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2008年5月 2日

第11回 自分に合った道

音楽を職業とすることの難しさは、学校や何かと違って到達する道がはっきりとひかれているわけではないこと。

「ミュージシャンになるコツ」みたいな本や成功の秘訣があればもっと多くの人がそれをやっているでしょうね。 でもそんなものありません。

日本みたいに学校が若者の成長を圧倒的に支配している社会では、この「自分の道を切り開く」という能力が育たないどころか、あっても潰されてしまうんですね。 人から与えられた基準を満たすよう努力し、人から与えられたスケジュールに自分を合わせる。

要するにいつも自分を外部に合わせて行動することが癖になってしまうんです。 ので、いざ自分で何かしなければいけないということになっても、何をしていいんだかわからない。 しかれたレールを走ることは得意なんですけど、自由がありすぎたり、選択肢が多すぎるとわからなくなってしまうんです。

でも難しく考えることはないんです。 考えすぎると見えなくなることもあります。 キーワードは「好きなことをやる。」

例えば、僕はパーティーが苦手なんですね。 でもロック業界にパーティーはつきもの。 業界のパーティーなんかでの出会いを元に人脈をつくっていくっていうのはいわゆる古典的なキャリアの築き方なんで、僕も最初の頃はこぞってパーティーに参加していました。 

でもやっていて楽しいわけではないし、人に会って話をしようとしてもやっぱりどこか無理があるんですね。 僕みたいに堅物で優等生タイプの人間がお酒とタバコをつまみに大物マネージャーとお近づきになってやろうなんてことできないんです。 そういう状況で会った人と何か仕事になった試しがありません。

逆に僕はコンピューターとインターネットが得意なんで、もう10年近く前からいつも自分のウェブサイトを持ってました。 メールの返事もしっかり丁寧にするし(こういうマメなケアはアメリカ人苦手ですね)。 なんで、これまでありついた仕事のほとんどは自分がきちんとしたウェブサイトを持っていたから、といっても過言ではありません。ので最近ではもうパーティーにいったりバーで知らない人に話しかけたり、ということはもうやってません。 もっぱらオンラインでの活動の集中してます。

ストレスになることを無理してやっても長続きしないし、いいことにつながることにはなりにくいんです。 ので、ミュージシャンになる道も、人それぞれ独特の道があるわけなんで、自分に合った道を見つけてそこに集中しましょう。 誰がどんなに「これやると効くぞ」といった手段を試してみても、合ってないことは結果につながりませんから。

色々試してみて、自分に合ったやり方を見つけましょう。 その積み重ねが、キャリアにつながりますから。

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投稿者 ari : 2008年5月 2日 06:52