第12回 The Collectors
加藤ひさしさん(vo,g)、古市コータローさん(g)、小里誠さん(b)、阿部耕作さん(ds)の4人からなるThe Collectorsは1986年2月に加藤さんと古市さんにより結成されました。その後、1990年にメンバー・チェンジをおこない小里さん、阿部さんが加入して現在のメンバー構成になりました。デビュー・アルバム「僕はコレクター」をスタートに「UFO CLUV」「SUPERSONIC SUNRISE」「GLITTER TUNE」などいかしたアルバムを多数発表しています。 The Collectorsのサウンドはブリティッシュ・ビート・ロック、ブリティッシュ・サイケデリック・ロックの影響がうかがえますが、それ以外の音楽的要素も多分に含んでいる「総合音楽サウンド」と呼んでもいいものです。The Collectorsの曲の作詞・作曲をほぼ1人で手がけている加藤さん。彼の作る曲は万華鏡のようにカラフルで夢のあるラブ・ソングが多く、聴いていると幸福な気持ちになれます。その加藤さんのヴォーカルは時にはつぶやくように、時には力強くシャウトをしてメッセージを聴く者に届けてくれます。そして加藤さんの曲を「実際の音」にして表現してくれる古市さん、小里さん、阿部さんのテクニックはハンパなものではありません。古市さんのギター・プレイはブルース・フィーリング溢れたソロを弾いたかと思うと、鋭いカッティングでリズムを刻み始めるなどまさに変幻自在。小里さんのベース・プレイは堅実にリズムをキープしていることもあれば、時には唸るようなグルーブ感でカッコいいメロディ・ラインを弾いたりします。的確なビートでThe Collectorsのサウンドを支えている阿部さんですが、曲によってはハリケーンのような凄まじいドラム・プレイをすることも。一聴すると聴き易く親しみ易いサウンドなのですが、ヘッドホンで聴くとThe Collectorsがいかに凝ったサウンドを作り上げているのかが確認できます。ですから聴き込めば聴き込む程新たな発見があるのがThe Collectorsの音と言えます。 私は東京都内のとあるスタジオでレコーディング中のThe Collectorsを撮影しました。私は和気あいあいとした笑いが溢れるレコーディング風景を事前に予想していました。しかし、実際はピリピリとした緊張感が漂い「真剣勝負」そのもの。気安く声などかけられませんでした。アーティストは作品によって評価が決定してしまうのですから、一旦勝負の場であるスタジオに入ると情熱、集中力、想像力、テクニックを結集しなければなりません。その結果、聴くもののハートを揺さぶる素晴らしい作品が生み出されるのでしょう。The
Collectorsの魅力はとても文字などで説明しきれるものではありません。どのアルバムでも良いですから是非自分の耳で聴いて感じて下さい。 |