して何年目だったんですか?

Noriko:2年目です。 病気をしたすぐ後で、21才の時に決めたんです。

PCI:大きな転機でしたね。

Noriko:そうですね。 でも、親には「自分でお金貯めてね。」(笑)って言われたんで、3時から9時までは10人位の生徒に教えて、それからナイトクラブでピアノを弾いてお金を貯めたんですよ。 半年で100万円位貯めました。 

PCI:それでロスに行ったんですね?

Noriko:そうです。 それで、パノラマシティーにあるジャスミンの家に行ったんです。 ジャスミンの書いてくれたご両親のイラストを持って。 空港ではご両親が、「Noriko」って書いた紙を持って待っててくれたんですよ。 松岡さんも来てくださいました。 それで結局、1年間ジャスミンの家で、娘の様に可愛がって頂きました。 

PCI:その間はどこか学校に行かれてたんですか?

Noriko:ロスに来てすぐ、アダルトスクールで英語の勉強をしました。 で、半年後にDick Grove School of Musicという、プライベートスクールに行きました。 今はもうその学校はないんですが、当時はけっこう有名だったんです。

PCI:そこは音楽の専門学校ですか?

Noriko:そうです。 バークレーみたいな学校です。Berkeley in West Coastって言われてたんです。 

PCI:そこでは、どういうコースを取られてたんですか?

Noriko:アレンジとジャズ・インプロビゼーションとヴォーカルクラスを取ってました。 

PCI:そこには1年位いたんですか?

Noriko:いえ、7、8カ月しかいなかったんです。 ビザの関係もありましたので、結局1年半くらいで日本に帰る事になったんです。 

PCI:日本に帰られてからは何をされてたんですか?

Noriko:知り合いにプロダクション会社を金沢でやってる方がいて、その人のつてで全日空とかのラウンジでピアノを弾いてたんです。 

PCI:なるほど。 それで何年くらい日本にいたんですか?

Noriko:4、5年いました。

PCI:では、次の転機、ロスに来られたのはいつですか?

Noriko:93年です。 アメリカ人と結婚してこちらに来たんです。 その頃息子のオーシャンが1才半だったんで、来たからにはとにかく仕事をしなきゃと思ったんです。

  

オーシャンも今や9才、頼りになる?

リハーサルスタジオでたいくつで落書き中。

とにかくむずむずしちゃって、何かしないとあたしは居られないなって思って。 ミュージシャン・コンタクト・サービスというエージェントに登録したんです。 お金を払うとジョブ・リスティングを電話で聞けるんですよ。 今こういうバンドがキーボードを捜してるとか、ギターを捜してるとか。 

PCI:それはアメリカならではのサービスですね。

Noriko:イエローページで捜したんですよ。 その当時もう何も判らなかったので。 それで、始めて取った仕事が、スタジオのセッションの仕事だったんです。 ピアノを弾く仕事。 それがまたひどい仕事でこれはもう絶対笑っちゃうんですけど。 ちょっとその人、頭がおかしく年取ったおじさんで、自分はすごいうまいと思ってるんですよね。 オペラの曲を歌うんですよ。 イタリアの。 歌手なんです一応。 でもすごいアマチュアなんです。 ほら、ドラえもんのジャイアンが歌を歌うとみんなが「あ〜って」言うでしょ? あー言う感じなんですよ。(笑) 

PCI:それでレコーディングするんですか?

Noriko:そうなんです。 それで曲を5曲くらいくれてちゃんと楽譜もあったんです。 普通のクラシックですから。 それでうちのアパートに練習に来たんですけど、近所の人が次の日「What was that!」って言って、大騒ぎ。(笑) とにかく声が大きいんですよ。 近所中に「ア〜、ア〜、ア〜」って響き渡ったんです。(爆笑)  そして当日、レコーディングに行ったんですけど、彼すっごくスタジオでエキサイトしちゃって。(笑)  私はコントロールルームに居る訳ですよ。 こっちでこうやってエンジニアの人達と。 彼はガラスの向こっかわでこうやって歌ってる訳です。 そしたら、彼、失禁? 興奮しておしっこを漏らしちゃったんですよ。(爆笑)

PCI:その歌手がですか?(笑)