2009年8月13日
第36回 弟子入り
「蛙の子は蛙。」
とはよく聞かれることわざですが、先日この言葉の意味にふと気がつきました。
僕がテキサスに住んでいたとき、地元で有名だったEliza Gilkysonという中年の女性シンガーソングライターがいました。 彼女は有名というほどではなかったのですが毎年ヨーロッパをツアーするなど精力的に長年活動していたんですが、実は家族の中では三代目のプロミュージシャンだったそうです。 で、彼女の息子がこれまたミュージシャンで、ドラマーとしてお母さんのサポートでツアーしています。 彼がミュージシャン四代目。
親がミュージシャンやってるとその生活パターンや業界のしきたりなどが否応なしに身にしみこんでしまって、たとえば大学いってサラリーマンになる方が不自然で難しく感じるのではないかと僕は思うんですね。 親戚で医者の家族がいますがそこは子供二人とも浪人しながらも最終的には医大行ってるし。
とすると、ミュージシャンになりたい人がどうするのが一番効率いいかというと、ミュージシャンの生活の中に身をおじる投じるのがいいんではないかと思います。 今の日本でもある業界(板前さんや漫画家など?)ではまだ弟子入りとかいうしきたりが残っているかと思うんですが、ミュージシャンもそれで食べれるようになったら弟子というか、アシスタントをとる習慣があったらいいと思うんですね。 金を払ってまでアシスタント雇う余裕はないにしても週10時間とかパートタイムにして、無償だけどその代わりアシスタントの音楽を聴いてアドバイスしてあげたりコネを紹介してあげたりする。 そうやっていくと業界の底上げというか、本当に才能のある人たちが生きていける道がよりスムースにひらけていくんではないかと考えます。 かくいう自分もサラリーマンの息子なんで、ミュージシャンになるのは四苦八苦ですからね。 でもこんな僕でもそれでも映画作曲とかアルバムのプロデュースとか小規模でもやった経験はあるわけですから、僕よりも前の段階にいるミュージシャンたちにはできるだけアドバイスとか手助けをしてあげようとは心がけています。
ミュージシャンになりたいんだったら、どんな形でもいいからその生活に接し、浸れるようにし、先人たちが見ているものを見、聞いている話を聞き、同じ空気を吸う。 そうしているうちにいつのまにか自分も、という具合になってしまうんではないでしょうか?
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投稿者 ari : 08:14