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2011年04月05日
第55回;日曜日の朝(ってか昼)
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きょうは天気が良い...
小春日和ってやつかな、
などと勝手に思って
広辞苑をひいたら、
「小春日和」の「小春」というのは
10月の異称なのだそうで、
全然違いました。
考えてみりゃ「小春」どころか、
もう4月だし、もう正真正銘の「春」、
でもまだちょっと肌寒いかな。
必ず春はやってくるし、
こうやってちゃんと新しい芽が萌えて出る。
命の尊さと力強さを感じずにはいられない。
可愛いんだけど、いたずらが過ぎるリス。
子作りの季節だからか、せっせと栄養を蓄えとります。
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先月末のファンドレイザー、
日曜の夜遅くということもあり、
正直「満員」とはいかなかったものの、
とりあえず無事に終了いたしました。
お店の大きさやお客さんの入りにしては
驚くほどのドネーションが集まり、
私としては非常に満足しております。
近いうちにこのときの
演奏の様子(録音)を
お伝えすることができそうです。
詳しいことはまた改めて。
このファンドレイザーを特別なものとして
企画する気は全くありませんでした。
毎月毎週、日常的な仕事のほんの一角を利用して、
つまり自分の出来うる範囲内で、
どんなに微力でもいいから
自分の生まれ育った国のピンチを救いたい、
そして一人でも多くの人々に
いま日本がどうなっているのかを
知っていただきたい、
それだけです。
私の周りでも
とても多くのミュージシャンやパフォーマーやアーティスト達が
こういったファンドレイザーを企画し実行し参加してくれています。
中には非常に大きなチャリティーイベントを
これから立ち上げようと奔走している方達もおり、
それはそれで大変に素晴らしいことだと思うし、
要請があれば私もできる限りの協力をしたいと思います。
でも私個人としては、
これからしばらくの間、
特別な企画やアイデアに頼ることなく、
自分が日常的に参加する全てのプロジェクトにおいて、
ごくごく日常的にドネーション活動を続てみようと思っています。
それが今の私が日本にできる唯一のことだからです。
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次はこれ。ブルックリンのインディーズ系のライヴハウスで
なんら普段と変わらないギグですが、バンドのメンバー、
そして対バン達がドネーションに賛同してくれました。
Tuesday, April 12th, 2011
8:00PM
at
Trash Bar
256 Grand Street
Brooklyn NY 11211
Price: $7
OPEN BAR WITH PAID ADMISSION FROM 8-9PM
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MATHEW SNOW $ THE WAY IT WAS
http://mathewsnow.com/
Mathew Snow...Vo&G
Matt Olley ...Dr
Chris Lavas ...B
Hiro Suzuki ...G
We'll have the crew
of one of the best music store PCI
all the way from Los Angeles
http://www.pci-jpn.com/
for video shooting !
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R.CONNECTED
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JEFF BEAM
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ニューヨークタイムズだったか、
ワシントンポストだったか、
こんな記事が出ていました...
「震災後の東京はかなり強い自粛ムードにつつまれているが、
当の都民はそれが一体どんな結果を都や国に及ぼすのか、
どこまで自覚しているのだろうか?自粛することで自分は良い
ことをしたのだと安心したいだけではないのか。」...。
いま東北は、日本は、
必死になって元に戻ろうとしています。
3月11日の午前中までは確かにそこにあった「日常」を
なんとかもう一度取り戻そうとしているのです。
県や都や国の政治家達が
「花見を自粛しましょう。」などと言っているけど、
自粛させたい理由はそもそもなんなんだろう?
わからない、どうも違和感を感じでしまう。
この違和感を言葉で説明するのは難しいけど、
そういうことは「上」が言うべきことなのでしょうか?
国民一人一人が自分なりに考えて
自分で決めなければならないことのように思えてならないのです。
アメリカの南部とか中西部とかに初めて行ったとき、
これにはちょっと驚かされたのですが、
通りを歩いていて、
見知らぬ人同士でも、すれ違いざまに
"Hi!" とか "How're you doin'?"とかって
笑いながらごく普通に声を掛け合います。
もちろん、日本ではそんなことはありえないし、
それはマンハッタンやその周辺でも
まずほぼ100%ありえないことなのに、
2001年の同時多発テロの直後は
マンハッタンのど真ん中でも、それが、ありえたのです。
地下鉄の中でもパトロール中の警察官にみんな声をかけたし、
警察官も笑顔で答えていた。
消防署の前を通りかかれば本当に自然に
ファイアーファイターのお兄さんたちと会話になったし、
バスの運ちゃんや地下鉄のトークン売り場のおばちゃんたちも
なんだか凄く人当たりが丸くなった、というか、
ニューヨーカーの人柄が
ものすごく優しくなったのを憶えています。
自分の住む街が半戦場と化し、
数千人もの犠牲者が出てしまった現実を
ニューヨーカー達は冷静にしっかりと
受け止めていたからだと思うのです。
同じことが日本人に出来ないわけがないと思うのですが
いかがでしょうか?
(いや、もちろん、通りすがり同士がにっこり笑って「お元気ですか?」なんて、
渋谷の駅前でみんなやったらちょっと怖いっすよ。そうじゃなくて、この信じら
れない現実を、しっかり冷静に受け止めることを日本人だって出来ないわけが
ない、ということです...汗...)
ご存知のように、
このテロが起こったのは2001年9月11日、
この日は火曜日だったのですが、
私はその翌週の月曜日17日の夜にはもう
現場から2~3キロほどしか離れていないライヴハウスで演奏をしており、
それは以前このブログにも詳しく記したとおり、大変な状況でのギグでした。
焦げ臭い異臭の漂う、人気のない街での演奏は
確かに始めは大きな違和感を感じるものでしたが、
でも、どんなときでも自分に出来ることは
これだけなんだと強く認識しましたし、
とにかく片足を地面に踏ん張り、
片足を思い切り前へ踏み出し、
その大きな違和感を大きくまたいでしまわないことには
いつまでたっても再スタートを切ることができないものなのだと
確信することができました。
同じ夜、
アメリカで最も有名なコメディアンの一人で
ニューヨーカーのデヴィッド・レターマンは、
彼のテレビトークショーを再開しました。
彼はしばらくの間、番組の放送を見合わせたいと
テレビ局側に申し出たらしいのですが、
当時のニューヨーク市長のジュリアーニが
市民に一刻も早く「日常」を取り戻させるためにも
今日(6日後の月曜日)から是非再開して欲しいと要望し、
デヴィッドは涙を流し声を詰まらせながら番組を再開しました。
この映像の中でデイヴィッドが言っていることに
どれだけ賛成できるかは別として、
彼が最後に言う言葉、
"New York City is the best city in the world."
ここの部分だけは、
日本が今こんな状態だからこそ、
私達日本人は見習い、真似るべきだと思うのです、
「日本は世界で最高の国ですよ。」と。
投稿者 hirosuzuki1 : 2011年04月05日 04:40