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2009年5月21日
第32回 映画音楽という仕事
今やってるアルバムのプロデュースも最終段階に入り、一曲を残してほぼ全部ミックスが終わったというところまで来ました。 で、次の仕事というわけではないんですが、実はインディーの長編映画の音楽の仕事をすることに話がまとまりました。 これが次の仕事でない理由は、映画作りのプロセスの中でかなり早い段階での話なので、実は僕の作業そのものが実際に始まるのは今から一年半後くらいになる(!)予定だからです。
音楽と同じく映画業界も機材のデジタル化などで安価化が進んでいますが、しかし音楽と映画ではやはりスケールが違います。 インディーで劇場用長編映画を作成するには映画家たちが一本何年もその製作に費やさなければならず、またその費用も市場に出るチャンスを本気で狙うんでしたら軽く数千万かかるわけです。 その上でメジャーがどっかりと占拠している市場に入り込むのは至難の業で、音楽業界と比べてもとてつもなく成功し、利益を得る可能性が低い世界なんですね。
しかし難しければ難しいほどチャレンジして克服する人も出て来るわけで、僕も映画作っている友人たちがいますが、その勇気と努力には本当に頭が下がります。 僕は音楽も映画も好き嫌いが割と激しいんですが、たまにいいなと思う作品に出会うともうたまらなく参加したくなります。
今回てがけることになった映画は原題がLost in Sunshineというんですが、10年前アカデミー賞を受賞した映画「アメリカンビューティー」をテキサスの田舎に舞台を移し、主役を中年男性ではなく30歳という節目を迎えるにあたって思い描いていた人生からかけ離れた生活をしている自分に危機感を感じる女性の話です。とはいっても話としては比較できるにしてもハリウッドの映画とは予算にゼロがいくつか足りないのでそれほど期待してほしくはないのですが(苦笑)しかし志は高くもっている作品なのでその辺多いに共感しています。
で、なぜ僕の仕事になるまでそんなに時間がかかるかというと、一般に映画音楽は製作のプロセスの一番どんじりになるんですが、この映画はまだ撮影が始まるどころかこれから資金集めをするという段階なので、投資者を確保し役者やクルーを雇い撮影し、編集しとやっていると軽く一年半はかかるわけです。 そうこうしている間に行き詰まってしまい完成しない映画もたくさんあるんですが、まあこのプロジェクトはプロデューサーは前にもインディー長編映画を製作したことのある経験者(監督の人はこれが長編は初めて)なのでそういうレベルでの心配はしていません。
というわけで首をながーーくして僕の出番が来るのを待つことにします。 完成するまでこのコラム続いているんでしょうか?
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投稿者 ari : 2009年5月21日 13:18